小日影山は私にとって長年のあこがれの山であり、南アの山でも別格だった。その名前を知っている人は黒檜山よりは多いと思うが、登った人は皆無に近いだろう。場所は荒川前岳〜三伏峠間であり、板屋岳の北部に大日影山があるが、そこから西に飛び出した尾根上にある。この山域は縦走でないと行けないからか、山ランではこの稜線を歩いている人は少なく、大日影山でさえ私と武内さんのみだ。私は縦走したので山頂を踏んでいるが、さすがに小日影山までは考えなかった。よって小日影山は堂々の武内級の山である。
後日、武内さんの記録を読んだり本人から話を聞いたりしたが、地図を見ると大日影山から尾根を辿るのが常識的な選択だが、大日影山から最低鞍部の下りが超危険で、エアリアマップで危険地帯を丸に危で表示するが、武内さん曰く、ここの危険度は「丸死」だそうだ。2000m峰全踏破した人の記録を見たが、鞍部まで最後10mが木も生えていない絶壁で、ザイル無しでは下れないと書いてあり、その著者はそこで諦めたが、武内さんはそれをノーザイルで往復してしまったのだ。なお、その著者が大日影山を通過した数日前に、大日影山から小日影山を往復しようとした人がいて、おそらくその絶壁で落ちたのだと思うが遭難してしまったそうだ。小日影山に挑戦するような人だから凡人とは思えないが、そんな人でも遭難する山だからただならぬ山である。
武内さんの話を聞いた時点で、私では同コースは太刀打ちできそうにないなぁと感じた。それに大日影山まで行くだけで時間がかかるのも難点だ。常識的には初日は鳥倉林道から歩いて小河内避難小屋に泊まり、翌日1日かけて小日影山を往復して三伏小屋まで戻り、3日目に下山だ。武内さんでさえ大日影山から小日影山を往復するのに半日かかっている。距離は大したことはないが、なんせ崖マークの連続なので慎重に歩かなくてはならず時間がかかるのだ。私には岩場の通過の自信が全くない。
そこで考えたのが、尾根の様子は皆目見当が付かないが、小渋川から適当な尾根を詰めて小日影山から西に延びる稜線を辿って山頂に登ろうと言うプランだ。これだと小日影山に水平距離でかなり近い場所まで車で入れるので、尾根の藪の状況によっては楽々日帰りできる可能性がある。標高差は約1500mだから日帰りとしては無理のない範囲だ。この尾根は地図で見る限りでは崖マークは少なく、大日影山からのルートよりはマシだろう。それに途中の除山も稼ぐことができる。県境稜線は歩き尽くしているので大日影山から登ったら3日かけて小日影山だけになってしまう。
最大の問題は尾根の藪で、できればリスクを避けて北斜面から登りたいところだが、車道は稜線南側を通っているので、標高差を車で稼いで楽をするには南斜面を登るしかない。まあ、上千枚山や徳右衛門岳のように南向きの尾根でも藪がない場所もあるので希望がないわけではないが。車で標高を稼ぐことを考えるとできるだけ奥まで入りたいが、除山に登ることを考えるとゲートまで入ると行き過ぎだ。適度なところから入らなくてはならないが、1649mピーク南の斜面が適当だろうか。あまり標高を上げすぎるとゲジゲジマーク密集地帯に突っ込むことになってしまう。
なお、インターネットで小日影山を検索したが登山記録は1件もヒットしなかった。これこそ堂々の武内級である証だ。今までの武内級の道無き山は全て武内さんが登ったルートをそのまま登ったので武内さんから聞いた情報を利用できたが、今回は武内さんのルートとは全く違う「裏口」なので情報はなく、藪の状況も皆目見当が付かず、はたして成功できるかどうかは神のみぞ知るといったリスキーな計画となった。とうとう武内さんとは違うルートをとることになったが、凡人としては常に武内さんの真似ができるとは限らないのでしたかない。たまには「冒険」もいいだろう。
