霧ヶ峰
男女倉山、大笹峰、山彦ノ北ノ耳、山彦ノ南ノ耳、樺ノ丘、殿城山、蝶々深山 2009年5月30日
八島湿原入口の駐車場 | 八島園地 |
八島湿原 | 雨に濡れた木道 |
早朝の林道を上がっていくと雨が降り出し、八島湿原入口の駐車場でも小雨が降っていた。それでも雲の高さは高く、車山のレーダーサイトも見えているので「有視界飛行」が可能だ。霧ヶ峰はなだらかなので、標識が整備されているとはいえガスって視界が無いと不安であるので助かる。風が無いので雨避けには傘が使えそうだが、足元が濡れるので結局ゴアを着て傘をさして出かけることにした。雨の早朝なので駐車場の車はまばらだった。歩行者用トンネルを潜って道路の反対側に出ると湿原手前の八島園地に出る。ここで北回りの遊歩道に乗り湿原に沿って木道を歩くが、雨に濡れた木道ほど滑りやすいものはなく、下りは注意しながら足を出していく。幸い、コケることはなく水平区間に入り、その後は傾斜は無く心配する箇所は消えた。所々で木道の底板が割れかけてたわんでいる場所もあったが、赤ペイントで×印が付けられていた。
最初の建物群。牧場っぽい | 湿原を離れて林道を歩く |
2つ目の大きな建物 | 左の細い道に入る |
いかにも牧場の建物風のいくつかの建物を通過するところで車止めのある林道に変貌し、次の大きな建物で左に曲がる細い踏跡に男女倉山の案内標識が立っていた。今までの道と比較してあまりにもグレードが落ちて、低い笹が両側から垂れ下がって雨に濡れて足元がびしょ濡れになるようなルートだった。まあ、踏跡があるだけマシだろうと左に曲がる。笹が被るのは少しの間だけで、すぐに草原地帯になってくれた。今は牛はいないが、昔は牧場であった様子がみられる。
緩やかな尾根を登る | 八島湿原を見下ろす |
少しの間だけ唐松植林帯を突っ切り、再び低い笹原の斜面に変わって標高を上げる。人間の足跡の代わりに真新しい鹿の足跡があると思ったら、傾斜が緩む肩の先に立派な角を持った鹿が立っていて、驚いて逃げていった。鹿は逃げ足が速いのでデジカメに納めることはできなかった。
草原、笹原のピークへと登っていく | 男女倉山山頂。背景は美ヶ原 |
男女倉山から見た山彦〜車山 | |
男女倉山から見た常念岳〜立山前衛(クリックで拡大) | |
男女倉山から見た後立山南部(クリックで拡大) |
雨は降ったり止んだりで、傘を差したまま歩いていく。傾斜が緩むとすぐに山頂標柱の立つ男女倉山(セブラ山)に到着。草原状で立ち木は無く展望はいいが、残念ながら雲が多くて展望がいいとはいえなかった。唯一、北アの常念岳から鹿島槍にかけての稜線が雲の下に姿を現していた。槍穂は残念ながら雲の中で見えない。まあ、この天気で北アが見えたのだから文句はない。疲労は全く感じられないので先に進む。
山彦ノ北ノ耳へと進む | 山彦ノ北ノ耳直下から見た大笹峰 |
大笹峰目指し緩やかに下る | 大笹峰山頂。三角点あり |
大笹峰から見た車山〜殿城山 |
草原を緩やかに下り、登り返したところで標識が立っているが、ここが大笹峰の分岐のようだ(ただし大笹峰の案内は無い)。北に向けて太い尾根が張り出しており、先端にはスキー場の建物が見えている。細いながら踏跡があり、足元を濡れた笹のブラシで擦られながら緩やかに下っていく。私のゴアはもう防水が弱くなっているので、少し水がしみこんでズボンが濡れてしまった。傾斜が無くなり僅かに登ると建物が登場、ここが山頂かと思ったらその東の草原が最高点で、登ってみると三角点が頭を出していた。間違いなくここが大笹峰だ。スキー場の終点で冬場は賑わうのだろうが、雪のない今は静まり返っていた。
山彦ノ北ノ耳山頂 | 山彦ノ北ノ耳から見た山彦ノ南ノ耳 |
分岐に戻り、僅かに登るとピークに到着、ここが山彦ノ北ノ耳であった。古びた山頂標識の他に新しい標柱が立っており、標柱の方には「山彦谷 北の耳」と書かれていた。微妙に名称が違うが山頂には間違いない。先ほどまで見えていた蓼科山も雲がかかってきた。これから向かう殿城山の尾根も良く見えている。あそこは道があるかなぁ。
鞍部から山彦ノ北ノ耳 | 山彦ノ南ノ耳山頂 |
山彦ノ南ノ耳から見た殿城山 | 樺ノ丘向けて下る |
草原を急激に高度を下げて鞍部から登り返したところが山彦ノ南ノ耳であった。立ち木は皆無で草原が広がり展望がいい。眼下にはエコーバレースキー場が広がり、これまたゲレンデは草原状であった。車山のレーダーサイトはすぐ近くだが、あそこは既に登っているので今回はパスだ。僅かに雨が降っているが、雲が薄くなってきたようで日光の赤外線を感じるようになり、この先はゴアの上着は脱いでTシャツで歩こう。傘があるのでゴアは着ていなくても大丈夫だ。ただし、樺ノ丘から殿城山までの尾根は笹が被っているだろうからゴアのズボンは履いたままだ。
