北海道 日高 蓬来山 2009年7月20日


 旧三石町の三石川下流にある蓬来山には過去2回足を向けたことがある。超低山なので簡単に登れるだろうとたかをくくっていた1回目は温泉に入った後で、現場に到着すると登山道を発見できず、藪漕ぎはごめんなのでパス。2回目は藪漕ぎ覚悟で行ったのだが雨が酷くて藪に突っ込むのを躊躇してこれまたパス。ネットで検索すると1,2件だけ登山記事があり、一応道があることが判明し、次の機会に挑戦することにしていた。今回の北海道シリーズ最終日に時間が余り、日高周りで千歳まで戻ることにして蓬来山に向かった。

ゲートボール場と蓬来山 「登頂のおり」と書かれているので登れるはず

 今回はカーナビのご案内でロードマップの出番がない。国道235号線を苫小牧方面に向かい、合併して新ひだか町に変わってしまった旧三石町中心部手前で三石川を渡って右折、川沿いに登っていくと対岸の河原にゲートボール場が出現し、その奥にまるでソフトクリームが生えたような顕著な岩山が出現する。これが蓬来山だ。橋を渡って対岸に移り、日高本線沿いに僅かに走ると登山口があると思われる赤い鳥居に到着、車1台が駐車できるスペースがあるので車を突っ込み、着替えて登山靴に履き替える。前回登った時にあった看板はそのまま健在だ。

「登山口」は鳥居から お社左の木が絡んだ岩穴を進む
穴を出ると別のお社がある 社の奥に踏跡が続く

 鳥居奥の社で道の続きを探したところ、左手の岩に穴が開いており、朽ちた木製標識にスズメバチの巣があるので通行禁止と書かれていた。登山道はどうもこの穴を通り抜けるようだ。標識は古そうなのでもうスズメバチはいないだろうと手前の木を乗り越えて穴をくぐると別のお社が登場、その奥の笹の中にさらに踏跡が伸びていた。そう、登山道ではなく踏跡のレベルだ。上に向かうかと思ったらぐるっと巻くように進んでいき、上方の岩壁帯が切れて樹林帯に変わったところでグイグイ登っていく。トラロープがフィックスしてあったが無雪期なら不要だ。

トラロープが登場 注連縄登場。これが出てくると行きすぎ

 道が左に巻き始めると岩壁帯が登場、その根元には巨大な注連縄が横たわっていた。この注連縄は藁製ではなく、なんと太いパイプ表面に合成繊維を配した構造だった。まあ、こんな巨大なものを毎年ここまで持ち上げるのは労力がかかりすぎるので長寿命なものを持ち上げたということだろう。踏跡は注連縄沿いに右回りにトラバースし始めたが、すぐにヤバそうな岩壁帯のトラバースが登場し、落ちたらタダでは済まない場面だ。いくらなんでもこれはマズかろうと別ルートを探すことにし、戻って笹の生える樹林帯から上方を見上げ、岩壁が切れて樹林が続いている場所を登り始めた。笹は激藪ではないので乾いてさえいれば漕ぐのは簡単で、登りやすい所を適当に歩くとすぐに踏跡が登場、どこから分岐したのか分からないが、今まで歩いてきた踏跡の続きに間違いないだろう。

再び踏跡に乗る 蓬来山山頂の祠群

 踏跡さえ見つければもう問題は無い。笹の中の一筋の踏跡を辿ると落石防護ネットを固定しているワイヤーアンカーが登場、その向こうは再び岩壁帯だが、踏跡はここで左に曲がって傾斜は急だが安全な樹林帯を登っていく。この付近は踏跡が薄いので藪に慣れない人は注意が必要だ。そこから僅かで傾斜が緩んで山頂に到着した。注連縄があるほどなのでお社が建っているが、あまり人が入っている雰囲気ではない。地元住民も高齢化してここまで登れる体力の人は少なくなったのだろう。財布は持ってこなかったのでお賽銭をあげることができなかったのが残念だ。笹と樹林に覆われて展望は無いが、アイヌの先住民の時代から聖地とされていた山に3回目の挑戦で登れて満足だった。

岩穴から最初のお社方向を見る

 帰りは同じルートを戻る。注連縄付近でルートを間違えた個所はちゃんと踏跡がつながっていたが、この付近も踏跡が薄くて分岐が不明瞭で、普通は直進してしまうだろう。注連縄まで行ってしまったら行きすぎで、戻って樹林帯を適当に登れば踏跡を見つけられるだろう。登山口のお社に戻り、無事登山できたことを感謝した。 
 

所要時間
 最初のお社−0:08−蓬来山−0:05−最初のお社



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