北信 鬼ヶ岳、黒菱山 2007年5月12日
妙高周辺の道が無い2000m峰は3年前の大型連休にいくつも登ったが、最も東の赤倉山は日程切れで登っていないし、鬼ヶ岳、黒菱山が山名事典に記載されたので3山登り残しがあることになる。本当は今年の大型連休中に登ろうかと考えたのだが、このときは北ほど天候が不安定との予報だったので、木曾御嶽や槍穂周辺など比較的南部の山域を登っていたため残ったままとなっていた。今年は雪が少ないといわれるが、まだ大型連休の1週間後なので妙高なら充分な雪が残っているだろう。それに今回は残雪期の本格的な山は初めてとなるMさんが同行する。笹ヶ峰から高谷池のコースでは十二曲のみが急傾斜で、他は緩やかな斜面なので初心者同行でも安全性は高い。それに十二曲の傾斜ならたとえ滑ってもさほどスピードは出ないだろうから大きなけがは無いだろう。
初日はMさんには危険が少ない火打にでも登ってもらうとして、私のメインは鬼ヶ岳と黒菱山である。地形図を見ると2300m付近の主稜線から伸びた枝尾根は2276mピークを超えた先で北に向きを変えながら急激に高度を落とすところが最も傾斜がきついが、距離的には大したことはないし、もし落ちてもその下は緩斜面なので谷底まで落ちる心配もなく大丈夫と考えていた。ところが大きな盲点が。ネットで調べてみると山スキーの記録が何件かヒットし、この尾根を下ったパーティーもいたが、その急傾斜地点で雪庇が登場し確保しながら下ったとのことだった。そうか、この傾斜では雪庇も考慮しないといけないか。他にも黒菱山の山スキー記録があり、目的の尾根の南側に位置する谷に下って鬼ヶ岳西側鞍部に突き上げたとのことだ。この鞍部こそ雪庇のできる可能性が高いように思えるのだが、そのような記述は一切無かった。傾斜が緩いので雪庇ができないのだろうか? ともかく、このルートがもっと傾斜が緩やかで確実と思われるため、余分なアップダウンが増えても最適なコースであろうと判断した。
出発当日の朝、会社へ出勤途中に自転車がパンク、私の生活は自転車無しでは非常に時間がかかり、夕方の出発時間が大幅に遅れることが予想されるため、午後は会社を休んで家まで自転車を押して行きパンクを修理、ついでにいろいろと用事を済ませて早めにMさん宅に迎えに行き、練馬ICから関越道に乗った。本日は妙高高原ICまでの約250kmの高速道路使用なので高速料金は\5000近くかかるが、睡眠時間を確保するためなのでしょうがない。途中、休憩を挟んで妙高高原ICで降りて国道を戻ってすぐに笹ヶ峰の右折ポイントとなった。これほどICと近いとは思わず昔よりずいぶん便利になったものだ。杉野原を過ぎてスキー場地帯に入っても雪はほとんど見られず、京大のヒュッテ付近も全くの無雪で以前のように三田原山から下ってきたら今年は最後は藪漕ぎだ。笹ヶ峰駐車場付近も全く雪が無く、3年前が嘘のようだ。これなら最初はほとんど夏道を歩けるのではないか。駐車場には車は1台も無く、これも3年前とは大違いだ。もっとも、この状況ではスキーが使えるまでかなり歩かなくてはならないだろうから、山スキーヤーは敬遠するだろうな。上空には星空が広がり、明日もいい天気だろう。
笹ヶ峰登山口と駐車場。雪がない! | 最初から木道歩き |
朝は少し冷え込んで霜柱が立つくらいだが、4月と比較すればずいぶん暖かい。朝飯を食べて久しぶりの日帰り装備で出発、私は12本爪アイゼンにワカン、ピッケルの装備で、Mさんは6本爪アイゼンにワカン、ピッケルだ。Mさんは10本爪アイゼンを持っているのでまさか6本爪を持ってくるとは思わなかったが、十二曲がりをクリアすればあとは問題ないのでどうにかなるか。最悪、私が先行してステップを切ればいい。例年だと山スキーヤーが大半なので坂道にステップの切れ方は弱い。
