北海道 道南 恵山 2009年11月29日
所要時間 9:41 駐車場−−10:32 恵山−−11:14 駐車場
昔納入した機材の修理で初冬の北海道に出かけることになった。この時期の北海道の山は未経験なので積雪状況、気温も不明だが、本州の山とは季節が1ヶ月くらい違うはずで、高い山は完全に冬山だろう。まさか出張の合間の休みのためにワカンやピッケルを持っていくのははばかられ、それらを使わなくても登れそうな低山をチョイスするのがいいだろう。そうなると雪が少ない道南の太平洋側が有望で、ガイドブックを眺めて有名どころの恵山を選んだ。その近くに海向山があり、恵山と繋げて登れば効率がいい。
千歳から道南は遠い。土日\1000の高速で行ってもいいが、北海道では高速を使っても一般道を走っても時間的に大差は無いし、途中のPAかSAで時間稼ぎの仮眠をすることになるが、北海道では夜間の気温は本州より低く、仮眠に入る大型トラックはアイドリング状態で寝ることが予想され、かなりの騒音となろう。その点、一般道では幹線道路から離れた空き地等で寝ることも可能で場所の選択幅が広く静かに寝られる。これらを考慮して一般道で南下することにした。
ルートは深く考えずカーナビ任せにしたが、どんな判定基準を持っているのか知らないが千歳市街から国道36号線で苫小牧市外に至ってから国道276号線で支笏湖畔に上がらされ、美笛峠を通って倶知安で国道5号線に乗り、黒松内経由で長万部に出た。これなら千歳から支笏湖に向かったほうが早いだろうに。噴火湾岸に出てからは国道5号線を一路南下し、眠気に耐えられなくなって森町の道の駅(オニウシ公園)で寝ようとしたが、ここはアイドリングしたまま仮眠中の大型トラックが数台いてうるさくて眠れない。しょうがないので国道から脇道に入り、オニウシ公園東側の駐車場で寝ることになった。ここは静かで安眠できた。
翌朝、どうせ今日の行程は短いので充分明るくなってから車を走らせても大丈夫だろうと7時近くに出発、まだこの先は車で1時間以上かかるので何だかんだで出発は9時以降になるだろうか。白い雪に覆われた渡島駒ヶ岳を巻いてなおも進み、広い国道が終わって海沿いの市街地を縫うように進み、恵山を目の前にして右に巻くように峠を越えて南側の海岸線に出て、恵山南斜面を登っていく。
工事通行止めのゲート | 夜間通行止めとのこと |
途中で道幅が狭くなるところに片側が開放されたゲートがあったが、工事中で通行止めとの看板が出ていた。一般車通行止めとは書かれていなかったので、工事で進めなくなるところまで入っても良かろうとそのまま車で入っていく。この道は夜間通行止めのようで道路横にその看板があり、このゲートは夜間は閉じられるようだ。
車道終点 | 案内看板 |
あとは道なりに舗装道路を進んでいく。途中で工事箇所や凍結箇所があったら歩こうと考えていたが、最高地点まで日当たりのいい南斜面で雪はすっかり溶けていて、その先の緩い下りにうっすらと雪が積もっていたが凍結は無く、スリップすることなく工事現場を見ることもなく終点の駐車場に到着した。恵山は有名どころの山だと思うが駐車場は無人だった。ここで朝飯を食って防寒着を着て出発だ。車外は風が強いが日差しがあるので思ったよりも暖かい。
ここから出発 | 水蒸気を上げる恵山 |
噴気孔地帯は左を巻く | いい道が続く |
完全装備で出発したが、気温は0度ほどで北海道にしては思ったよりは寒くないが、北よりの風が強く体感温度はそれなりに低い。まずは小屋横の車止めされた車道を歩き、案内標識に従って水蒸気が上がる火口群方面に伸びる遊歩道へと入る。その先で遊歩道は右の展望台方面が分かれるが、標識に従って直進するとすぐに左に水平に巻き始めた。この上部に噴気孔があって迂回するのだろう。北側の眼下に見える小ピーク手前に人の列が見えており、私の他に登山者がいるようだ。さて、ここまで登ってくるのだろうか。
右が山頂への分岐 | 溶岩 |
登山道脇にはごく弱い噴気がある | 恵山岬 |
山の北斜面に入るとそのまま巻くルートと山頂へと登るルートが分岐、どちらも立派な道なので心配なさそうだ。活火山なので周囲は一面の溶岩だけで植物は全く無く見晴らしはいいのだが、今日はやや強い冬型の気圧配置で北方面は雪雲に覆われて見えないのが残念だ。まあ、ここまで雪になっていないだけマシだろう。ルートは大雑把に言えば爆裂火口の縁を登っていくが、すぐ近くに噴気孔は無くちょっと寂しい。でも湯気がゆっくり立ち上る程度のほんの小規模の噴気孔は登山道近くにあり、岩を触ると暖かかった。
そろそろ山頂 | 恵山山頂 |
恵山から見た海向山 | 山頂付近の神社 |
恵山からのパノラマ展望写真(クリックで拡大) |
登山道はジグザクを切ったりしてかなり緩やかに付けられており、ダウンジャケットを着たまま歩いても汗をかかなかった。最後に平坦な山頂部に出て、踏跡を伝わって一番高そうな岩付近に登っておく。その奥の神社が一般的な山頂として扱われている場所らしい。かなりまともな建物で、少なくとも近年に噴火は起こっていないようだ(後日ネットで調べたら一番最近の噴火は約130年前だった)。周囲は雪雲が多く遠望が利かないが、南方の青森県の陸地を望むことができた。北海道でもここまで南下する本州が間近だ。
冷たい風が拭きぬけて長居できないので早々に下山開始。巻き道に出てからすぐに単独男性とすれ違った。恵山はメジャーな山だと思うのだが全く人がいなかったのでもしかしたら浅間山のように登山禁止の山なのか?と本気で心配していたがそうではなかったようだ。よかったぁ。駐車場に戻って軽く飯を食い、海向山に向かった。
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