劔北方稜線 大窓ノ頭、白ハゲ、赤ハゲ、白萩山、赤谷山 2007年10月6〜7日
立山町から見た夕暮れの劔北方稜線 |
お詫び 最初の記事ではルート上に残されていたピンクリボン目印をDJF氏が取り付けたものとしていましたが、劔北方稜線では山頂も含めて目印は一切付けていないとのDJF氏からの指摘がありました。また、DJF氏は山頂では目印を残すこともありますが、ルート途中の目印は基本的に回収するか取り付けないそうです。記録を訂正し、DJF氏にお詫びいたします。
劔北方稜線は赤谷山から劔岳まで一気に縦走できれば言うことはないのだが、私は岩に自信がないのでピークに立つことを目的にして尾根をつなげて歩くことは優先しないことにしている。数年前にこの尾根を無雪期縦走した武内さんの話によると、ザイルが必要なのは池平山の南北の稜線だけとのことで、まずはその危険地帯の池平山は主稜線を通らずに東尾根から登ってしまおうと今年8月に池ノ平から登ったが、登り切ったところは池平山山頂ではなく、結局は残置ロープに頼って本当の池平山山頂に立ったのだった。これで小窓〜劔間と、赤谷〜白ハゲ間に2分割でき、一気に歩くよりは所要日数も難易度も減らせたことになる。
岩はちゃんとした訓練を積んだ後としたいので、まずは白ハゲまでと数年前から考えていたが、今年9月にDJF氏が赤谷〜劔までの縦走を成功させHPに書き込まれて、白ハゲまでの無雪期の情報が入手できたので雪が来る前に挑戦したいと考えた。ここの情報は武内さんのメールでも少しはもらっているが、私からお願いして情報をもらったわけではないので、赤ハゲ〜白萩山間は藪が酷いこと、岩がある場所でも迂回は可能、危険箇所はハイマツに潜ればOK程度の簡単な情報だけだったので、DJFの最新情報は暗闇の中の灯台のような希望の光だった。今、ネットで無雪期の検索をしたが、DJFの記事の他には2件、しかし1件はBLOGで写真中心で文章は少なく詳細不明の状態で、現状ではDJFの記録が一番濃いと思う。地元では無雪期も登られているのかもしれないが、いかんせん地元事情を知らない人間にとっては、ガイドブックにも無ければネットにも情報が無いとなれば頼りは地形図以外には無く、地形図では表現できない程度の崖だが人間が通過するには危険な崖の有無は読めないし藪の酷さも読めないので、ここに入山するにはかなりの気合いと覚悟が必要である。武内&DJF情報が無かったら今年も躊躇して登らなかったかもしれない。
9月最終週は天気が悪かったので会社で仕事をして1週間分くらい作業を進めてしまい、有給休暇を取得できる状況にしておいた。しかし過労気味で体調を崩してしまい、10月の3連休前の水曜から自宅療養に切り替えて体調回復に努め、どうにか大丈夫かなぁと思える程度になったので決行を決意、登山口の馬場島は東京から遠いのでお昼過ぎに出発する。有給が使えるというのはありがたいことで、もし会社が終わってから出発したら初日の睡眠時間は1,2時間しか取れないだろう。中央道から長野道へ入り松本ICで降りて安房トンネルを抜け、旧上宝村、旧神岡町を経由して富山県に突入、市街地を避けて環状の広域農道で上市町に入り、馬場島への案内標識で右折、あとはひたすらまっすぐだ。前回来たときには何頭もカモシカを見たのだが今回は見られなかった。馬場島駐車場を僅かに超えて左のダートに突入、工事関係者以外立入禁止の看板があるが、前回来たときにもあったものだし、EAS氏が最近大猫山に登った際もたくさんの車が堰堤まで入っている現状を知っているのでそのまま車を突っ込む。工事でうねったダートだが普通車でも問題なく、その先の割れた舗装区間の方が慎重に運転する必要があった。
堰堤上から見た駐車場 | 林道終点の堰堤 |
終点の堰堤前駐車場は車は皆無で私が最初のお客だったが、前回の経験からも駐車場が満杯になるのは必至なのでできるだけ端に寄せて駐車した。大猫山登山口には行方不明者の看板が・・・・。私自身が遭難しないよう気を付けなければ。酒を飲みつつ大ザックにパッキングしていくが、この時期はシュラフを夏用のままにするか重い冬用にするか悩んだが、雪の上で寝るわけではないので夏用ダウンシュラフにした。その代わりダウンジャケットの他にフリースもザックに突っ込み、マフラーも追加した。夜中に小用に外に出ると隣に車が止まっていたが全く気づかなかったが、明け方近くなるとぞくぞくと車が上ってき。私のように赤谷山から先に行く人は含まれるだろうか。
小ブナクラ谷 | 大ブナクラ谷 |
仁王杉(一番奥) | ブナクラ峠が見える |