登山道脇には熊棚がいくつかあった | なかなか雪が出てこない |
黒沢を渡る橋にも雪がない | 黒沢もこのとおり雪がない |
登山口から歩きだすとまるっきり雪は無く木道が続いていた。周囲の木を見ると熊棚が数箇所にあり、そこそこ熊が生息しているようだがこんなことに気づく人は皆無だろう。今日は雪の上に熊の足跡が見られるだろうか。ごく緩やかな登りを淡々と歩いていくと徐々に雪が増えてくるが長くは続かない。こういう小さな薄い雪田は昼間になるとグズグズに崩れてしまうだろうな。黒沢周辺もほとんど雪は無く、橋を渡る手前の僅かな北斜面のみ雪に覆われていた。十二曲がりにかかる前は尾根の左側をトラバースするが、以前歩いたときにはけっこう怖い思いをしたが今回はほぼ雪が消えていた。
巻き道にも雪がない | デポした物資の目印か? |
十二曲がりでやっと雪がつながる |
問題の十二曲がりの登りは3年前はビビりながら歩いたが、今回見上げるとどうってことが無い傾斜で問題なく上がれそうだ。まだ早朝で雪が硬いためアイゼンをつけて登ることにしたが、今年はつぼ足組みが多いようでステップが充分切れているのでアイゼン無しでも問題ないようだ。現に後から来た男女のペアは長靴にストックでスタスタと上がっていった。Mさんは6本爪のアイゼンで使用経験が無いので装着のお手伝い。私のアイゼンとワカンの締め方を足して2で割ったようなものだったのですぐにわかった。まあ、細かい締め方がどうであろうが、要は途中でアイゼンが脱落しなければ問題ない。
十二曲がり上部から見た高妻、乙妻、地蔵山 | 十二曲がりを登り切ると再び夏道 |
十二曲がり上部から見た北ア南部 | |
十二曲がり上部から見た後立山 | |
十二曲がり上部から見た後立山北部 |
十二曲がりを登りきるとやせた尾根上に出て背後の視界が開け、黒姫山と御巣鷹山、高妻、乙妻、そして宿題の地蔵山が並んで姿を見せている。ここで再び雪が消えてしまい、完全に夏道が出ていてむき出しの石の上をアイゼンで歩いていく。確か前回もここは夏道が出ていたような。尾根の幅が広がると突如として雪が続くようになり快適な雪原歩きが楽しめる。スキーが履けるのもここから先だな。ここまでスキーを担ぐのも面倒だろうなぁ。シラビソ樹林が広がるが密度は薄く、適度に木の隙間があるのでスキーにはもってこいだろう。ほとんど足が沈まないくらいよく締まっているので今は歩いてもスキーでも労力は同程度だろう。しかしトレールの主の足跡は10cmくらい沈んでおり、雪の白さから考えて昨日は湿った新雪が降ったようだ。なんか今年は5月に入ってもよく雪が降るなぁ。
尾根が広がると待望の雪が続く | 白い部分がつい最近積もった新雪 |
やっぱこれくらい残雪がないと雰囲気が出ない | 尾根から見た八ヶ岳 |
尾根から見た八ヶ岳南アルプス |
しばらく視界が無い樹林帯の登りが続き、左手に雪庇が登場するようになると徐々に樹林の密度が薄くなって周囲の視界が開けてくる。左手の天狗原山、金山の稜線は白一色でスキーに最適な斜面が広がっている。その左にはずらっと後立山が並んでおり、右手の最も高い山は白馬岳に間違いない。ここも真っ白で鹿島槍までそろい踏み、その左は遠くなって見えにくいが、手前のやや黒いピークは唐沢岳と餓鬼岳、その奥のとがったのが槍だろう。もっと左を見ると南ア北部や八ヶ岳も見えていた。今日はなかなか視界がいいようだ。富士見平まで来ると樹林が切れて360度視界が開け休憩には最適の場所だ。
富士見平らから見た黒沢岳 | 富士見平らから見た火打山、焼山 |
富士見平らから見た高谷池ヒュッテ | 黒沢岳の巻き道 |
富士見平らから見た北ア南部 | |
