北海道 日高山脈北部
幌尻岳、戸蔦別岳、北戸蔦別岳 2009年7月4日
100名山でメジャーな山なので、私の足なら登れないことは無かろうとガイドブックを読んだだけでネットでの調査は行わなかった。最大の関心事は額平川の渡渉で、ガイドブックによると登山靴の中を濡らさずに遡上するのは不可能で、数箇所どころか10箇所以上で渡渉するようだ。こうなるとその都度靴を脱いでジャブジャブやって足を拭いて靴を履いていたのでは時間がかかるので、沢の遡上中は濡れてもいい足回りでジャブジャブ渡った方がいい。最初は沢靴でも買おうかと思ったが、たった1回の山のために金をかけるのはもったいなく、かなりボロくなった運動靴で歩くことにした。ちょっと滑りやすいかもしれないが、100名山で高齢者がたくさん入っているはずで、それらの人でも歩けるのだから少しくらい足回りが悪くても大丈夫だろう。
現地作業を終えてレンタカー屋に向かい、車を借りて宿で荷物を積み込み、銭湯に浸かってから近くのスーパーで買い物を済ませていざ出発。日高とはいえ登山口が額平なので今回は近く(約100km)、時間がかからなくて助かる。これが南日高や十勝側に登山口がある場合はとんでもなく遠くなる。今回はロードマップではなくカーナビ頼みでルートを選び、カーナビの指示通りに走行した。苫小牧→厚真→鵡川→平取と進み、国道237号線を東進し、振内の鉄道記念館を過ぎて右手に幌尻岳の案内看板が登場、右に入る。桂峠を越えて広い舗装道を東に入っていくとやがてダートになり、あとはゲートまで延々とダートを走るが車の通過が多いと思える路面で、あまり荒れておらず普通車でもまったく問題ない。たま〜に幌尻山荘の案内標識が現れるだけだが、基本的に直進なので大きな問題は無い。
国道からの分岐点。立派な標識があった | 新ゲート(仮ゲート)。一般車はここまで |
やがて車止めの鎖がかかり、左手に広い駐車場が登場、ここが仮ゲートである。駐車場は金曜夜なのにほぼ満杯で、たぶんほぼすべての車の主は幌尻山荘泊まりだろう。マイクロバスも止まっており団体様もいるようだ。開いたスペースのうち木陰になりそうな場所に車を突っ込み、パッキングを済ませて酒を飲んで寝た。今回は日帰りを目指し、しかも戸蔦別岳と、できれば北戸蔦別岳も往復するつもりなので、明日はできるだけ早く出発するつもりだ。今の時期の北海道は3時くらいから徐々に明るくなり、3時半にはすっかり明るくなるので3時前に起床が目標だ。
早朝2時過ぎに2名?が鈴を鳴らしながら次々に出発したが、私のほうは3時前にアラームで起床、上空は星が見えていないので曇りらしいがこれは天気予報どおりなのでがっくりはしない。朝飯を食っていざ出発。まだライトが必要な暗さだが、それも10分程度で明るくなるだろう。もっとも、最初の2時間近くは林道歩きなので暗くても問題ないが。林道は緩やかに登っていくが細かいアップダウンもあり、自転車の場合は帰りの登りが苦しそうだ。いや、歩きでも苦しいだろう。
本ゲート | この後も立派な林道は続く |
30分程度歩くと再びゲートがあり、幌付きの軽トラが止まっていた。たぶんこれが以前のゲートだろう。この先も良好な林道が続くが一般人はテクテクと歩くしかない。1時間を経過してまだ林道終点にならないかと嫌気がさしていた頃に、2つ目のゲート前に止まっていた軽トラが3名の登山者を荷台に乗せて軽快に走り去った。下山時にも同じ軽トラに抜かれたが、どうも地元宿泊業者の送迎専用軽トラらしい。一般車は入れなくても関係者と地元車は林道終点まで入れるようで、複数の車がこの林道に入っていた。ネットで調べたことはないが、たぶん額平でお泊りすると送迎してもらえるのではなかろうか。もしそうだとしたら往復4時間近くが節約できるので、その時間と体力節約を考えたら宿代としては安いだろう。
林道終点手前。関係者はここまで車でOK | 林道終点 |
空になった軽トラが下ってきたがまだ林道終点には到着しない。橋を渡って上り返すとやっと林道終点に到着。ここには別の車が2台と大きなテントが数張。日帰り装備の私の足で2時間弱かかったので、一般的な100名山ハンターだともっとかかるだろうか。
堰堤脇から登山道が始まる | 右岸に道がある |