朝飯を食って出発したが、タオルを忘れたことに気づいて5分ほどで戻ってくるという前途多難な出発だった。前回は堰堤にかかる梯子を登ったが、今では右岸側斜面を登る道ができているのでそれで堰堤を越えた。前回、小ブナクラ谷を渡るところで早朝真っ暗な中、迷っていた人を先導した渡渉点より少しだけ下流に渡渉箇所が移っていた。大ブナクラ谷は土石流の押し出しでルートが消えているが新たに目印が設置されて問題なく横断できた。前回の記憶はあまり残っていないが、最後の水場は標高1330m付近でブナクラ谷が2分する僅か下流で合流する、猫又山から流れ下る沢であることだけははっきりしているので、それと思われる沢で3リットルの水を汲んだが、前回歩いたときにはこんなに深くなかったような気も。3kgの重さが加算され、ザックは冬装備のような重さになった。
沢を離れて本格的登りが始まる | ブナクラ谷を見下ろす |
峠直下は巨岩の原 | ブナクラ峠 |
ブナクラ峠から猫又山方面 | ブナクラ峠から赤谷山方面 |
ブナクラ峠から見た後立山 |
予想通りその沢を最後に水から離れて峠めがけて登り始める。最後は石の積み重なりを越えてブナクラ峠到着、お地蔵様は前回同様だが背後には案内標識が設置されていた。相変わらず刈り払いはバッチリで半ズボンでも歩ける状況だ。夜間は満天の星空だったのが今は上空は雲に覆われ日差しがない。ラジオで天気予報を聞くと午前中は上空を弱い気圧の谷が通過するので曇るが午後から晴れるとのことで、降水確率は午前午後とも0%と言っていた。峠からは後立山がずらっと並んでいたが、白馬や五龍のてっぺんも雲に隠れておらず、もし一時的に天候が悪化したとしても、こちらの高さまで雲が降りて来るには相当時間がかかりそうだ。少々休憩する。
前回幕営した場所。最初のピークを越えたところにある | 猫又山はまだ高い |
赤谷山が見えてくる | 水がない沢筋を登る |
稜線に出ると森林限界 | 赤谷山山頂一帯 |
赤谷山から見た劔岳 | 赤谷山から見た池平山。手前に重なって大窓頭 |
赤谷山から見た五龍岳 | 赤谷山から見た鹿島槍 |
赤谷山から見た後立山 | |
赤谷山から見た毛勝三山 | |
赤谷山から見た劔北方稜線 |
ブナクラ峠から小ピークを越えたところで前回幕営した小広場を通過、整備された登山道を順調に登っていき、最後は草付きで開けた気持ちのいい赤谷山山頂に到着した。先行者は1名で、花崗岩の巨岩が点在する少し低いところで写真を撮っていた。私はこれからそこを下って先を目指すわけだが、まずは休憩だ。ここへ来てようやくこの先の稜線が全貌を表し、前回は雨の中ガスって見えなかった白萩山、赤ハゲ、白ハゲ、そして池平山と重なって大窓頭と並んでいる。前回到達地点の白萩山−赤ハゲ鞍部の草付きがよく見えており、思ったよりずっと近い。これなら雨で立ち往生しながらも1日目で大窓まで達したDJF並みに、今日のうちにこの鞍部より先まで進めそうだ。その場合、幕営できそうな場所は草付きの白ハゲかDJFと同じく大窓になるが、DJFの記録によれば白ハゲから大窓の下りが厳しそうで大ザックで登り返すのは苦労するだろうから、白ハゲにテントを張ってアタックで大窓頭を往復するのが得策だろう。赤ハゲ〜白ハゲ間の稜線はゴツゴツした岩峰も見えており、いよいよ危険地帯らしい雰囲気が漂っているのだが、DJF情報では問題ないとのこと。しかし、岩場の経験、技術、度胸は私とは比較にならないので、私が感じるコースの危険度は彼とは異なるだろう。大ザックを背負ったままでお助けロープの出番が無ければいいが。
赤谷山到着直後はまだ雲が広がって寒く、Tシャツの上に長袖シャツにフリースを着る。雲の高さが下がってきたような感じもする。でも、休憩しているうちに徐々に天候が回復、そのうち雲に入ってしまうのではないかと思われた劔岳上空の雲もとれて日差しが出て暖かくなってきた。一番イヤなのは赤ハゲ〜白ハゲ間の岩峰でガスられて先が見えなくなることだが、これなら大丈夫そうだ。充分休憩していよいよ道無きルートに突入だ。とは言っても白萩山−赤ハゲ間鞍部までは一度歩いて踏跡がどう通っているのか知っているので問題ないが。
赤谷山の下りは稜線東側の花崗岩地帯を下る | 白萩山までの稜線。主に左側の草付きを歩く |
最後の巨岩右側に薄い踏跡(溝)がある | 踏跡は水がない小さな沢。ここだけ藪が切れてる |
沢を下ると草付きに出る | 草付きがある場所は草付きに踏跡がある |
