北海道 道南 台場山 2009年11月29日

所要時間 7:08 旧国道分岐−−7:15 旧川汲トンネル−−8:13 川汲峠−−8:24 台場山−−8:54 廃林道を離れる−−9:06 旧川汲トンネル−−9:14 旧国道分岐


 北海道では登山道がある山はあまり多くなく、特に冬でも登れるような低い標高の山では数は少ない。ある程度標高がある山は道があるのだが・・・。そんなわけで恵山、海向山の次にどこに登るか悩んだが、ガイドブックでは手近なところは台場山くらいしかなかった。本当は渡島駒ケ岳でも登りたいところだがもう雪山だろうから別の機会にしよう。
 ガイドブックによれば川汲トンネル入口に「台場山登山口」なるバス停があり、そこから登れるとのことなので向かってみたが、なんと今は新川汲トンネルが完成して旧道は車止めされているではないか。立入禁止の札はあるが、まさか登山口に向かうのまで禁止されているわけではなかろうと、車止めを跨いで歩き出す。まだ通行止めになってからさほど期間は経ていないようで路面は荒れていなかった。

旧川汲トンネルへと続く車道は閉鎖されていた 塞がれた旧川汲トンネル

 舗装道路をテクテク歩いて旧川汲トンネル入口に到着。なんとトンネルはコンクリートの塗り壁で完全に蓋をされており、メンテナンス用だろうか、人間が出入りするためのドアが付けられていた。もちろんきちんと施錠されていた。バス停は既に撤去されていたが、ここが登山口に間違いない。

トンネルとは反対側の斜面に登山口あり フィックスロープが流してあった

 さて、ここから登山道が始まるはずだが、周囲を見渡してもそれらしき標識が見当たらない。ガイドブックに登場するくらいだからそこそこ有名どころだと思うのだが。トンネル脇が怪しいので探したが踏跡皆無、ガイドブックを開いて簡単なルート図を見ると東側の山腹を巻くように廃林道が走っていて、それを登山道として利用しているようだ。ここの東は谷になっているがその向こうに続く山肌につながる斜面が背後にあり、よく見てみると少し笹が刈られた踏跡が見えた。入口には標識は無いがどうやらこれが登山道らしい。結構に急な斜面だがフィックスロープが張られており安心できそうなルートだ。

廃林道に出る 崩れた箇所にはロープあり

 少し登ると廃林道に飛び出す。ここから下る方向は笹が伸び放題で人の手が全く入っていない様子で完全に廃林道、ここから登りの方向は笹の刈り払いがされて斜面の雑木は伐採され、登山道として整備されているらしい。安心して廃林道を進んでいくが、途中では完全に道路が崩壊して斜面をへつるような箇所があり、一般登山者が歩くにしてはちょっと野性味溢れすぎの感がある。それに進むにつれて笹の刈り払いのレベルが徐々に低下し、元々笹は薄いので問題ないが枯れた草が目立つようになる。これがタダの雑草なら問題ないのだが、粘着性の種子を持つタイプで知らないうちに手袋、ズボン、シャツにびっしりとくっついていた。粘着性なので取るのが厄介で、いちいち指でつまんでは地面に捨てるの繰り返しで、草の戦略に見事答えているようなものだ。それ以降はできるだけ草を避けるように歩いた。

 廃林道はほとんど傾斜が無く延々と斜面を巻いているので時間がかかる割には高度が稼げない。まあ、汗をかくような運動密度にならないので助かるといえば助かるが。蝦夷鹿の足跡と思われるものはあるがヒグマの糞は見かけなかった。どうだろう、この時期の道南ではヒグマは冬眠に入っているだろうか。

トンネル直上の標柱 川汲峠

 途中、林道脇に川汲トンネル直上50mの標識があったが、帰りはここから直接下ればショートカットできそうだ。なおも廃林道をクネクネと歩き続けるとようやく川汲峠に到着、そしてその向こう側には舗装された車道がきていた。地形図でもこの道は書かれていたがこんな立派なものとは思わなかった(ガイドブックに何の記述も無かったし)。ゲートなしでここまで車で入れるのか不明だが、車で入れなくてもこっちの車道を歩いたほうが草の種だらけにならずに良かっただろう。

右の林道を進む 台場山入口

 舗装道路は東にある電波中継所の方に向かい、西には未舗装の林道が延びており案内標識が砲台跡はそっちだと示していた。こちらの林道は現役で草ぼうぼうということはなく楽に歩けた。峠から数100mで林道脇に台場山登山口の標識があり、立派な登山度が稜線向けて上がっていた。このグレードを見ると私が今回登ってきた廃林道コースはほぼ廃道と化していると言っても過言ではないだろう。台場山に登る大半の人はこっちの舗装された林道を利用しているだろう。

もうすぐ山頂 台場山山頂
台場山から見た函館山 台場山から見た横津岳(たぶん)
台場山からのパノラマ展望(クリックで拡大 山名は入ってません)

 落葉樹林の尾根を登りきると意外に尖った台場山山頂に到着。まるで富士寄生火山のてっぺんのように真ん中が窪んでおり、昔はここに砲台が設置されていたのだろうか。山頂部は立ち木が無いので展望はいいが、今日も陸地は雪雲がかかってイマイチ遠望に欠ける。まあ、たとえ展望が良くても道南の土地勘は皆無なので山岳同定はほぼ無理、どの山が見えているのか分からないだろう。

ここから下り始める 沢を横断
斜面をトラバース 無事に旧国道が見えた

 ほとんど疲労は感じなかったのですぐに下山開始。元来た道を戻って旧川汲トンネル直上に到着、ここからトンネル目指してまっすぐ下ることにした。ここで地形図があれば気づいただろうが、この「直上」というのは当たり前だが入り口の真上ではなく、トンネルがこの斜面の真下を通っている場所であり、基本的にトンネル入口の場所とは無関係だ。少し下ってから地形が予想とは異なって目の前の谷の向こうに斜面が出現してからそのことに気づき、入口はもっと右だろうと予想して斜面をトラバースし始める。幸い、ここは北斜面のせいか笹は薄く、歩くのにほとんど支障が無い。木の隙間や緩斜面を繋いで進んでいくとやがて目論見どおりトンネルに繋がる旧県道が見えてきて一安心。最後はトンネル右側の斜面を下って入口に戻ってきた。ここまで薮も無く歩きやすかった。こんなルートを歩く人はいないだろうな。

 

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