堰堤は右岸を通過して上流から河原に出るが、エアリアマップによるとしばらくはこのまま右岸を歩いて山荘との中間点付近から渡渉が始まるとのことなので、まだジャブジャブやるのは先のようだ。少し高巻きしたり川縁をへつったりしながら進んでいくがさすが100名山で河原でもルートは明瞭、テープやケルンも多く、迷うことは無い。やがて前方に3人の女性パーティーが視界に入ったが、時刻から考えるとさっきの軽トラに乗っていた登山者だろう。その装備からして日帰りだろう。私はすでに2時間以上歩き続けているが、それでも私の足のほうが速く、高巻きルートで道を譲ってもらう。
最初の渡渉点。水深は膝丈。他の渡渉点も同様 | 高巻入口も明瞭 |
そのすぐ先で最初の渡渉に到着、あれ? エアリアマップとは違って登場が早いなぁ。でも間違いなく対岸に道が続いており、右岸側は切り立った崖でここは渡るしかない。運動靴の紐を締めなおし、ズボンの裾を腿まで捲り上げてジャブジャブ開始。流れはそれほど速くなく深さは膝丈で難なく渡れたが、さすがに水温は低く、私の冷え性体質では10秒が限界だった。まあ、この川幅なら10秒はかからないが。そのすぐ先で再び渡り返し、その後しばらく右岸を進んだ。どうやらこの渡渉2箇所の間だけ増水等で右岸ルートが削られて消失してしまって今のようなルートに変更となったらしい。
目印は多数ある | 一番流れが急で深い渡渉個所 |
その右岸ルートが終わると本格的に渡渉の連続となり、数えるのが面倒なくらい何度も渡り返す。登りは面倒なので写真も撮影せず時間も記録しなかったが、帰りは楽しみが無いので全部の渡渉箇所の写真と通過時刻を記録した。それによると水深が腿近くまで来るのは2箇所だけで、あとは膝下ばかり。流れが強いのも2箇所だが、見た目よりも現実は簡単で入ってみれば杖で体を支える必要も無く、そのままジャブジャブと渡れた。まあ、昨年の木挽山の渡渉と比較すれば楽勝な部類だ。今年4月に高瀬川で流されたDJFなら鼻歌交じりで渡れるだろう。
ところでさすが100名山だけあって、下ってくる人、沢を遡上している人の姿は多いが、目立つのがガイド付きパーティーだ。中高年で5人以上のパーティーはほぼ全てガイド付きだと思っていいくらいで、北アや南アでもこんなに多くは見たことがない。まあ、幌尻の額平ルートはこのような沢登りルートで一般登山道ではないという特殊事情はあるが、これほどガイドが活躍する100名山も珍しいのではなかろうか。ガイドのおかげでリスクが減って遭難者が少なくなるほうに働くのか、それとも自信が無くて入山を控えていた登山者が挑戦するようになってかえって遭難者が増える方向に働くのかは定かではない。でもガイドがいなかったら確実に入山者は減るだろうなぁ。ちなみにこの日から約2週間後にトムラウシ山と美瑛岳でガイド付きパーティーの合計9人+単独行者1名が死亡するという大量遭難事故が発生することになる。
えらい立派な幌尻山荘 | 百名山だけあって登山道は1級 |
いくつかのパーティーを追い越して渡渉を繰り返し、しばらく右岸を高巻きしてもう渡渉は無いかと思ったら山荘の目の前で最後の渡渉、左岸に渡ると山荘に出た。時刻的には泊まった人は今頃山頂目指して登っている最中だろう、小屋は無人のようだった。ここで運動靴から登山靴にスイッチ、帰りは戸蔦別岳から下るが、こちらも渡渉があるとのことで濡れた運動靴は袋に入れて背負っていく。渡渉の水の冷たさのせいか、ここまで汗はほとんどかかず疲労も感じないので、靴を履き替える時間だけ腰を下ろして出発となった。やっとここからが登山の本番だ。
樹林帯を登る | 命の泉分岐 |
沢登りの区間でも道は明瞭だったが、まともな登山道に入るとやっぱり100名山クラスの1級の道で体に触れる藪は無い。ジグザグに高度を上げ尾根に乗り、樹林帯をなおも登る。途中「命の泉」という看板があり踏跡が降りているが、周囲はガスって水場までの距離は不明だった。今回は1リットルの飲料を持ってきており、これまで一口も飲んでいないので補給の必要は無いが。この時期にこの標高で水の消費が少なくて済むのも北海道ならではであろう。関東近郊では間違いなく汗だくだ。あちこちにシラネアオイが咲き目を楽しませる。
ハイマツ帯に変貌 | 稜線上は森林限界突破 |