稜線上は凄い藪で無雪期はとても進めないので、踏跡は稜線東側の花崗岩地帯を降りたところから始まっている。草付きの花崗岩地帯末端にある大岩の右側に枯れた小さな沢状の窪みがあり、その沢を辿って下降していく。この入口だけは色が抜けて白くなった荷造り紐の目印がある。沢筋だけは藪が薄いのでそれを利用したルートなのだろう。目印はほぼ皆無だが、なにせ沢筋しか藪が開けた場所はないので間違うことはないだろう。沢なんか降りて本当にいいのか?と藪屋の本能が囁くほどなので、情報を知らない人は踏跡とは思わず戻るかもしれないが、沢を下っていくと草付きに出て藪から解放されるのだ。稜線上は強烈な灌木の藪だが、稜線東側を下ったところは雪庇が遅くまで残って木が生育しにくいようで藪が切れて広い草付きの部分があるのだ。これを最大限利用して楽をするようなルート取りをしているのが踏跡なので、踏跡を見失ってはいけない。濃くはないが簡単に見失うほどの薄さでもなく、藪山に慣れている人なら追うのは難しくない。ただし、草が生い茂る夏の間は埋もれて見分けるのが難しいかもしれない。ここ数日のうちについたと思われる劔方面へと向かうフレッシュな足跡が残っており、何となく勇気づけられる。
ここでいったん草付きが終わる | 草付きが終わって灌木帯の踏跡に入る |
灌木帯を登り切ると稜線に出る。藪は薄い | 赤谷山を振り返る |
最初の草付きを突っ切って、張り出した小さな尾根を乗り越えると次の草付き地帯に出る。これもほぼ等高線に沿って巻き、草付きが終わって藪地帯が始まっても踏跡だけは少しは刈り払われた形跡もあって歩きやすいので迷うことはなく斜めに標高を上げていく。そして最後はまっすぐ稜線に向けて突き上げて、花崗岩の砂が広がって気持ちよい稜線にひょっこりっと出た。僅かな風でも心地いい。ここから先は白萩山直下まで稜線を忠実に辿るように踏跡がついているが、赤谷山山頂のような激藪ではなくけっこう歩きやすい。時々ハイマツが出てきくるが長続きせず、低い樹林帯で大ザックが引っかかって鬱陶しい区間も短く、ほとんどが開けた尾根で展望が良く、振り返ると赤谷山で休憩する登山者の姿が見えるくらいだった。
白萩山手前の稜線。左手の草付きを巻く | 稜線左手に白い砂のガレが出現したら草付きへ下る |
1つ目の草付きを横断 | 少しの藪を横断して2つ目の草付きを横断 |
赤ハゲとの鞍部は近いが笹藪が濃くなる | 2重山稜になるといったん笹が消える |
いよいよ白萩山山頂が近づく頃、稜線東側に花崗岩が風化した白い砂のガレ(数mの短いもの)が出現し、その先に草付きが広がっているのが見える場所があり、ここで稜線を離れてその草付きに向かうのが正しいコースだということは前回の経験で分かっていたので素直に尾根を外れて草付きを横断する。この草付きにも踏跡が付いていて等高線に沿って横断し、薄い藪が茂った小さな尾根を越えて再び草付きに出て横断、藪との境界に達するとその先の藪の中には踏跡はなく、これを強引に突っ込むととんでもない笹藪になるのは前回経験済みなので、草付きと藪の境界を白萩山山頂目指して登っていく。すると突如として今までより明瞭な踏跡が出現し、白萩山山頂方面へとさらに上がっているが、これを登ってはいけない(白萩山山頂まで行かず、草付きに出て消えてしまう)。この道との合流点から南に僅か1mくらい藪に潜ると薄い踏跡が笹藪の中に下っているが、これが正しいルートであり、これ以外は笹地獄が待ちかまえている。この踏跡は赤谷山の巨岩地帯から下るルートのように水が枯れた小さな沢に付けられていて、稜線上ではないので要注意だ。この尾根は2重山稜となっており、その谷間に踏跡が付いているのだ。しかし鞍部までの中間地点付近で谷が曖昧になると踏跡も消えて一面の凄い笹藪が出現するが、ここは山腹をトラバースするように強引に進むしかない。前回歩いたときにはここでピッケルが落ちていたのを発見し、ビールジョッキの絵が描かれた赤布も見かけたのだが、今となっては布は朽ち果ててしまったようで目印類は一切無かった。
谷が広がると鞍部は近い | 鞍部の草付きに飛び出す |
白萩山方面を振り返る | 小さな池の先に大きな池がある |
笹の激藪区間は距離にして20mもないと思うが、再び谷地形がはっきりしてくると笹が消えて樹林帯になり格段に歩きやすくなる。谷が広がってくると樹林帯が終わって草付きになり明るくなると最低鞍部は目前で、小さな池が出てくれば鞍部である。正確にはここは稜線上ではなく北側斜面の傾斜が緩んだ平坦地であるが。小さな池から少し赤ハゲ側に登ると2周りくらい大きな池が出現、この脇は斜めになっていなくて幕営適地である。しかし今日はまだお昼とDJFのときより1時間半早く、幕営するにはもったいない時刻なので先に進むことにする。もちろん目標地点は草付きが広がる白ハゲだ。
赤谷山の下りのような溝を登る | 標高2250m肩で稜線に出る。藪が酷い |
標高2250m肩から見た赤ハゲ | 標高2250m肩と白萩山、赤谷山 |