登山口の小渋川は東京から遙かに遠い。睡眠時間確保のために休暇を取りたいところだが貴重な休みを当てることができず、結局は定時で帰って急いで出発した。夜間の山道は日中と違って対向車の存在が遠くからライトで分かるので国道152号線を飛ばしに飛ばし、およそ午後10時半に小渋川に到着、GPSを見ながら荒川荘と地図上で碑がある場所の中間地点、地滑り観測施設に駐車した。ここから尾根を詰めよう。尾根に向かうのかどうか分からないが踏跡が見えた。天気は良くお月様が輝いていた。
翌日、藪があるかもしれない様子が不明な尾根を登るため、樹林中でもライトが要らないくらいに明るくなってから動き出した。気温は高く、Tシャツでも問題ない。藪に備えてズボンは長ズボンにする。踏跡を入ると檜植林地帯で、踏み跡があるようなないようなで適当に登る。最初から道は期待していないので適当に高いところを目指し、植林地帯が切れると落葉樹林帯で心配していた藪はない。地滑りセンサー?の配線らしきチューブを辿って小尾根に取り付き、あとは上へ上へと登っていく。もちろん下山用の目印は忘れない。尾根ではなく広い斜面なので、目印無しでは車に戻れない。自然林からカラマツ植林地帯に変わり再び落葉広葉樹林、そして最後は再びカラマツ植林帯だ。一貫して下草はなく、歩きやすい尾根だったのはラッキーとしかいいようがない。踏跡はなく目印もない。1カ所だけコンクリートの境界標識があった。かなりの急斜面で汗が噴き出す。振り返ると前茶臼山、奥茶臼山が高い。前茶臼山の手前は大きくガレて白い岩が見えているので遠くからでもよく分かる。
上部が唐松の尾根を登り切ると4等三角点があった。地形図では三角点は存在しないがGPSで高度を測定してここは1649mピークであることがわかった。これで除山までの前半戦が終わったわけだ。あと標高差400m弱登れば除山山頂のはずだ。さて、この先も藪がなければいいが。ここから目印も出てきたので、西端の尾根末端から登る人がいるらしい。この先から点々と目印が出てきたので助かった。少しばかり休憩する。
緩く下って次の登りにかかる手前で唐松に熊の爪痕を発見した。やっぱり熊はいるんだな。まだ冬眠していないだろうから、鈴をつけてきたのは安心材料になる。早く冬眠しちゃってくれ。今年は熊を見過ぎた。
登り返すとだんだん尾根が急になってきて岩も混じってくる。イヤな予感だ。尾根を直登したり、南に巻いたりしながら高度を上げていく。何となく獣道があるようだ。尾根を巻く場所は下りで直進すると危険で下れない場所に出てしまうので入念に目印を付けた。幸い、尾根上も落葉広葉樹林が続き藪漕ぎはない。藪はよかったが、とうとう尾根上は崖で登れない場所が出てしまった。尾根の両側は切れ落ち迂回不可能、無理をすれば左から登れないことはなさそうだが、こんなところで無理をして遭難しては話にならないので崖の基部から巻くことにした。一目すると北側は急斜面の連続で巻けなさそう、巻くためにはかなり下らなければならない。南は滑り易そうなザレの谷があるが、どうにか行けそうだ。少し戻ってみると、なんとその迂回トラバースコースを目指して目印が着いていた。考えることはみな同じだ。しかし、このトラバース道は獣道のようで、滑りやすい落ち葉の積もった急斜面を人間が歩くにはハラハラドキドキ、それこそピッケルが欲しい場所だ。無事巻終わって一安心、再び正規の尾根に乗った。