車山の案内標識に従って進む | 姫木平分岐。背景は車山 |
なだらかに下り、蝶々深山を東を掠めて最低鞍部を通過し、緩やかに登ったところが殿城山へと分岐する尾根で、地形図でも道が無いので藪漕ぎかと思ったら意外にも「姫木平」の案内標識と登山道が分岐しているではないか! 姫木平がどこにあるのか地図を見ないと分からないが、尾根上に道がある限りは登山道を利用させてもらおう。
殿城山への尾根を下る | 明瞭な登山道が続く |
姫木平への道を離れる | 殿城山山頂 |
いつ登山道が尾根から外れるかと考えながら下っていくが、明瞭な道はずっと尾根上に続いていた。さすがに少しは笹が被っているが、道が無いのと比較すれば天国だ。少し下ると久しぶりの樹林帯に突入、鞍部付近で再び草原となり、登り返しも草原の尾根だった。ピーク直下で標識があり、姫木平は右に巻いて下っており、直進方向にはちゃんと殿城山の案内があった。な〜んだ、ちゃんと山頂まで登山道があったのか。少し薄くなるが藪も無く簡単にピークに到着、しっかりと山頂標識が立っており、これ以上先に行かないように「この先行き止まり」の標識も立っていた。残念ながら周囲はガスって展望は無いが、このピークは僅かに樹林に囲まれて晴れていても展望はないだろう。
樺ノ丘を下る | 鞍部の車山乗越 |
蝶々深山へ向かう | 蝶々深山山頂 |
同じ道を登り返し、そこが樺ノ岡山頂かと思ったが、実際はその南のピークが山頂だった。まあ、現場の感じではどちらも変わらない高さだし、そもそもなだらか過ぎてどこがピークなのか良くわからない場所であった。山頂から先は下りとなり、鞍部には車山乗越の標識が立っており、右に折れて蝶々深山を目指す。山頂はガスに覆われてしまっているが、雨が降っていないだけマシだろう。かなり太い道を緩やかに下り、車山肩への分岐を過ぎ、沢渡(まさか「さわんど」じゃないよなぁ)分岐を過ぎると登りにかかる。広い遊歩道を登りきると石がゴロゴロした広く平坦な蝶々深山に到着、山頂標識は倒れて地面に置かれていた。なだらか過ぎて山頂標識が無いと山頂っぽくないような場所だった。
蝶々深山を下った鞍部付近から見た山彦ノ南ノ耳 | 踏跡へと入る。かなり薄い |
尾根を巻くように踏跡は続く | 谷が近づくとかなり薄くなる |
下りは八島湿原南側縁を回っていこうと考えたので、物見石には登らず途中の鞍部で左に入って沢渡を目指す。それらしい場所に案内標識が立っていたのだが、エアリアマップでは赤実線になっている沢渡方面は踏跡程度でしかなく、本当にこれでいいのか心配になるような道だった。しかも鞍部から少し北に上がったところから分岐していた。まあ、最悪は途中で道が消えても低い笹なので大した藪漕ぎにはならないのでそのまま入っていくと、西の小ピークへと上がっていくではないか。これはおかしいと思い、途中で左に折れるこれまた細い踏跡に進路変更、消え入りそうな頼りない踏跡(それとも獣道?)だが、意外にも同じような濃さのまま続いている。エアリアマップの赤実線は谷に沿って書いてあるが、ここから見る限りではそのような道は存在しなかった。
谷を突っ切る | 人家の道に出た |
谷が近づいてくると踏跡が怪しくなり、谷の向こう側に人家が見えたのでそちらの方に進路変更、下草のない緩斜面を下り、細い流れを跨いで登ると人家への取り付け道に出た。実際は人家ではなく別荘?のようで人気は感じられなかったが、少し下った対岸の建物は車が止まっていて人家のようだった。
舗装された車道に出ると案内看板あり | 林道を歩く |
林道を離れ旧御射山へと下る | 湿原南を歩く |
舗装道路に出ると今度は八島湿原を目指して道路を登り、峠を越えてダートの林道を歩き始める。エアリアマップによるとこのまま直進すると湿原北側に出てしまうのでどこかで左に曲がる必要がある。やがて左手の谷に建物が見え、そこへと下るらしい道が分岐していたが、そこの標識は文字が消えて判別不能だった。まあ、これなら間違いないと分岐に入り下っていくと、ちゃんと建物の前に出ることができた。ここから再び林道となるが、どうやらこれは湿原北側の林道とつながっているようで、途中の分岐で左の木道に乗り換える。やがて八島湿原の南の縁を回るように歩き、予定通りのコースだったことが確認できた。いつの間にか雲が降りてきて湿原は霧に覆われて見えなくなっていた。少し登ると八島園地に到着、とりあえず本日第1弾の行程は歩き終わった。
所要時間
5:16駐車場−−5:19八島園地−−5:58男女倉山−−6:18大笹峰分岐−−6:27大笹峰−−6:40山彦ノ北ノ耳−−6:52山彦ノ南ノ耳−−7:15殿城山分岐−−7:30殿城山7:32−−7:49殿城山分岐−−7:54樺ノ丘−−7:58車山乗越−−8:08蝶々深山−−8:41沢渡−−8:52旧御射山−−9:11八島園地