富士見平らから見た後立山 |
Mさんと相談して黒沢岳は割愛して巻き道に入って高谷池を目指すことにし、トレースを追って稜線西側に入った。地形図を見てもたいした傾斜ではないので初心者のMさんでも大丈夫だろう。少なくとも十二曲がりよりはいいはずだ。雪が締まっているのでアイゼンがよく効いて滑落の心配は全く無かったし、もし落ちても止まりそうな傾斜だし、少し下で谷になるので心配は無かった。巻き終わってなおも等高線に沿って回り込み、Mさんが疲れた様子なのでヒュッテ手前で休憩、樹林が無いので南側の景色がいい。日本海側は曇りの天気予報だったが予想以上に天気がいいのでここで日焼け止めを塗っておく。
開けた雪原歩きが爽快! | 高谷池ヒュッテ |
高谷池は雪の下でまっすぐ突っ切る | 天狗の庭の湿地も雪の下 |
休憩が終わって歩き出して1分もたたずに高谷池ヒュッテ到着、連休以降は無人かと思ったらちゃんと管理人がいた。今年は雪が少なく1階部分も地面から出ていたが、さすがに高谷池は一面の雪原だ。夏道は岸辺をぐるっと回るが冬は気にせずまっすぐ突っ切れる。火打に登った人がいるのだろうか、1人分の足跡がずっと続いていた。山スキーの記事では天狗の庭付近はカリカリのアイスバーンだったと書かれていたが、5月ともなるとどこも同じような雪質だった。
主稜線より火打山方向を見る | 主稜線より茶臼岳方向を見る |
等高線に沿ってピークを巻いて稜線を目指すと先人の足跡は火打方向ではなく茶臼岳へと向かって右旋回しているので、我々はトレースが無い雪原を主稜線目指して歩いた。稜線が近づくと這松の切れ間から稜線に取り付いたが、雪がスカスカで踏み抜きが多かった。稜線に出ると再び1人の足跡が出現、火打へと登っている。私はそろそろ稜線を離れて黒菱山へと向かわなければならないが、足跡があればMさん1人でも大丈夫だろう。もし自力では危ないと感じたら戻るよう言っておいたし、本人も自覚しているので大丈夫だろう。
最低鞍部に出ると鬼ヶ岳の尾根がはじめて見えるようになるが、心配していた鞍部の雪庇は見当たらず、傾斜もさほどでもなさそうなので問題なく登れそうで一安心。ただ、鞍部に至る斜面は傾斜がきついので標高を落とさないようトラバースするとかえって疲れそうなので、谷の下のほうまで降りてから登り返す必要がありそうだ。
稜線に出て初めて鬼ヶ岳が見えた | 稜線から北の谷に下る(稜線を見上げる) |
最低鞍部から少しだけ上がったところで分かれて私は右手の谷に下り始めた。木は無く傾斜は緩やかでスキーだったら楽しめそうな斜面だが、登り返しを考えてジグザグに歩きながら歩幅を狭めてラッセルしておく。やはり北斜面で日当たりが悪く、今まで歩いてきたところより雪が柔らかかった。できるだけ標高を落とさないようルートを取りつつ、どの辺までならトラバースできそうな傾斜か観察しながら歩いていたが、最低鞍部よりひとつ手前の谷を登れないか気になってきた。ここはあまり標高を落とさないで取り付けるので効率がいいのは確実だ。上部は雪庇の壁だが両側は傾斜はきついものの垂直ではなく、最後に回り込めばどうにかなりそうだ。それにここなら万が一落ちても2,30mの標高差で傾斜が緩んで止まるだろうし、木も無いので激突の危険も無い。急斜面の訓練のつもりでアタックすることにした。
鬼ヶ城の岩壁下を通過。落石は少ない | 谷から見た鬼ヶ岳の稜線 |
最低鞍部より西の谷を登った。最後は雪庇 | 雪庇から谷を見下ろす。最後は壁! |