その後も落葉広葉樹林、シラビソ樹林が続き、尾根上には藪が出てこなかった。もう1カ所、こちらは最初の場所よりも突破できる可能性が高かったが岩の急斜面でヤバいところが出てきて(帰りに見たら充分登れそうだったが)、左右の地形を見て少し下ってから大きく南を巻いた。最後は岩の脇の急な登りだったが、なんとフィックスロープが張ってあった。そんなことをするほど人が入るのだろうか。それとも同じ人が最初の失敗を反省してロープを持っていったのだろうか。とにかく、目印の数にしてはこんな物があるとは驚きだ。ロープが無くても登れるが、下りを考えるとあった方が助かる。ロープは2本あり、トラロープの方が新しく距離も長かった。
この先は危険地帯はなく、シラビソ樹林の尾根が続き快適に歩けた。でも目印は忘れない。熊除けの鈴を鳴らしながら歩いていたが左手からガサゴソ音がしたので口笛を吹いたり手をたたいたりして動物に警告して音がした方をみたら、熊ではなくカモシカだった。山の中でカモシカを見たのは今年初めてかもしれない。距離は20mほどであちらもじっと見つめて動かない。うん、これがカモシカだ。デジカメで写真を撮って動き出したらあちらも動き出していずこかに消えた。
ようやく傾斜がゆるむと除山三角点だが、最高地点は東側なのでそこまで行った。深いシラビソ樹林で全く視界はなく、山頂標識もない。こんな山こそ山ランメンバーの標識が似合うだろう。KUMOがいつか付くかも? 地面はふかふかのコケの絨毯で、シートを広げて休憩だ。三角点ピークには目印もあったが、こっちのピークは全く人の気配を感じさせない。今日は気温が高く、登りでは汗をかかされたが、山頂は日差しが無く涼しいので腕カバーをする。ただ、シャツを着るほどではないのでTシャツのままだ。
無線はまず144,430で声を出した。ここまで来れば名古屋まで飛ぶかと思ったが、まだ標高が不足するのか応答無し。6mに移ると期待通りにJP2NJS/2三重郡が強い。例の御在所岳だった。QSO中に奥積さんが嗅ぎつけたが、なにせ3000m峰の西側、最悪のロケなので予想に違わず飛ばなかった。奥積さんの信号がこっちで聞こえるかどうかくらいだから、非力なピコ6の信号が届くはずもない。ただ、小日影山まで行けばQSOできるかしれないのでそっちに期待しよう。
まだまだ先が長いし、どこで藪が出て来るとも限らない。本命の小日影山に向けて出発だ。ここでアタックザックに変えようとしたのだが、いくら持っていく物を減らそうとしても、読めない所要時間を考えると持ち物は多くなってしまう。結局はデポする荷物はゴア、防寒着、ザックカバー、下着の着替えくらいになってしまったので、メインザックを背負って、不要な物をアタックザックに入れてデポすることになってしまった。小さなアタックザックをシラビソの枯れ枝に引っかけた。
さあ、運命の出発だ。無事に小日影山に到着できるだろうか、それとも藪や危険個所で撤退か。これは行ってみないとわからない。その意味では小日影山は「登山」ではなく「探検」の部類に入るだろう。とりあえず除山まで来られたのだから、もし撤退でも満足すべきか。
山頂を下ると倒木帯だが、先週の水沢山よりもずっとマシですぐにおとなしい尾根に変わる。目印はぱったりと絶え、私の目印は第2段階に突入した。難しい尾根ではないように見えるが、下るときは登りでは気にならない尾根で判断を迷うことが多く、気を抜かないよう目印を付けた。目印を付けない方が下りで読図能力を鍛錬できるが、疑心暗鬼のまま下るよりも潔く精神衛生を大切にした方がいい。