ここから赤ハゲ間が最もハイマツが酷いとのことなので気合いを入れて登り始める。最初はこれまた枯れた沢のような場所を進むと再び草付きに出て、なおも踏跡を辿ると樹林帯に突入、しかし踏跡は非常に明瞭だし下草も薄くて藪は皆無と言っていいほどで拍子抜けだ。おそらく稜線上は強固な藪なのだろうが、踏跡は傾斜が緩い北側斜面に付けられている。この状態は標高2250m肩まで続き、肩で稜線に出ると同時に笹藪に突入、踏跡も不明瞭になるが稜線上を行くしかないので強引に笹をかき分け矮小なシラビソを突き抜けるとハイマツが出現、腰くらいの高さで視界が得られるのでまだマシだ。赤ハゲ山頂までの標高差はあと60mほどであるが、しばらくは尾根上は藪と草付きの境界が続くようなので楽ができそうだ。でも草付きの側(南側)はガレて急激に落ち込んでいるので転落しないよう要注意だ。
ガレの脇をハイマツをかき分けて踏跡を追う | 赤ハゲ山頂は近い |
新しい目印。ここでいったんハイマツが切れる | 赤ハゲ山頂。踏跡は直線的に登らず左から巻き気味 |
再び踏跡ははっきりして楽に追えるようになり、このままの状態が続くと思ったら踏跡は強固なハイマツ帯に入り、筋は追えるのだが今までより薮が濃くて書き分けながら進む。しかし、これでも踏跡が無いよりはずいぶんマシで、下山時は完全に踏跡を外してしまい、本当にハイマツの中でもがいてしまった。シラビソの枝の下を通過するときはザックの頭が引っかかって引き戻される。
視界が開けた尾根から地形がはっきりしない樹林帯へ入る所にはDJFと同じ色、材質のピンクリボンが風にたなびいていたが、DJFの話では彼は山頂も含め劔北方稜線を歩いたときには設置なかったという。今回歩いた中で目印らしい目印はこのピンクリボンだけであったが、DJFの他にも同じテープを使っている人がいるのを初めて知った。私も帰りのために迷いそうな所だけ目印を付けたが紙テープなので「時限式」であり、数回雨が降れば地面に落ちてしまうだろうから、今後もピンクリボンだけが唯一と言っていいほどの目印だろう。まあ、踏跡がしっかりしているので目印は不要だが。なお、ハイマツが濃いのは2250m肩から傾斜が急になった部分から、この目印までの間である。
赤ハゲ直下に歩きやすい樹林帯がある | 赤ハゲ山頂はハイマツの海 |
樹林帯に入ると意外にもハイマツが切れて薄い下草で非常に歩きやすくなり、1人用テントなら張れそうな場所もあったが、まだまだ時間は早いので先に進もう。踏跡はまっすぐ山頂を目指さずに左を巻くように付けられている。樹林が終わるととうとうハイマツの海がお出ましだが、よく見るとここでも踏跡を見いだすことができて格闘というほどのことなく山頂直下まで到着、踏跡は僅かに山頂西側を外れているのでハイマツをかき分けて赤ハゲ山頂に立った。山頂標識や目印があるかと思ったら人工物は全く無く、一面のハイマツだけだった。これから向かう白ハゲの稜線も見えるが、細そうで本当に大丈夫なのか心配になるが、最初のピークは緑のハイマツなので、これに掴まれば安全確保はできるか。
赤ハゲから見た吊尾根 | 最初のピーク向けて鞍部へ下る |
鞍部から赤ハゲ。鞍部手前は東側の草付きが使える | たまにハイマツを潜る箇所も |
踏跡に戻ってハイマツの海を横断し、尾根が細くなり下りにかかると稜線左側の草付きにルートが移って格段に歩きやすくなる。鞍部から登り返しには古びて固くなったフィックスロープがぶら下がっているが、無雪期ならハイマツに掴まって登れるので無用の長物だ。ハイマツが絡んだ痩せた稜線に出るとそのまま稜線を辿るが、踏跡を辿れば(尾根が細いので他は歩けないが)ハイマツと格闘するような場面は少なく、たまにもがくことがある程度だった。どちらかと言えば地面から枝を四方に延ばした灌木の方がやっかいである。
岩で稜線を進めなくなったら左の草付きに迂回する | 下ったところから岩を見る。右の草付きを下った |
巨岩が出てくるまで稜線東側を巻く | この巨岩は右(西)から簡単に巻ける |
巨岩のすぐ隣がこのピーク。 お助けロープが垂れているが西から巻ける |
鞍部からガレた谷を西に下って草付きで巻ける |
稜線に戻ってピークを見る。こっちは安全でも下りが・・・ | もう白ハゲは近い。尾根左手の草付きを登る |
やがて岩場で直進できなくなると、稜線東側が緩斜面の草付きになって迂回可能になっており無事に先に進めた。そのまま尾根の東側を巻いてその先の赤茶けた岩も石の積み重なりの上を歩いて通過、正面には遠くからも見えた垂直の巨岩が現れた。今度は左側は切れ落ちて通過不能だが、右側は広くて危険がない&目印がはためいているので迷うことなく右側から巻く。これで危険箇所は終わったかと思いきや、今度は鋭く尖った高さ10m程度のピークが行く先を遮る。てっぺんから残置ロープが垂れており、右手から巻くように登れば手がかり、足がかりも多くて登れそうに見えるが、慣れないことをして落ちたら怪我は必至なので、もっと下って西側を迂回してみることにした。鞍部から西に向かってザレた狭い谷が下っているのでずり落ちないよう草付きとの境界を10mも下るともくろみ通り巻き道が存在した。DJFがここを巻いたのか危険を感じず乗り越えたかは不明だったが、後で聞いたら同様に巻いたそうだ。草付きの間は楽チンだが稜線に戻るにはハイマツの藪を突っ切らなければならず、ここは相当もがいてどうにかトラバース、稜線に戻った。
