鳳凰三山前衛 甘利山,奥甘利山,大西峰 2004年9月19日

 


 甘利山は10年以上昔に雨の中傘をさして登った記憶があり、千頭星山にはそこそこの天気で登ったが、まともな道があるにもかかわらず登山道の両脇から笹がはみ出して朝露でびしょ濡れになった鮮明な記憶がある。千頭星山に登ったときに御所山も登ってこの界隈の山は登り終わったのだが、例の如く山名事典で新顔が登場、奥甘利山と大西峰だ。大西峰は2000mを越えた山なのでぜひ登っておきたい。東京から近い場所にあるのでいつでも登れるが、小笊に登った翌日の骨休めに登ることにした。

 

甘利山駐車場 甘利山登山口


 畑薙ダムから田代へ下り、大笹峠を越えて山梨県に入り、長い長い林道を2時間以上走ってビラ雨畑で入浴、出たら既に午後8時を過ぎており、スーパーでの買い物は無理なので食料はコンビニで調達し甘利山駐車場に向かう。夕立が来て山はガスの中に入っていて霧で見通しが悪くて対向車が来なくてもスピードが出せず、午後10時近くに到着、何台か車が止まっており車中泊の人もいるようだ。静かに寝るために登山口から最も離れた場所に駐車し、酒を飲んで寝た。どうせ大西峰なら大した時間はかからないので睡眠時間確保のためゆっくり起きて構わないだろう。夜中に小用で起きたら星が出ており、天気予報よりもいいらしかった。

 早朝は雲が多かったが晴れていい天気だったが、出発する頃には雲ってしまったが雨が降るとは思われなかったのでゴアは持ったが傘は置いていくことにする。この時点ではまさか雨が降るとは思わなかった。良く整備された遊歩道の階段を緩やかに上っていくと、周囲の植性は笹の海から草地に変わっていき、どんな花があるのか案内看板がぶらさがっている。もう秋なので花は少なく枯れた草が目立つが、シーズンにはたくさん咲いていることだろう。ツツジでも有名なのでシーズンには混雑するのだろう。

 

甘利山山頂 甘利山から見た奥甘利山、大西峰


 最初のピークというか肩を越えて次の高まりが甘利山山頂で、なだらかで周囲は草地が広がる見晴らしの良さそうな山だが霞がかかって甲府盆地さえほとんど見えなかった。この辺でポツリポツリと小雨が降ってきた。おいおい、いくらなんでも早すぎるぞ。鞍部に下って登り返す頃には傘が欲しいくらいの降りになり、頭上が開けた場所ではもろに雨で濡れてしまう。幸い、最低鞍部から先は唐松樹林で雨が避けられた。しかし遊歩道から奥甘利山までの間の短い踏跡は濡れた笹が両側から垂れ下がって思いっきり濡れてしまう道で、手でかき分けながら突破して山頂に到着した。

 

奥甘利山山頂 山ねずみ氏の標識


 山頂は笹がない範囲は狭くささやかな山頂であったが、久しぶりに「三重 津 山ねずみ」の山頂標識を見た。三重県内の超低山でよく見た標識で、2002年だったか8月の南ア南部縦走の途中、南岳で無線をやって上河内岳脇を通過し竹内門付近でこの文字が書かれた帽子をかぶった男性とすれ違ったのだ。よほど声をかけようかと迷ったがかけずじまいだった。今考えるともったいないことをしたものだ。

 雨が降っているが唐松の下でどうにか雨が避けられて無線を運用でき、奥積さんを捕獲した。横浜は風が強いがいい天気だという。こっちなんか雨だって言うのに。でもインターネットのレーダーを見てもこの付近には雨雲が見えないという。降っているのは山だけで下界では降っていないのかもしれない。やっぱ今日はアルプス級はやめておいて正解か。次の大西峰は約30分後と宣言して撤収した。なお、奥積情報によるとJG1MIT山下さん、JO1EEQ後藤さん、JH1HRT津村さんご一行が山梨南部十枚山から出ているとのことで、大西峰で捕まえられたら捕まえよう。

 

大西峰踏跡(笹の下) 大西峰山頂


 雨が強くなってきたのでゴアを羽織って遊歩道に戻り、大西峰への急な登りをゆっくりと歩くが、傘と違ってゴアは暑い!! 傘を持ってこなかったのは大失敗だが今さらしょうがないので我慢我慢。傾斜が緩んで山頂かと思わせるがGPSではまだ距離があり、さらに登って御所山への分岐が現れたら目の前の高まりが山頂である。しかしそこには踏跡はなく、濡れた笹の海が広がっているので遊歩道で一番高いところまで上がって踏跡の有無を確認することにして千頭星山方向に向かうが、それらしい入口は無かった。登山道には明確な入口はなかったが、道から少し離れたところに踏跡らしき筋が見えたので濡れた笹をかきわけて踏跡に乗り、僅かに上ったところが大西峰山頂だった。ここでも「三重 津 山ねずみ」の山頂標識があった。山頂はシラビソ樹林で笹が薄くて助かったし、雨避けにもなった。

 

 前回登ったときの記憶が定かではないのでなんとも言えないが、当時は大西峰付近でも笹がはみ出して足がびしょ濡れになったような気がするが、今では完璧な刈り払いが続き体に触れる笹は全くなかった。もしかしたら千頭星山付近でそんな場所が出る可能性もあるが、ここから千頭星山までは大した距離ではないのでおそらくこのままいい道が続いているだろう。山梨100名山に選ばれているだろうからその影響か。

 6mを聞くとJO1EEQがCWで運用中、ピコ6で呼べないことはないのだが、ここ数ヶ月ピコの調子が悪く、ケースを握る力や傾きを変えるだけで周波数が飛んでしまい、パネルにあるCW用押しボタンSWを使おうものならfズレが酷くてとても相手が追いかけられないほどなので、CWでは呼べそうになくSSBに変わるのを待ったがなかなか変わらず、先に奥積さんを捕まえようと甲斐市移動の局とQSOし終わった奥積さんを発見してQSYさせた。奥積さんと交信が終わり後藤さんの信号を聞くと山下さんと交代してSSBになっていたのでコール、久しぶりの交信だった。明日は東隣の篠井山の予定だそうで、この時期としてはちょっと暑いような気もするが・・・。こちらは昨日笊に登ってきたことを伝える。ここは山下さんも一緒に行ったのだし。

 いつの間にか雨が止んで、下山時はゴアはしまって歩き出したが、天気は不安定で日が差したり雨が落ちてきたりめまぐるしく変わった。どうせ車で着替えるのだからと頭の上にタオルを広げて雨対策として歩き続け、駐車場に戻った。こんな天気でも何人も上がってくる人がいて、多くの人は傘を持っていた。

 まだ昼前なので高速はできるだけ使わず一般道で上野原ICまで走って帰った。


 なお、自宅に帰ってピコ6を分解して周波数飛びの原因を調べた結果、VXO回路の半田付けの1つにクラックが入って接触不良となっていたのが原因だった。VXO周りがおかしいことは症状から分かっていたのですぐに発見できたのは幸いだった。半田付けし直して組立、動作確認すると症状はピタリと消えていた。ここ数ヶ月苦労させられた現象から開放され、来週からは快適な環境で使えるようになってうれしい限りだ。もう10年以上使い続けた無線機で、何回も故障をしてそのたびに自分で修理してきた愛機である。よほどの重傷でない限りは直し続けて使い続けよう。

 

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