南から大きな尾根が合流する2120mピークで境界標識が現れテープも出てきた。どうやらテープの主はこの尾根を登ってきたようだ。危険個所がないのならこの尾根がいいかなぁ。といっても私の場合は除山山頂に荷物をデポしているのでここを下るわけにはいかないが。ここから平坦な尾根が続き、2150mピークが2つ出てくるが、最後の2150mピークまでが深い樹林が切れて見晴らしはいいが灌木の藪になって唯一うるさい場所だった。でも境界標識を付けた人が多少は枝を払ったようで、まだ緑色の葉を付けたままの枝が落ちていた。じつは私も今回初めてナタを持ってきたが、このくらいなら払うほどではないので体で押し分けた。帰りは多少払っておいたが。境界標識の一つに作業日が書いてあって「中部森林管理局 15.10.20」となっていたので、わずか2週間前だった。道はほぼ稜線上を通っているが、唐松の隙間があるところは南を巻いている部分もある。
シラビソ幼木の尾根が終わると本格的な登りが始まると同時に右手に絶壁が出てくる。地形図の崖だろうか。左を巻いて樹林に入り、適当に高度を稼いで尾根に出る。尾根は稜線上が急になったり幼木の藪がうるさそうな部分は北側のシラビソ樹林を迂回して再び尾根に乗るというのが何カ所かあった。やはり目印はないので下りを考えて付けていく。ようやく最後のピークを過ぎてなだらかな登りが続くようになるといよいよ小日影山近しの雰囲気が出てきた。獣道だろうが、まるで登山道のように明瞭な踏み跡も見られた。ただし目印はない。境界標識の目印は2150mの平坦な尾根を過ぎて無くなってしまった。北側に開けた場所があるのでそちらを迂回すると、待望の三角点に飛び出した。あれ? 地形図ではガレ場マークを通過するはずなのだが尾根上には無かったなぁ。
山頂標識はなく、赤布2つがぶら下がっているだけだった。やっぱKUMOが欲しいよなぁ。こんな山、1年で10人も登る人は存在しないだろう。とうとう、武内さんの助けを借りず、私の実力だけで小日影山に登れたのだ!! 今日登り始めた時点でさえ登り付けるかどうか分からなかったのにである。この喜びは長年山をやっていてもそう味わえるものではない。次にこの快感を得るためには東聖岳、白蓬の頭を登るしかないだろうな。南アの2500m以上の山の残りはその2つだけである。でも、ここはインターネットでも出てるから格が落ちるなぁ。やっぱ無雪期の大唐松岳かなぁ。ここは凄そうだ。
北側のシラビソが疎らで、三伏山、烏帽子岳の稜線が目の前だ。塩見の頭も見えている。大日影山はシラビソで見えない。武内さんはそっちから来たのだな。山頂付近は小広く、上空は開けていた。天気は良く、気温も上がってTシャツのままでちょうどいいくらいだ。温度を調べようと温度計を出したら壊れていた。アルコール温度計の方がよかったかなぁ。気温が高くて汗が出たのでのどが渇く。いつもならほとんど水を飲まなくて済むだろうに、今日は500ccでは不安なくらいだ。
こんどこそ名古屋まで飛ぶだろうと勇んで石川さんを呼んだが応答はなく、山ランメンバーに呼びかけても144を含めて応答はなかった。いつものように430メインを付けっぱなしにして6mで運用、JR2ULS/2桑名郡が強力で簡単に捕まった。その後、4エリア移動局とQSOしていた奥積さんが53で聞こえていたのでひっかけるべく50.190でCQを連発したが応答はなかった。こっちで53じゃやっぱスキャンで引っかからないよなぁ。南ア南部や中アでも標高が低い山だと奥積さんでも弱いなぁ。でも、この規模の山にピコ6以上はとても持っていく気にならない。おそらく小日影山から6mの電波が出たのは初めてだろうし、今後出ることは2度と無いだろう。6mで出るためには大和さんが登らないとね。
