志賀高原 池ノ塔山 2007年7月8日
焼額山の帰りがけに池ノ塔山に立ち寄ることにする。この山は渋峠南側のピークでエアリアマップで赤線が記載されており、峠から少し登るだけで山頂に立てるのでおまけに登るのにちょうどいい。ついでに帰りは群馬を抜けて関越道に出れば練馬まで約120kmと高速料金を節約できる。
渋峠の池ノ塔山登山口(廃道) | 最初は廃道だが、やがて笹の海に。激藪 |
国道を渋峠に向かって高度を上げると雲を突き抜けて快晴になり渋峠の駐車場に到着。登山口がどこにあるか探してみたが笹がかぶった谷のような箇所はあったが登山道とは思えず、国道を長野側に歩いて登山口を探したが見当たらない。まさかあの谷が道なのか?と思って様子を探ると、入口に看板があって遭難が多いので立入禁止と書かれていた。どうやら本当にこれが登山口らしいが廃道化していたのだ! それでも道形くらいは残っているだろうとディーパックを背負って出かけることにした。最初は土が露出した廃道の上に笹がかぶる程度だったが、少し進むと道形は完全に消えうせて一面の笹の海になってしまった。しかも朝露に濡れており、このまま500m近く背丈を越える激藪漕ぎはごめんなので早々に撤退を決めた。車に戻るとTシャツのあちこちが笹の埃で真っ黒になっていた。
池ノ塔山東の駐車場 | 駐車場の僅かに北に切り開きがある |
きれいに笹が刈られている | 刈り払いはテレメータでおしまい |
このまま帰ろうかとも思ったが、反対側の南から登るルートが生きている可能性もあるので行ってみることにした。車を走らせて少し行くと左側に駐車場があるが、その手前で笹の中に踏跡と思われる切り開きを発見、駐車場に車を突っ込んで行ってみることにした。このまま山頂まで道が続いていれば楽勝である。ところが道は上を目指さず南にトラバースし、雨量観測テレメータ(うちの会社の製品だった)で終わっていた。なんとこの施設の管理道だったのだ。ここから山頂までの距離はGPSによると170mで、この周辺の笹は腰くらいの高さなのでさほど苦労せず進めると判断し突入することにした。うまい具合にこの辺の笹は乾いているようだ。
最初は腰くらいの高さの笹。踏跡皆無 | 徐々に笹が高くなっていく |
GPSは南を指しているのでまっすぐ稜線を目指すのではなくトラバース気味に登っていく。笹が低かったのは最初だけで、やがてハイマツが混じるようになり徐々に笹の高さが高くなってきたので、できるだけシラビソの近くを通過するようにルート取りを変更する。シラビソは葉を広げて周囲の日当たりが悪いので、その下だけは笹が薄いのだ。しかしシラビソはすぐに終わって再び一面の笹原になってしまった。そろそろ山頂に近づいただろうとGPSを見るとどういうわけだか残り100mからほとんど変わっていないではないか。私のGPSはナビ画面で示す方向が誤っているがマップ画面では正確な方向を示すことがたびたびあり、今回もそれかなと思ってマップ画面に切り替えると山頂は北西ではないか。進路変更して稜線を目指すがますます笹は深く高くなり背丈を越え、おまけにハイマツ交じりで朝露に濡れて最悪だ。
もうすぐ稜線に到達 | 笹とハイマツの池ノ塔山山頂 |
どうにか稜線に達しGPSの残距離もほぼゼロ、一面が同じような高さで笹とハイマツの海で、ここが山頂だ!とはっきりと言えるようなピークがあるわけではなかった。もしかしたら周囲のシラビソ等にはスキーシーズンに付けられた標識や目印があるかもしれないが、この激藪では視界も無いし身動きが取れない。時々ガスが流れる中、ハイマツに登って写真を撮影、早々に退散した。西方向には部分的に残雪の稜線が見えたが、ごく一部では後立山のどの辺りが見えているのか見当が付かなかった。山頂一帯にも以前は登山道があったはずだが、今となってはその形跡は跡形もなく消えていた。
池ノ塔山は残雪期に登るべき山であった。まさか最後に藪でもがくとは思いもしなかった。
所要時間
巡視路入口−0:02−テレメータ−0:11−池ノ塔山−0:06−テレメータ−0:02−巡視路入口