やがて樹林の高さが徐々に低くなり、落葉樹林から立ったハイマツ帯に変わると森林限界も近い。グングン高度を上げて時々露岩も現れて展望がいい尾根なのだろうがガスっていて見えないのが残念だ。しかし時間経過とともに徐々にガスが薄まって、雪を抱いた谷の向こう側に主稜線が姿を見せるようになった。地形図で確認すると幌尻岳山頂付近のようだ。振り返ると登ってきた尾根も見下ろせるようになり、遠くには雲海の上に頭を出した山が見えるが、場所的にはチロロ岳だろうか。 少し細くなったハイマツの尾根になると水平移動になり、尾根に取り付いて初めて登山者を追い越した。おそらくは今朝小屋を出発した人であろう。小鞍部の手前、1740m峰で休憩とする。ここまで既に4時間以上歩き続けているのでさすがに疲れたし、腹も減った。すっきりとした展望とまではいかないが、このまま回復傾向に向かってくれるといいのだが。
登山道に僅かに残雪があった | 周辺はお花畑 |
短い休憩を終えて出発。小鞍部から上りにかかると残雪が見られるようになり、ハイマツが終わってお花畑が始まる。まだ本格的なシーズンの直前だろうが、先週の仙丈ヶ岳では咲き始めだったハクサンイチゲは真っ盛り。その他にも花はあったが詳しくはないので写真に収めるだけ収めて先に進む。先を行くオバサンパーティーの歩みが遅いのもうなずける光景だった。
新冠コースもはっきりした道のようだ | 新冠コース分岐 |
北カールを見下ろす | |
幌尻岳への最後の登り |
尾根はU字形に方向を変えて新冠コースと合流、こちらはやたらめったら長い林道歩きが待っているので、どれほど利用者がいるのは知らないが、かなりまともな道のようだ。そこからは緩やかに岩稜帯を登りきると待望の幌尻岳山頂に到着した。
幌尻岳山頂 | 戸蔦別岳はガスで見えず |
山頂には大きな標識が立ち、その近くにひっそりと三角点が立っていた。100名山とはいえ前夜小屋に宿泊した人達の多くは既に山頂を通過した時間帯なので人は多くはなく、少し時間が経過すると私一人だけの静かな山頂となった。幸い、ガスはかからなくなったが雲は多く、ここより南方の日高の山並みは見ることはできず、東側のカールの向こうの山並みも雲の中で、見えるのは登ってきた西側の尾根だけで、北側の戸蔦別岳も途切れ途切れに姿を現す程度だった。天気予報では曇りだったのでしょうがない。冷たい西風が吹きつけ寒いので、少し東側に下って休憩した。
戸蔦別岳へと向かう | 短時間だけ戸蔦別岳が見えた |
時間的にも体力的にもまだ余裕があるので、計画通りに戸蔦別岳へと向かうことにした。森林限界の尾根を北上、1940m肩から鞍部へと急激に高度を落とすとハイマツ帯に突入する。登ってきたルートと違って刈り払いは完璧ではなく、登山道の両側からハイマツがブラシのようにはみ出して腰から足にかけて擦られる。今はハイマツが乾いているからいいが、雨や朝露で濡れていたらイヤな場所だ。どうも小屋泊まりの登山者の多くは最短コースの北カールの馬蹄形尾根を往復するようだ。
七つ沼を見下ろす | カール縁を登る |
標高が下がって七つ沼カールが近づくと雲の層から抜け出して視界が得られるようになり、七つ沼も見えるようになった。カールにはまだ多くの雪が残り、沼の水も多くてなかなかの光景だった。今なら雪から簡単に水が得られるので時間があれば幕営もよさそうだ。1766m峰手前の鞍部からはカールに向かって明瞭な道が下っていた。
ハイマツに埋もれた道を進む | やっと寝たハイマツに変わり歩きやすくなる |
ピークを越えて次の鞍部を通過、ここで男性3人組が休憩中だった。ガスって先が見えないが徐々に登りに切り替わり、やがて本格的な登りになると、やっと邪魔なはみ出しハイマツから開放されて寝たハイマツや草付きの斜面に変貌する。これで晴れて展望があればなんとも気持ちいいのだが・・・。右手の稜線に道が移り、あとはこの尾根を詰めていく。さすがにゲートから歩き始めてかなり時間が経過しているので足は重いが、戸蔦別岳まで登れば、あとは大きな登りは無いはずだ。
これで晴れていたら言うことないのだが・・・ | 戸蔦別岳山頂 |
ようやく待望の戸蔦別岳山頂に到着。山頂は先客が1名だけとこちらも静かだった。周囲はガスに覆われて展望は無いままだが、風は無いのでそれほど寒くはない。ここでしばし休憩したが、一時的に昨年登った伏美岳からピパイロ岳の稜線が見えただけだった。その後も数人が登ってきたが、やはり幌尻岳よりは少ない。
西へと下る | 1881m峰へと登る |
戸蔦別岳〜1881m峰間鞍部から見た伏美岳への稜線 |