鬼ヶ城の岩壁の下を横切ると細かい落石が散らばっているがデブリや大きな岩は無く、割と安定しているようで安心して歩ける。少し下って目的の谷に取り付き斜面を見上げると途中まではさほど問題なく登れそうな傾斜だ。最後は雪壁なので右に逃げるのが適当と考え登り始める。傾斜はきつくても先日の常念岳西側の中山の登りよりはマシでグイグイ登っていくが、壁の直下で右に逃げようとしたが思いのほか傾斜が急でそのまままっすぐ登り、雪庇直下の僅かな棚状の段差に上がってから横にトラバースして稜線に出ることができた。さすがに最後は壁にへばりついてだったので緊張したが、帰りに同じコースで下ってみると登りより楽々だったので普通の雪山経験者なら問題ないレベルなのだろう。2276mピークから降りてくる尾根はネットで見たとおりこちら向きに雪庇が張り出しておりザイル無しでは突破は難しいだろうが、尾根を下って地形図で崖マークがなくなる場所では傾斜はきついが雪庇はなく下れそうだ。でも、今私が登ってきたルートの方が安全度は格段に高いだろう。ネットの山スキー情報に最大限の感謝だ。
鬼ヶ岳までなだらかな尾根が続く | 反対の2276mピークの尾根には雪庇が続く |
鬼ヶ岳の稜線から主稜線を見る | 鬼ヶ岳の稜線から見た妙高山 |
もう少しで鬼ヶ岳山頂 | 振り返れば火打山 |
尾根に上がってしまえば地形図を見る限りは危険箇所があるとは思えず、なだらかな尾根の向こうには鬼ヶ岳が頭をもたげている。左を見下ろすとなんともゆったりとした尾根の先端が黒菱山の最高点らしい。黒菱山は後回しにして先に鬼ヶ岳に向かう。稜線上は部分的に締まっていない新雪に覆われ時々踏み抜くのがいやらしいが、大した距離ではないのでアイゼンのまま突き進んだ。当初突き上げる予定だった最低鞍部で南の谷を見下ろすとアイゼンを付ければ前を向いたままで安心して下れる傾斜だったので、帰りはこっちから下ろうか迷うところだ。
鬼ヶ岳山頂 | 鬼ヶ岳山頂から見た上越方面 |
鬼ヶ岳山頂から見た志賀高原から苗場山方面 |
たぶんこの尾根も雪が無いと凄い藪なのだろうが埋もれており、僅かに残った灌木が邪魔な区間もあるが、尾根が広いので北側を迂回して楽々歩けるのは残雪期ならではだ。最後に軽く登ったところが鬼ヶ岳山頂だった。山名事典にしか記載されていないので標識も目印の類も全く無い。歩いてきた方向を見れば火打山が真っ白く鋭いピークを見せており、外輪山の向こうにずんぐりした頭をもたげている妙高山とは好対照だ。たかがこれだけの距離でこうも残雪量が違うのだろうか。可能であれば明日はあの向こう側の赤倉山に挑戦したいが天候&体力は大丈夫だろうか。さらに左には志賀高原の山々、岩菅山、その左にある尖ったピークはたぶん鳥甲山だろうからその左の白いピークは苗場山、とすると岩菅から苗場の間は佐武流山の稜線か。苗場山より左にある白い山はどこなのか分からなかったが、帰ってからカシミールで確認したら谷川岳等の上越国境の山から越後三山だったようだ。北を見ると大毛無山などが見えるが南斜面を見ているせいかほとんど白くなかった。
広い尾根の末端が黒菱山 | 何もない雪原を下る。足跡は私のだけ |
しばしの休息後、黒菱山に向かう。黒菱山は尾根を下ったところにある三角点付近に山名が記載されているが、日本山名事典ではその尾根の最高点である2000m等高線を山頂としているので本日はそこまでである。尾根分岐まで下ってからワカンに履き替えウェストポーチに必要なものを入れて防寒着は持たずに長袖シャツを着て出発した。北向きの緩斜面で新雪が柔らかいのでワカンが大いに役立った。帰りのことを考えて極力歩幅を狭くして歩くようにしたが、このような天気がいい日にたった一人で全く木がないだだっ広い尾根を占領し闊歩するのは非常に気分が良く、大またでガンガン下りたくなる。雪が締まった区間ではそのように歩いたが。
最低鞍部から鬼ヶ岳方面を見る | 最低鞍部から見た黒菱山 |
下ってきた尾根を振り返る | 黒菱山山頂。立木もなく展望良好 |
