奥秩父 長峰 2003年11月9日
奥秩父の2000m峰はほとんど登り、残りは3山になっていた。今回はその中でも東京から最も遠い長峰に立ち寄ることにした。長峰は国師ヶ岳から北に延びる尾根上にあり、今年6月に雨降山と合わせて登ろうと北上したが、稜線上はシラビソ幼木の密藪で時間がかかりそうであり、その日の夜には北海道に出張に行かなくてはならず時間切れで諦めた山だった。
今回選んだルートは、長峰東の梓川沿いにある町田市立自然休暇村から上流に延びる林道で山頂東直下まで入り、最短コースで山頂を目指すものだ。奥秩父は中アと違って笹藪はあまり考えられず、標高が高いところではシラビソ樹林が常なので適当に登っても稜線直下までは激藪はないだろうと想像した。インターネットで調べたが情報はなかった。
梓川にかかる林道の橋 |
高遠から杖突峠を越えて茅野に入り、八ヶ岳南面道路を通って清里、野辺山に至り、川上村方面へと東に入り、真っ暗な田舎道を快調に飛ばして町田市自然休暇村への入口で右に入る。案内板があるが道が細く行きすぎてしまった。やがて太い道になって煌々と明かりが輝く施設に到着、右側の道をなおもいくとダートの2分岐、どちらも行き止まりと書かれているがそれは承知なので構わず右の直進する林道に入る。それなりに車の通行がうかがえる道の状態で、普通車で入るのにもさほど不安はない。立派な橋で梓川を渡ったところでねぐらとした。気温は高く星空も見えているのだが、なぜか雨粒も落ちていた。時折パラパラとまとまって落ちてくるが、大降りすることはなかった。
翌朝は道のない斜面を上がるので充分明るくなってから出発した。予報と違って天気はすこぶる良く、風に流されてときおり低い雲が出るがほぼ快晴と言っていい天気だった。多少は藪に雨粒が付いているだろうが、これならびしょ濡れまでいかないで済みそうだ。
まずは橋を渡って梓川左岸に戻り、適当に斜面を歩くと別の林道に出た。ちょっと歩いたが山に登る気配はないので適当な斜面から唐松植林帯に取り付いた。下草もなくどこでも歩けるので適当に登っていく。一応尾根を正確にたどるように登っていくと徐々に立った石楠花が見られるようになり、植林を抜けてやがて岩混じりの痩せ尾根に変わった。そのまま構わず尾根をよじ登るとなかなかスリルのある岩稜登りになって慎重にルートをとった。どうもこの辺りはゲジゲジマークに囲まれた1810mピークらしい。このときはエアリアマップを見ながら歩いたのでまさかそんな尾根とは思わなかった。
岩稜帯から上を見る(山頂はまだ見えない) | 主稜線に出たところ |
ようやく危険地帯を抜けて僅かに下ると再び唐松植林帯で、尾根上は石楠花がうるさいので植林との境界で高度を上げていく。徐々に植林帯に石楠花が増えてきたので右手の自然林にルートを移すと藪もなく快適に歩けた。徐々に尾根が左に曲がり、再び植林帯に戻るとその後は植林帯がずっと続き、急斜面を赤い境界標識?に沿って登っていく。赤テープも見られるので私と同じルートで登る物好きもいるらしい。もう主稜線までちょっとというところで植林が終わって立った石楠花の隙間を通過し、西風の吹き付ける稜線に出た。ここには目印があるので下山時に入口が分かるようになっている。西側の視界が開け、小川山や金峰山が見えるが、これらは雲の中に隠れていた。この気温ならエビのしっぽができるほどではないだろうが冷たいガスだろう。稜線上は立派ではないが刈り払いがあって歩く人がいることが分かる。北の方が高いのでそちらに歩いていくと、地面からかなり飛び出した三角点が目に入った。長峰山頂である。
長峰山頂 | 山頂付近から見た雨降山 | 山頂付近から見た五郎山 |
山頂は樹林で囲まれて上空のみ開けて周囲の視界は全くない。意外にもJE1KQA赤地さんが付けた山頂標識が設置されていた。赤地さんも物好きだ。その裏にはDJFの落書きが。2001年12月となっていたから約2年前だ。南ア周囲よりも登りやすい位置にあるのでみんな立ち寄っているのだろう。意外と簡単に登れてしまった。
さて無線だが、ワッチしてもほぼ何も聞こえなかった。これから冬場の6mはこんな状況だろうな。しょうがないのでCQを連発し、久しぶりにJA1UIUからお声がけ。まだ起きたばかりで頭が半分寝ていると言っていたが、こちらは大助かりだ。57のレポートだが横浜まで届くだろうか。次は昨日に続いて大和さんで、本日はやや北に移動して小野子山尾根上の十二ヶ岳であった。すでに小野子山、中ノ岳は運用を済ませ3山目だとのこと。相変わらず行動が早い。天気は曇っているが南は青空だという。やはり関東近郊はどこも天気がいいらしい。これから下って温泉に入り、時間があったら低山を稼いで帰るとのことだった。なお、昨日は榛名で8山稼いだと言うから鼻息が荒い。もう足は完全復活だろう。
しばらくCQを出して奥積さんから声がかからないことを確認して撤収、下山は岩尾根の右側を迂回して無事に下山した。日曜日なのに林業作業中らしく、唐松を伐採するチェーンソーの音が響いていた。
6:15車−6:33自然林−6:39岩混じりの尾根−6:50唐松植林−6:56右の自然林に入る−7:22主稜線−7:25長峰着−8:12長峰発−8:35尾根を右に巻く−8:46林道−8:49車