さあ、まだ時間に余裕があるし、ここまで来て北戸蔦別岳に立ち寄らないのはもったいないので足を伸ばすことに決めた。幌尻岳日帰りというのは珍しいことではないと思うが、戸蔦別岳周回コース日帰りとなるとかなり小数となり、北戸蔦別岳までオプションで登る日帰りはほぼ皆無ではなかろうか。森林限界の尾根を下り、1881m峰へ向けて登り返しとなると雲の層から出て周囲が見えるようになるが、幌尻岳は雲の中に沈んでおり、見えるのは十勝平野方面だけだった。
北戸蔦別岳分岐 | 北戸蔦別へと下る |
1881m峰はてっぺんを通るのかと思ったら西側を巻いて、直下付近で西尾根に向けてトラバース気味に幌尻山荘へと下る道が分岐している。北戸蔦別岳への道は稜線へと真上に向かっており、ここでメインザックをデポしてアタックザックに防寒着のみ突っ込んで往復することにした。この高さもまだ雲に突っ込んでおらず、これから歩く尾根の様子も見えている。まさか歩いている人はいないかと思ったが、鞍部付近に数人パーティーの姿が見えている。遠いのでこちらに向かっているのか、逆に伏美岳方面からこちらに向かっているのかは分からない。
鞍部付近。明瞭な登山道が続く | 十勝側のみガスが切れた |
この先は今までより利用者が激減するはずなので道のグレードはがた落ちかと思ったら、今までとほとんど変わらない道が続いていた。まあ、最初はハイマツはなく岩稜帯で藪は無いが。お花畑も点在している中を下ってくと大ザックの単独男性が登ってきた。間違いなく伏美岳からの縦走だろう。話を聞くとその通りで、今日は七つ沼で幕営とのこと。ここまで来ればもう近い。額平川の渡渉について聞かれたが、危険は無いものの全箇所で膝丈の水深なので靴の中を濡らさないで歩くのは不能と教えたが、沢用の靴は持っていないとのことで、下山だけなので靴のまあジャブジャブの覚悟とのこと。あの渡渉回数では毎回靴を脱いだり履いたりしていては時間がかかりすぎるからなぁ。
まだ残雪があった | 最後の登りは濃いハイマツを避け稜線西を巻く |
鞍部向けて下っていくと東側にはまだ雪が残っていた。そうか、この時期ならこういうところで水を得られるので夏や秋なら水を担ぐところがその必要が無いので楽だな。鞍部から登りにかかると多少ハイマツが鬱陶しいが標高が上がると再びハイマツが消えて展望の稜線になる。いつのまにか北戸蔦別岳のガスは消えててっぺんも見えている。
北戸蔦別岳山頂 | 北戸蔦別岳から見た戸蔦別岳 |
北戸蔦別岳から見たヌカビラ岳方面 | 北戸蔦別岳から見たピパイロ岳方面 |
北戸蔦別岳から見た東側 | |
北戸蔦別岳から見た札内岳 |
標高差約100mをゆっくり登りきると本日最後の山頂である北戸蔦別岳に到着、山頂直下にはゴアライトが建ち、主は中でお昼寝中だろうか。周囲のガスは消えていると言っても雲が無いわけではなく、戸蔦別岳が雲の高さぎりぎりで幌尻岳は雲の中だった。伏美岳にかけての稜線はおおよそ見えているが、チロロ岳はまったく見えない。西側は低い雲に覆われて夕張方面の山もまったく見えなかった。西側のヌカビラ岳へと続く稜線の最初の鞍部にはいくつかのテントが建ち数人の姿が見えた。鞍部北側には雪渓が残り水も得られるのでいい場所らしい。今後の行程を考えるとあまりのんびりもしていられないので少し休憩して山頂を辞した。
1881m峰へと登り返す | 1881m峰西側から見た幌尻岳。やっぱガスの中 |
六ノ沢向けて尾根を下る | 下部は刈り払われた直後 |
メインザックまで戻ると6人くらいのパーティーが休憩中。ザックを背負って先に出発し、小屋へと下る道に入る。斜面をトラバースして尾根に乗り、露岩交じりの展望のいい尾根をグングン下る。かなり傾斜があって下りにはいいが、登りは足が弱い人にはきついだろう。おっと、下りも同じか。標高が下がると徐々にハイマツが立ってくるが、七つ沼付近の稜線よりも整備されていてハイマツはうるさくなかった。ハイマツから樹林帯に変貌しても良好な道が続き、下のほうは最近笹を刈り払ったのか枯れた笹が登山道上に落ちていた。
尾根末端近くで六ノ沢が見えてきた | 六ノ沢 |
標高が下がると気温は上がり、急な下りで足を使うので体温は上昇しかなり暑くなってきた。こうなると早く渡渉に入って足を冷やしたくなる。今冷水に入ったらさぞかし気持ちいいだろうなぁ。樹林から開けた笹の斜面を横断すると沢に降り立ち、男性2人が沢歩きの準備中だった。こちらは濡れた運動靴に履き替え、ズボンをまくってお先にジャブジャブと沢を渡って対岸へ。やっぱ冷たい水が最高に心地いい!