体が温まったので鞍部でシャツを抜いて立ち木に縛りつけTシャツで波打つ雪庇を越えて緩やかに登ると樹林が無くなって平らな黒菱山山頂だった。立ち木が無いので目印も山頂標識も付けようが無く人工物は何も無かった。もし雪が無くてもやっぱり人工物は無いだろうなぁ。休憩するには早いが登り返しもあることなのでのんびり休憩する。そういえばスキー跡も無かったので新雪が積もってから登ったのは私だけらしい。もっとも、山スキーヤーでも黒菱山の尾根を降りるパーティーはほとんどいないと思うが。
さてお帰りだ。なだらかなのに登り返しはきつく、シャツを着ると暑いので腰に巻いてじっくりと登る。尾根に登りついてデポした荷物を回収、ザックを背負って最低鞍部から降りるかしばし思案した後、訓練を兼ねて登ってきた雪壁を下ることに。ちょっとビビったが実際に下り始めると大したことは無く登りより気楽に下ることができた。バックで下ったのは10歩くらいでその後は前を向いてガンガン下れた。これで帰りも標高のロスを少なくすることができて助かった。
高谷池向けて下る | ヒュッテ近くから見た天狗原山〜焼山 |
富士見平付近から見た黒姫山 | 富士見平付近から見た三田原山 |
主稜線に戻るとMさんの6本爪アイゼンの足跡が下り方向にもついているので、無事の下山が確認できて私も安心して後を追える。山頂まで到達したのか途中で諦めたのかは分からないが、残雪期らしい残雪の山を体験させるのが目的であり、富士見平くらいまで登れば充分その目的は達したといえるので途中撤退でもよろしいだろう。もう大きな登りは無いが、長時間雪の上を歩いたので疲労はいかんともしがたく、天狗の庭の僅かな登りも牛歩戦術である。ヒュッテの少し先で最後の昼飯タイム、薄雲が出ているがほぼ晴れと言っていい天気のままだ。黒沢岳をトラバースして富士見平に出ると本日はじめての山スキーパーティーが休憩中だった。やっぱり今日は少ないなぁ。富士見平から下るとつぼ足組みが何人か登ってきて人数ではスキーヤーを上回ったか。が、しかし、雪が消えた細い尾根ではスキーを背負った4人パーティーがスキーを担いで登ってきたから五分五分の勝負だ。ここで今までつけていたワカンを外した。十二曲がりの下りはノーアイゼンで大丈夫だろう。十二曲がりでは下っている人が4,5人いたが、どこまで登ったのだろうか。茶臼岳〜火打の稜線の足跡はMさん以外は先人のものだけだったので火打までは行っていないはずで、黒沢岳辺りだろうか。その先でMさんの姿を捉え、膝の痛みを抱えて下りが苦手でスピードが落ちているのでお先に生かせてもらう。
黒沢を渡って夏道を下り、もう少しで駐車場というところで普段着姿の若い男性に声を掛けられ雪がどの辺までいけばあるか質問された。たぶん山スキーヤーだろうと予想して十二曲がりを登りきったさらに上の尾根が広がったところまでいかないとスキーは使えない旨を伝えたが、案の定、来週山スキーに来ようと考えているが、スキーは止めてつぼ足にしようかなぁと言っていた。あと1週間でどれだけ雪が後退するやら。駐車場は5分の入りで残雪シーズンにしては車が少なかった。
Mさんが下ってきてから車を走らせ、杉野沢温泉の日帰り温泉施設である「苗名の湯」で汗を流した。\450也。
所要時間
笹ヶ峰駐車場−0:49−黒沢−0:36−十二曲がりを登りきる−1:18−富士見平−0:32−高谷池ヒュッテ−0:26−主稜線−0:13−北の谷に下りる−0:22−鬼ヶ岳西鞍部−0:08−鬼ヶ岳−0:04−荷物をデポ−0:14−黒菱山−0:24−デポ地−0:05−鬼ヶ岳西鞍部−0:33−主稜線−0:30−高谷池ヒュッテ−0:24−富士見平−0:50−黒沢−0:43−笹ヶ峰駐車場