この岩は西側基部を巻く(白ハゲ側から撮影) | 白ハゲ山頂から赤ハゲ方面に下る踏跡入口 |
白ハゲ山頂 草付きと低い笹で気持ちいい | 白ハゲの三角点 |
これで大きな障害物は無くなり、次に出てくる岩は右側から基部を簡単に巻けた。白ハゲの最後の登りは尾根を直登せずに草付きの東斜面に踏跡が付いており、草付きが終わって灌木帯をなおも踏跡を追うと、話通りの草付き&低い笹に覆われた気持ちのいい白ハゲ山頂に到着した。DJFが書いているように踏跡は山頂から稜線を通っておらず僅かに東側にあるので、反対方向から来た場合はハイマツの藪をかき分けず灌木帯で踏跡を探すのがいい。私は目印を付けたが何せ「時限式」なので1ヶ月後には消え失せているだろう。ここに目印があるといいのだが。
白ハゲから見た池平山。手前に大窓頭が重なっている | 白ハゲから見た赤ハゲへの稜線 |
白ハゲから見た後立山と坊主山の稜線 |
高い木は一切無いので展望は良く、正面には大窓頭が凄い傾斜で立ち上がっており、それと重なって池平山の尖ったピークが見えていた。大窓頭の登り意外なほどはっきりした道らしき筋が見えており、ハイマツも薄そうで意外に楽に山頂に立てそうだ。右手には小窓を挟んで小窓ノ頭から劔岳までのゴツゴツした稜線が連なっている。あそこを歩くのは何年後だろうか。この天気だから岩に取り付いているパーティーも多いだろう。笹の中に埋もれているであろう三角点を探すと、最高点よりも少し東側にひっそりと立っていた。
時刻はまだ午後2時だが、明日の目的地は大窓頭なのでこれ以上テントを担いで進んでも登り返しが大変になるだけだし、3キロの水を担いでここまで歩いてきたので、今からアタック装備で藪を交えた累積標高差600m近くを上り下りするには体力が持たないと判断し、赤谷山で考えたように白ハゲで幕営することに決めた。たぶん無雪期にここで幕営する人はほぼ皆無ではなかろうか。テント設営場所を決めようと山頂一帯をきめ細かく見て回ったが平坦な場所は山頂付近のみ、しかし草や笹の下にはあちこちに石が隠れていて本当に平坦な場所は無かった。雪があるとこういう弊害は無いんだけどなぁ。しょうがないので石は我慢して体を少々曲げて寝ることにしたが、おかげで何年かぶりに寝違えて首が痛くなった。
テントを設営すればやることが無くテント内で昼寝。最初は日が当たって暖かかったのでシャツ1枚で良かったが、日が斜めになると気温が下がってきてどんどん着る物を追加していった。たまに外に出て周囲を眺めると赤谷山には赤いテントらしき物体が1つ。夕方になるともう一つの赤いテントと別の青いテントが1つの合計3つに増えており、もしかして明日白ハゲまで往復するつもりなのだろうかと想像した。だったら私が大窓から戻ってきた頃に白ハゲ着だろうか? もしそうなら面白いな。
午後4時くらいだろうか、富山側の雲海の中からヘリコプタの音が近づいてきたと思ったら、小窓を低い高度で越えて黒部峡谷へと消えていった。何事かあったのかと思ったら、夜のニュースで下廊下で転落者があり、富山県警の救助ヘリが出動したと伝えていた。夜になって酒を飲み終わって寝る前に外に出ると、富山の夜景が見事だった。山側で光が見えるのは山小屋だけで、白馬山荘、唐松山荘、池ノ平小屋、早月小屋の4カ所だった。夜の冷え込みは高気圧に覆われて快晴になったこともあってこの秋一番で、テント内の温度は夜中はずっと0度のままで、持ってきたものはゴアも含めて全部着たが微妙に寒く、ザックに足を突っ込んで寝るくらいだった。風邪気味の体調のまま山に入ったのでこの寒さは身にしみて下山後は風邪が悪化して熱を出して寝込んでしまったが、翌朝はまだそこまで体調が悪化せずに助かった。
翌朝は岩場等の様子がよく見えるようになってから行動開始すべきと判断して5時に起床、ゆっくり飯を食べて6時前に出発した。もう充分明るくて先の様子もはっきり見えるし、ラッキーなことにこれだけ夜に晴れたにも関わらず周囲の笹や草は朝露で濡れずに乾燥している。弱いながらも風が吹いていたのが幸いしたようだ。これで心おきなくハイマツの藪漕ぎができるというものだ。朝はゴアを着て出発しようと考えていたが、これなら不要だろう。寒いので上は長袖シャツ、フリース、防寒目的にゴアを着て出発した。
朝焼けの白ハゲを下る | 狭い尾根をまっすぐ進む |
この岩は下れないので右を巻く。猛烈なハイマツ | 岩を巻くと草付きに出る。先に見えるピークは通らない |