額平川右岸を行く | 1か所だけ雪渓があった |
対岸(右岸)に渡ると道はそのままずっと右岸沿いについており、渡渉したのはその1回だけで幌尻山荘手前に到着、山荘は対岸なのでジャブジャブかと思ったら、こちらは額平川にささやかな橋がかけられており、それれを渡って小屋前に出た。時間的にいい時刻なので大賑わいだったが、今日は町民登山の日なので一般登山者は小屋を使えないはずで、これがほぼ全部幕営者なのか、それとも町民なのだろうか。テント場にはでかいブルーシートが敷かれ、これから設営らしかった。私はこれからゲートまで約3時間歩かなくてはいけないなぁ。
幌尻山荘へは橋がかかっていた | 下りの山荘は人がいっぱい! |
林道終点まではジャブジャブの連続で、沢の様子は登りで分かっているので心配もなく歩くだけ、暇なので全部の渡渉点の写真を撮影しながら下っていった。まだまだ登ってくるパーティーも多く、山荘にこんなに入りきるのか?と心配になってくる。さすがに下りの人の姿は無く、林道近くまで歩いたところで今朝私を追い越した軽トラの女性3人パーティーを追い越しただけだった。
最後の渡渉点は記憶に鮮明なのですぐ分かり、ここで登山靴に履き替えて再び歩き出す。途中、対岸にピンクリボンを見たときには失敗したと思ったが、そのまま右岸に道があり、昔の目印らしかった。また靴を履き替えなくてはならないのかと焦ったがよかった。やっと林道終点に到着したが、ここからまだ1時間半の歩きが待っている。携帯音楽プレーヤを聞きながら延々と歩くが、登りで分かっているように基本的には下りなのだが登り返しもあって結構疲れる。途中、朝に追い越された軽トラが上がっていったが女性3人パーティのお迎えだろう。再び軽トラに追い越され、歩いている間に女性パーティを2回追い越したが、林道では逆に2回追い越されたことになる。
さすがに林道歩きの最後の30分はつらく、時間の進みが遅く感じられたがどうにか駐車場に到着、出発から約13時間半、今回は林道歩きが長かった! 疲労度合いは4月の丸山岳往復よりはずっと軽いが、これは冬装備+延々とスノーシュー装着の条件を考えると致し方なかろう。駐車場の車は減っており、どう見ても入山者数と比較すれば少ないので、ツアーでバス等でここまで入るか、地元宿泊施設に宿泊し、送迎を受ける人が多いようだ(客層を見る限りは大半の人が林道終点まで送迎してもらっていると思う)。着替えを済ませ、以前利用したことがある旧穂別町の「はくあの湯」に向かった。
所要時間(ICレコーダ紛失により休憩時間不明、下記時刻は休憩等を含んだ時間です)
3:30仮ゲート−−4:00本ゲート−−5:07林道終点−−6:17幌尻山荘(ちょっと休憩)−−8:05標高1740mで休憩−−8:53新冠ルート分岐−−8:59幌尻岳9:20−−10:44戸蔦別岳(休憩)−−11:34幌尻山荘分岐−−12:06北戸蔦別岳(休憩)12:14−−12:45幌尻山荘分岐(休憩)−−13:39六ノ沢(ちょっと休憩)−−14:01幌尻山荘−−15:21林道終点−−16:27本ゲート−−16:58仮ゲート