阿寺山地(東濃) 井出ノ小路山
2008年11月23日
井出ノ小路谷沿いの林道 夕森山林道(北)入口 |
林道入口直後の車止め。施錠無し |
施錠されたゲート。バイクで脇すり抜け不能 |
山はガスに沈む。気持ちも沈む |
真弓峠方面分岐 | 真弓峠への林道は大きくカーブ |
夕森山林道(北)は直進 | 分岐のすぐ先にゲートあり |
2代目大ヒノキ入口 | 合体木。ヒノキとサワラがくっついた木とのこと |
伊勢神宮式年遷宮 伐採斧入れ式跡地 | 美林橋。車の轍はこの先で終了 |
真弓峠方面の林道の方が轍が濃いが、直進する道の状態が悪くなるわけでもない。まだ轍が続いているので昨日はこのまま井出ノ小路谷沿いの林道を入った車があったようだ。すぐ先にゲートがあるがこの先にも轍は続いていた。井出ノ小路橋で川を渡ると「出ノ小路の湯」なる看板がかかった東屋があったがさすがに温泉は無いよなぁ。この先のカーブで林道をショートカットして上部の林道に出る。この付近はまだ笹もなく檜樹林で適当に斜面を歩けた。次の美林橋を渡ったところで再び林道をショートカット、傾斜は急だが問題は無かった。次のカーブは絶壁に近くショートカットは不可能なのでそのまま素直に林道を歩いた。この付近から路面は雪に覆われるようになったが深さは足首より少し浅いくらいで昨日よりはずっとマシだった。しかし天候が徐々に悪化してとうとう雨が落ちてきてゴアの上を着ることに。この気温では上部は雪だろうなぁ。笹の上に半端な雪が乗った最悪状態かなぁ。今回は諦めて帰った方がいいかなぁ・・・・とマジで考えつつもまたここまで来るのは大変なので苦難覚悟で先に進むことにした。
美林橋を渡った先の斜面を登ってショートカット | 上部の林道に出る。この先は積雪 |
からさわ橋。完全にラッセル状態 | この堰堤を越えて谷を詰める |
最後にからさわ橋をラッセルで渡り、すぐ隣の堰堤がある枯れた小さな沢が県境稜線鞍部へと続く谷である。地形図の表記からイメージされる地形よりも谷がせまく傾斜が急なので本当にここなのかと疑って次の谷まで進んで地形を見たがこれは南に延びる急な谷なので目的の谷の一つ先に間違いなく、堰堤右岸を超えて谷に入る。すると大きな石がゴロゴロした谷が現れた。もちろん全面積雪に覆われ踏跡の有無は確認できないが時々テープが見られたので間違いないだろう。あとはこのまま延々と遡上すればいい。
堰堤を越えて林道を振り返る | 水がない沢を遡上 |
大きな石ゴロゴロが続く | お助けロープもあり |
水は無く歩きやすい所を拾っていけばいいのは助かるが、なにせ石がでかくてその上に雪が乗っているので、少しでも斜めの石面に足を乗せるとズルっと滑ってしまう。これが乾いている石なら摩擦が効いて登れるのだが・・・。しょうがないので段差が小さいところを選んで登っていく。石と石の隙間が雪に覆われているのも致命的で「落とし穴」に足を取られてコケること数え切れず。下手に落ちると足首をひねって動けなくなる可能性もあるので足の運びが慎重になりスピードがガクッと落ちた。笹が無いのはいいのだが雪が半端にある時期は適当でない。どうせなら穴に落ちないくらい雪が積もった時期とか残雪期もいいだろう。もちろん本来なら無雪期で涼しくなった秋が最高だろう。目印は適度にあり、1か所だけ雪が付いていると這い上がるのが面倒な石の段差もトラロープがぶら下がっており、それに体重をかけて登ることができた。もちろん巻けばいいのだが既に周囲は笹藪で谷筋以外は藪漕ぎだ。雪をかぶった笹藪に突入すると頭から雪を浴びることになるのでできれば避けたいところだ。
中央右側に赤テープがあるが見えるかな・・・ | まだまだゴロタ石の谷を登る |
徐々に谷が狭まってくる。ボケはレンズの水滴 | 倒木も出現 |
高度を上げると徐々に沢が狭くなって周囲の笹が徐々に接近してくる。途中で右手に開けた沢が分岐するが、上部は傾斜がきついし方角が明らかに異なるのでこのまま直進。雪で隠れた足元の障害物でコケながらの登りなのでズボンもかなり濡れてしまった。手袋はこのような事態を考えてウェットスーツの素材でできた製品を持ってきたので、濡れても冷たさを感じないのでコケたときに安心して雪に手をつけることができた(そのせいか腕が痛いが)。途中で沢が狭くなって雪が乗った笹や樹林のトンネルをくぐる個所があり、ここでゴアのズボンも履いて完全装備となって藪に突入するが、すぐに抜けて再び雪に覆われた石ゴロゴロの涸れ沢になった。この後も短い区間だけ藪に突入する個所が出てきたが基本的に涸れ沢が続き、時折倒木を潜って進んだ。徐々に谷が狭まり石が無くなって歩きやすくなるが両側から笹が張り出してくる。今はほんの少しだけ水が流れているが凍った部分は少なく、雪の上から踏みつけていれば滑ることはなく、今までの石の谷よりはずいぶん歩きやすかった。