帰りの時間もかかるのでのんびりしていられない。奥積さんを諦めて下山を開始した。もう2度と来ることはないが、とっても名残惜しい山頂を後にした。はたして山ランメンバーで次に登る人がいるのだろうか?? 私の情報が広がれば、もしかしたら登る人が出るかもしれないが、何せこのルートは1日で2山しか稼げないし、お山の大将でも小日影山は下位に位置するだけなので普通のメンバーは魅力を感じないであろう。ワクワクするのはいわゆる「篤志家」だけかな。私の場合、人が登らない山ほど登頂したときの喜びが大きくなるので、武内級の山は特にうれしさ倍増だ。
目印を付けたことは大正解で、尾根を細かく外れるところも次々とクリアしていく。目印がなかったら藪に突っ込んだり切り立った崖にぶち当たったりしただろう。ツガの幼木やシャクナゲがうるさい2150mピーク群を通過して2120mピークで境界標識に伴う目印と別れ再び静かな尾根に戻る。除山で荷物を回収し、除山三角点を過ぎると目印が再び現れる。でも私が付けた目印がなければやっぱ下山で迷うだろうなぁ。登りで大きく巻いた2カ所のトラバースをおっかなびっくり通過して尾根に戻ったが、帰りに見ると何でこんな所を巻いたんだ?と思えるのだった。今なら直登しただろうなぁ。気分とは現金なものである。1649mピークで水を飲み尽くし唐松の尾根を南下、目印に従って主尾根から外れて右へ右へと進路を変える。地滑りセンサーまでくればもうゴールは近く、車道に飛び出して無事に車に到着した。予想よりかなり早く、10時間もかからなかったのはうれしい誤算だった。
着替えを済ませて出発、小渋温泉赤石荘(\500)で汗と埃を洗い流す。大した藪ではなかったはずだが、長ズボンの上から足にひっかき傷が無数についていた。最近は毎週こんなことばかりやっていて毎回満身創痍だなぁ。温泉は塩気が含まれるので傷にしみる。こんな山の中なのに入浴客が多かった。車が何台も止まっていたから宿泊客もいるのだろう。こちら方面に登ったときには貴重な入浴場所だな。一度鹿塩温泉に入ってみたいのだが、午後3時以降は外来入浴できないので何度も前を通過しながら入ったことがない。強塩泉だそうだ。小渋温泉も塩分が豊富だ。
天気予報で明日の天気は悪化が伝えられ、あまり変な山に行くと地獄を見るのは確実なのでいろいろ考えた結果、場所も考慮して長谷村の三ッ石山を選択し、高遠のスーパーで買い物をして戸台大橋に向かった。
このように、小渋川からのルートはほとんど藪もなく意外に簡単に日帰りできてしまった。この情報は個人的には画期的だと思う。私の経験からすれば山ランメンバー上位陣なら簡単に登れるのではないだろうか。もしかしたら2120mピークに登り、除山を往復した方がさらに危険が少ないかもしれない。
6:01車−6:03踏跡−6:09植林から自然林に変わる−6:55尾根に乗る−6:58唐松植林−7:12尾根に乗る−7:18境界標識を見る−7:25四等三角点(1649mピーク)&休憩−7:33出発−7:37熊の爪痕−7:39目印を見る−7:44ワイアーロープを見る−7:56岩を南に巻く−7:58巻終わり−8:07フィックスロープ−8:10急斜面を南に巻く−8:18尾根に戻る−8:40カモシカに会う−8:45除山三角点−8:53除山最高点着−9:25除山発−9:50 2120mピーク(境界標識)−9:59 2150mピーク(東端)−10:23岩壁左を通過−11:05小日影山着−11:49小日影山発−12:17岩壁左を通過−12:25 2150mピーク−12:29 2120mピーク−12:58除山着−13:03除山発−13:08除山三角点−13:22巻き道−13:26下りすぎて戻る−13:31下降ポイント発見−13:37巻終わり尾根に戻る−13:42岩場の巻き道−13:46巻終わる−14:02 1649mピーク−14:38林道−14:40車