なだらかなドーム状の草付きを下って痩せた尾根に取り付くが、危険箇所も酷い藪もなく、踏跡通りにそのまま尾根上を歩いていく。DJF情報では尾根をまっすぐ行かずに中間付近まで下ったら右手のガレ場を下るとのことだが、さてどの辺でガレが見えてくるだろうか。徐々にハイマツが深くなってくるが踏跡を外さなければ格闘することはなく、踏跡のありがたさが身にしみる。しかし肩状の地形の末端である2360m小ピークに出ると踏跡は消失し、まっすぐは崖で下れなくなってしまった。ピンクリボンはこのピークの岩に付いているが、どちらに迂回したかは判断できない。ハイマツに潜ってまずは左側を偵察してみたが、えらく急な小さな谷が落ちており、藪は無いので下れないことはないが相当な傾斜で危険を伴いそうだし、だいいち今まであった踏跡の形跡を感じ取れない。それではと猛烈な傾斜をハイマツに掴まって登り返し、岩の右側基部を巻くことにする。強烈なハイマツの藪で踏跡は感じられないがさっきの谷と違って真っ逆さまに落ちる地形ではなくハイマツに保護されながら進めるので恐怖感はない。ハイマツが切れると草付きに変貌し、再び稜線に出ることができ、薄いながら踏跡が出てきた。よかったぁ。
踏跡は稜線を離れて草付きの谷を下る | 振り返るとこんな感じ |
草付きからハイマツ帯に入るが踏跡はしっかりしている | 踏跡を下ると自然に「砂利道」になる |
「砂利道」からハイマツ帯→草付きを大窓へトラバース | 大窓。真ん中にテント1張分のハゲがある |
踏跡にしたがって尾根沿いに下っていくと再びハイマツの海が見えてくるが、踏跡は草付きの広い谷を下っていくようだ。ここまで来ると大窓がはっきり見えてきて、この谷を下っても大窓近くまで下ることができ、大窓近辺も草付きなので簡単にトラバースできそうだ。しかし、かなりの傾斜で転げ落ちそうなので、最初のうちはもう少し先まで進んでハイマツの海に潜ってスピードを殺し、適度な傾斜になってから草付きに出て踏跡に戻った。草付きが終わるとハイマツになるが明瞭な踏跡が続いて快適に歩け、そのうちに踏跡に石ころが溜まって河原のようになった。これが例のガリーらしいが嫌らしいところではなく、さほど崩れやすいわけでもなく大荷物でなければ登り返しも問題無さそうで一安心。石ころ地帯が終わる頃に踏跡は大窓向けてトラバースを開始、最初はハイマツもあるが隙間も多く、やがて草付きとなり薄い踏跡を辿って大窓に到着した。
大窓のお地蔵様 | 大窓雪渓は相当後退している。10月だもんなぁ |
大窓はテント1張分だけ笹がない地面が露出した部分があり幕営適地だった。大窓雪渓はだいぶ後退しているが、下れば水を得られそうだ。そうか、こういう物があるのだったら6月とか7月くらいに登れば稜線の雪は落ちて岩の危険地帯も問題なくなり、鞍部等には雪が残って簡単に水が得られていいかもしれないな。それどころかその時期なら白萩山〜赤ハゲ鞍部や、もしかしたら白ハゲ東側斜面とかにも雪庇残骸が残っているかもしれない?
大窓南側は笹藪 | 灌木やハイマツの間を登っていく |
岩が出てくるが踏跡は右(西)を巻く | ここで岩の上部に上がる |
大窓からは登りに転じるが、最初は笹が主体の藪尾根だ。尾根てっぺんより僅かに東側が多少踏まれているようだが、踏跡は今までと比較すると格段に薄い。といってもこの程度の笹ならハイマツと比較すれば問題ない薮レベルではあるが。灌木も混じるようになるが、ほぼ稜線上を歩いていく。上部を見上げるとピンクリボンがいくつかたなびいており心強い。緩やかな傾斜から徐々に傾斜がきつくなってくると岩が立ちはだかる。一見すると左の草付きが傾斜がきついものの登りやすそうだが、踏跡はまっすぐ岩の直下まで到達してから右に巻きはじめ、スタンス、ホールドが充分ある区間を3mくらいよじ登ると岩の上部に出ることができた。この付近から上部になると踏跡が再びはっきりする。
徐々にハイマツが低くなる | ハイマツが疎らで歩きやすい |
白ハゲを振り返る。赤点線がル踏跡 | かなりの傾斜だが無雪期なら問題なし |
1カ所だけガレている。写真からはみ出しているが 右側のハイマツのさらに右を登るのがいいようだ。 |
大窓が遙かに低い |
見上げる上部は急斜面が続くが、踏跡はしっかりしているのでハイマツの藪漕ぎはほぼ無く、標高を上げるに従ってハイマツは低くなって薄くなって問題にならない。ただし尾根がバラけてわかりにくい地形なので下りでは踏跡を外さないように要注意だろう。ま、登りではその心配はないが。相変わらずピンクリボンが風にたなびいて踏跡と共に導いてくれる。1カ所だけガレの上部にピンクリボンがあり、先人の足跡がザレ場にはっきりと残っていたのでそれを辿ったが、足場が悪くて最後はずり落ちそうになりながらはい上がったが、もっと右側を登れば良かったと後悔。周囲はハイマツの海で鬱陶しいが滑り落ちる危険はないので、帰りはそのハイマツの中を下った。
山頂が近づくと西にトラバース | ここで西尾根に出る。帰りにケルンを積んでおいた |