登ってきた谷を振り返る | 両側から笹が迫る |
ここが笹無し地帯の終点 | 稜線までこんな状態が続き頭から雪を浴びながら笹を分ける |
谷を塞ぐ派手な倒木群は潜ったり乗り越えたりして突破、やがて谷はほとんど笹に覆われるようになり、トンネルのように屈んで通れるくらいのスペースしか笹が空いているところは無いが、雪が乗ったトンネルを這うように歩くのは頭上や背中まで雪を浴びながらとなるので、雪が乗った笹を手で押し分けながら進んでいくが、これでも頭から雪を浴びることになる。やっぱりこの雪の状態は最悪だった。デジカメを取り出して撮影するのも億劫な状態で、レンズに水滴が付着しても拭き取る気力もなく一部ボケてしまった。おまけに雪も降り出して踏んだり蹴ったりだ。さらに進むと地形はどうにか谷だが完全に笹に覆われた状態になり、へこんだ谷の部分を選んでなおも登る。この付近になると目印の密度が上がって数m毎に付けられており下りで迷う心配が薄いのは助かる。一部の目印は雪の下だがかなりの数は視認できた。既にガスの中に突入しており遠望は利かず、目印無しでは下山が難しい。
稜線直下で谷も消え目印を頼りに藪漕ぎ |
鞍部から井出ノ小路山。踏跡見当たらず |
鞍部から三角点方面を見る。寒さがわかる |
笹の海に目印が点在する |
半端な積雪で笹藪がやっかいになる | 山頂直下で樹林が濃くなり笹が薄くなる |
山頂一帯の檜樹林。葉の裏まで真っ白 | 井出ノ小路山山頂標識 |
ガスって先が見えず高度計の表示で残りの高度差を確認しながら進むのみ。笹の状態は同程度で激藪がないのは助かったが、尾根が広くてこのガスでは下りが心配だ。帰りは目印を見逃さないよう注意せねば。傾斜が緩むと濃い樹林帯に突入し急に笹が減って歩きやすくなった。どういうわけか檜が多く、まさかこんなところで植林はしないだろうから自然に生えたものだろうか。この標高だったら通常はシラビソだと思うが。その檜も真っ白だった。平坦になって最高点と思われる一帯に出て、どこかに山頂標識があるはずだと歩きまわるとありました、2つの標識がかかっていた。この天気にこの気温ではGPSの電源を入れて本当にここが山頂なのか確認する気力もなく、寒さで休憩する気分にもならずそそくさと下山を始めた。
下山はいきなり山頂直下でルートを失い、登ってきたところより西寄りに下ってしまったが目印皆無でたぶん左だろうとルート変更すると無事目印発見、それ以降は先をよく見て目印を確認しながら下った。これが視界が得られれば目印を参考にしなくても三角点峰を目指して下ればいいのだが。無事鞍部に到着して目印を頼りに右に下り、谷に入ってしまえば迷う要素は消えて安心して進める。しかし下りの方が登りより滑りやすく、石ゴロゴロ地帯になると滑りまくり、コケて膝や脛を石にぶつけることが多くなった。右膝は思い切り岩にぶつけて打撲の傷ができて今も痛い。
やっと谷を下りきって林道に出てから少し休憩。天候は回復してきて林道付近では日差しもあったが、これまでの雪まみれの藪こぎで体が冷え切ってしまい防寒着をめいっぱい着こんでも寒く、長時間休憩できずに歩きだした。滑りやすい足元や笹藪で歩行スピードが上がらず、運動密度は低かったので疲労は大して無かったのも休憩が短時間でも歩けた大きな要因だろう。帰り林道歩きは防寒着を着こんだままで歩いても体が温まらず、車に到着したら即エンジンをかけて暖機し、車の中で着替えて付知峡入口の「付知峡倉屋温泉 おんぽいの湯」に直行、のんびり湯に浸かって体を温めた。しかし風邪を引いてしまってその後2日間寝て過ごすことに・・・・。
所要時間
6:52ゲート−−7:22真弓峠方面分岐−−7:37井出ノ小路橋−−7:422代目大ヒノキ入口−−7:45合体木−−7:53伐採斧入れ式跡地−−8:07美林橋−−8:58からさわ橋−−9:00堰堤9:08−−9:53休憩10:08−−10:57谷が終わって笹地帯突入−−11:28鞍部−−11:56井出ノ小路山−−12:12鞍部−−13:07林道13:22−−13:53美林橋−−14:11井出ノ小路橋−−14:20真弓峠方面分岐−−14:45ゲート