標高が上がるとハイマツが濃くなってくるが、踏跡は相変わらず明瞭でハイマツ漕ぎは不要のままだった。いよいよ山頂が近くなって傾斜が緩んでくると、踏跡は今までのように直線的に山頂を目指して登らず右に巻き始めた。確かDJFの記事でも最後は西側を巻きながら山頂に登ったと書かれていたが、その通りだ。最後にちょろっと登ると山頂から西に落ちる明瞭な尾根に飛び出した。登りは踏跡を辿ると自然にこのように歩けるからいいが、DJFが指摘するように逆コースの場合は、事前にネットで調査してルートの付き方を知っていない限りは、この降り口を発見して藪漕ぎせずに大窓頭から下り始めるのはまず無理だろう。大窓頭から大窓へと下る場合、山頂から直線的に大窓を目指すとハイマツの海なので、無理をしないでまずは西尾根を下り、右手(北側)に直角に曲がる踏跡を探すのが肝要だ。ただ、ぱっと見て降り口は目立たないので、おせっかいではあるがケルンを積んでおいた。これなら目立つので見逃すことはないだろう。
西尾根を登る | 大窓頭山頂 |
大窓頭から見た池平山。凄くヤバそうに見える | 大窓頭から見た赤ハゲ、白ハゲ |
大窓頭から見た毛勝三山とそれに続く稜線 |
尾根に乗ってハイマツ混じりの岩稜帯を歩くと大窓頭に到着。標識類は一切無いが明確な最高点なのでGPSの電源を入れる必要もなく山頂だと分かる。そういえば今回はGPSの電源を入れたのは赤ハゲ山頂位置確認のときだけだったなぁ。GPS持ってくる必要無かったなぁ。ここから見上げる池平山は目前だが、そこに至る稜線は何とも悪そうに見える。8月に池平山に登ったときに大窓頭に来なくて良かったと思えるくらいだが、ここを歩いたDJFによれば見た目ほど悪くはなく、危険箇所は1カ所だけとのことだ。ここから見る白ハゲは大窓から急激に立ち上がり、あの草付き急傾斜の登り返しが大変だなぁ。てっぺんには私が残した黄色のゴアライトがよく見えている。
トラバースを終えて下り始める | 傾斜はきついが下りも問題なし |
大窓から左の谷にトラバース | ここで草付きからハイマツ帯に |
そろそろ白ハゲ山頂 | この稜線を戻るんだなぁ |
南西から吹き付ける冷たい風を岩陰で避けながら休憩してから下山開始。ここからブナクラ谷の林道終点まで歩くのだから今日の行程はまだまだ長い。再び大窓に立ち、正面の尾根を登らずに左に巻いて、自分の付けた目印を頼りに草付きからハイマツ帯の踏跡に入って「砂利道」を登り返して草付きの急斜面を草や灌木に掴まりながら一直線に登る。少しルートが左に寄ってしまったようで、主稜線手前の小尾根に出てしまい、その先も猛烈な傾斜の草付きが続いてへばりつくようによじ登ってようやく稜線に出ることができた。下りで岩の基部を右に迂回した箇所では早く迂回しすぎたようでハイマツの猛烈な藪+猛烈な傾斜で、はい上がるにも頭上は横に伸びたハイマツの幹で蓋をされた状態で容易ではなかった。もっと標高を上げてから迂回すべきだったと後悔。岩に出れば踏跡が復活してハイマツの格闘から解放され、容易に白ハゲ山頂に到着した。
テントは朝露に濡れなかったし、大窓頭往復にかかった3時間も直射日光に照らされていたので充分乾燥して虫干しの必要はないので、中の荷物を出してすぐに畳むことができた。風の影響で撤収が大変かと思ったら大窓頭のような強風はここでは感じられなかった。赤谷山にあった3つのテントのうち2つはまだ存在しているが1つは撤収したようだ。ということはその主は赤谷山が目的であり、赤白ハゲを目指したわけではないが、残り2つの主はここまでやってくるだろうか。
赤ハゲ〜白ハゲ間の赤ハゲ寄りピークの藪 | 赤ハゲ直下から見た赤谷山 |
水の残りは700cc程度だから2.3リットル+500ccを飲んだわけで、この時期にしては多めの消費量だった。重かったが3リットル持ち上げて正解だった。水は冬装備と違って使えば減るので帰りのザックは軽い。赤ハゲ間の稜線は行きと同様ルートで突破、しかし赤ハゲへの最後の登りでルートを見失って猛烈なハイマツとの格闘を演じ、右にルートを取って踏跡に出てからは格段に楽に歩けるようになった。山頂を掠めて右に回り込みながら下り、一時的に現れる歩きやすい樹林帯が終わって再びハイマツ帯になると同時に尾根に出て展望が開けるが、登りでは外すことがなかった踏跡も下りでははっきりせず、ハイマツとの格闘がたびたび繰り返される。尾根の傾斜が緩んで笹が主体になればもうすぐ藪ともおさらばで、自分で付けた目印のところで尾根を外れて北斜面に付けられた踏跡を下ると根が雪の重みで曲がった樹林帯に変貌し格段に歩きやすくなる。ここまで来れば薮の核心部を抜けたことになり一安心だ。
赤ハゲ〜白萩山鞍部から見た白萩山 | やっと藪が終わって赤谷山花崗岩地帯に出る |
白萩山との鞍部で一休み。もう赤谷山で休憩する人の姿が見えるくらい近くなってきた。2重山稜の谷間を上がり、最後の笹激藪をかき分けて再び谷間に出て、最後に笹に埋もれそうな細い踏跡を登ると白萩山山頂直下の草付きに出て藪から解放される。2区間の草付きを横断して白いザレで稜線に戻り、自分の目印&踏跡に従って稜線を外れて東斜面に下って草付きをこれまた2区間歩く。赤谷山への最後の登りは細く溝状に掘れた枯れ沢を行けば最後の藪を突破して花崗岩地帯に飛び出して登山道が無い区間は終了した。
赤谷山山頂の2つのテントはまだ張ってあり、写真撮影を目的として幕営したようだ。いくつもの三脚があり、大きなカメラを手にしている人の姿もあり、下手をしたら私の装備より重いかも? その中で以前に小窓から縦走したことがあるという女性がいて、私の大ザックを見てルートの様子を聞いてきたので説明はしたが、やっぱり写真等が無いと具体的にどんな状態か理解してもらうのは難しいのでこのHPを見るように教えておいた。とは言っても私自身がこのURLを覚えているわけではなく、地元の人だったので富山ハイキングクラブからリンクが張ってあるので検索で富山HCを調べてみて下さいと教えた。無事、ここにたどり着いただろうか。大窓〜大窓頭だったか大窓〜白ハゲだったか、ルートの一部が崩れたとのことだが、少なくともその区間は一部を除いて今ではちゃんと踏跡があって問題なしということは教えてあげた。
ブナクラ峠目前。人が多い | 下山すると駐車場は満杯だった |
下り始めてもまだまだ登ってくる人は多く、昨日、ブナクラ峠で休んでいる時にはほとんどの人が猫又山方面へ行ったので、赤谷山は思ったより人気がないのかと思ったらそんなことはないようだ。ブナクラ峠周辺でも休憩している人が多いが、下っていくと時刻が時刻なのですれ違う人が減ってきて、最初の沢では下ってくる人ばかりになった。ここで最後の大休止。1時間の歩きで堰堤前駐車場に無事到着、予想通り満杯で入りきらず、下部の林道周辺の駐車スペースにも車が置いてあった。
今日は日曜なので林道工事はお休みかと思ったらやっているところもあったが、林道を工事しているわけではなく通行に支障はなかった。馬場島の駐車場もキャンプ場も大賑わいで3連休らしい風景だった。温泉はいつものパターンで上市町の「アルプスの湯」(\600)に浸かり、2日分の汗と藪の埃を洗い流してさっぱりした。藪漕ぎで足や腕、首周りに傷ができて温泉の湯がしみたが、一般的な温泉の効用として切り傷も含まれるだろう。ここの温泉の成分は滅茶苦茶濃くて、温泉1kgあたりに含まれる不揮発性分は15gくらいあったと思う。ほとんど塩水並みだから傷にしみるわけだ。露天風呂は源泉成分そのままで、含まれる鉄分で茶色だが、内風呂は鉄分のみ取り除いた透明な湯であった。風呂の後はすぐ近くの大型スーパーで買い物を済ませ、これまた近くのセルフ型ガソリンスタンドで給油して、国道41号線目指して車を走らせた。
所要時間
5:49堰堤−(0:24)−6:13仁王杉−(2:07)−8:20ブナクラ峠8:51−(1:28)−10:19赤谷山11:13−(0:10)−11:23草付きに出る−(0:31)−11:54白萩山を巻き終わる−(0:08)−12:02鞍部12:22−(0:13)−12:35 2250m稜線−(0:24)−12:59赤ハゲ13:03−(0:32)−13:35巨岩と3つ目の尖ったピーク鞍部−(0:05)−13:403つ目ピーク巻き終わる手前13:44−(0:15)−13:59白ハゲ
5:56白ハゲ−(0:30)−6:26大窓−(0:47)−7:13大窓頭7:28−(0:30)−7:58大窓−(0:40)−8:38白ハゲ9:22−(0:12)−9:34最初のピークを巻く−(0:05)−9:39最後のピーク−(0:15)−9:54赤ハゲ−(0:18)−10:12 2250mで稜線北を下る−(0:07)−10:19鞍部10:30−(0:13)−10:43白萩山直下草付き−(0:33)−11:16赤谷山11:46−(0:54)−12:40ブナクラ峠−(0:31)−13:11最初の沢13:36−(0:39)−14:15仁王杉−(0:18)−14:33堰堤
ネットで検索した無雪期の赤谷山〜池平山区間縦走記録。他にもありますがこの2件より情報は少なく、この2つを読むだけでいいでしょう
DJF氏の記録 http://outdoor.geocities.jp/himalaicus2/yamaseireki/2007/shirohagi/shirohagi.html
Y.Tsukadaの山遊び http://w1.avis.ne.jp/~ktsukada/tsurugidake/2005_8_4~6/tsurugi_hoppo2005_8_4~6.htm