男鹿山塊 鴫内山 2008年3月30日

 


 大佐飛山往復日帰り山行成功の翌日、今度は黒滝山から南西に派生する尾根上にある鴫内山(しぎうちやま かもうちやまではない)に登ることにした。これは大佐飛山の計画立案時に決めていたことで、標高差から考えて疲労が残る日でも登れるだろうとの判断からだ。例のごとく栃木藪山篤志家集団?が登っており記録も公開されているが、烏ヶ森の住人さんの記録を参考にして登ることにした。私が地形図を見た限りでは山頂東側をジグザグに登る林道から適当な尾根に取り付いて登るのが最短コースであり、最も労力が少ない。このルートは烏ヶ森も登っており送電線鉄塔がある尾根を下って周回しているが、私の場合は楽をして登るのが目的なので林道を車で入れるところまで入って同じ尾根を往復とした。

麓から見た鴫内山 尾根取り付きに使用した林道。ゲート無し

 

 巻川林道を進んで送電線巡視路入口を見送ると左斜めに分岐する未舗装の林道がある。入口には石碑があり記述と一致するので間違いないだろう。最初は荒れた路面だがやがてコンクリート舗装に変わり、再びダートになったところで深入りを避けて車を置いて寝た。翌朝は林道歩きからスタートだがショートカットできるところは植林帯を直線的に登って上の林道に出た。途中で車の出入りが極端に減る場所があり、その先は藪っぽくなっているので普通車はここまでだろう。ここまでもダート部分は若干ぬかるみがあるので4WD車が安全だろうが、林道分岐から歩いても大した労力ではないだろう。

尾根取り付き点 藪は無いが薄い踏跡(窪み)あり

 

 地形図で破線がある尾根は林道の直線区間が続いて大きく左カーブするところで、保安林の標識があった。尾根上には目印等は見当たらないが窪んだ踏跡が見られる。落葉した自然林で笹も無く簡単に登れそうだがいきなりの急傾斜で昨日の疲労が残る足には厳しい。僅かに残った雪は良く締まって沈まなかったので、登り始めてすぐにスノーシューをデポすることにした。こいつは4万円もする高価な代物(私のGPSより高い!)なので帰りに見失うことだけは避けなければならないので、念のためにGPSに場所を登録し目印を付けながら登っていくことにした。とにかく急で雪が付いていたらアイゼンが必要かもしれない。

標高約1000mで雪出現 雪出現と共に傾斜が緩む
でもまだ雪が続かない マンサクの花
振り向けば黒滝山 鴫内山も見えてきた
標高1100m地点 尾根が右に曲がり鴫内山が正面に

 

 標高1000mを越えると傾斜が緩んでくるが、同時に尾根が広がって残雪も見られるようになり下りはルートが分かりにくい場所だ。しかしここまで来ると赤テープが短い間隔で付けられており、自分で目印を付ける必要は無くなった。標高1130mまでは雪が消えた区間も多くなるが笹は低くて歩くのに支障は無く、稜線東の残雪ではなく雪が無い場所を歩いた。いっそう傾斜が緩むと尾根は緩やかに右に曲がり送電線巡視路がある尾根と合流したが、今まで歩いてきた尾根の方が主尾根のように見えるので帰りは心配ないだろう。逆に巡視路から上がってきた場合は下りは要注意だろう。ここより上部は雪に覆われていたので(といってもせいぜい深さ30cmくらいだが)踏跡があるか不明だが、赤テープ類があちらこちらに見られたのでそれなりの人数が登っていることが分かる。

標高1200mを越えると尾根が広がる 雪が消えた部分もある
密生した植林帯に突入 山頂直下は雪の急斜面

 

 少し傾斜が増すと尾根がバラけてルートが分からなくなるが、赤テープと昨日のものと思われる薄い足跡を頼りに直線的に登っていく。今までもそうだったが気温は0度で雪は良く締まってつぼ足でもほとんど沈まない。金曜夜の雪もここでは雨か湿った雪だったようで表面はクラストして昨日のようにラッセルもなく快適だ。日当たりが悪い植林地帯に入ると徐々に傾斜が増してきて、稜線に出る直前は急斜面なのでアイゼンを装着する。まあ、これだけ密度が高い樹林なら木に掴まりながら登れるだろうが、アイゼンを付けると足元を気にせず適当に歩けるので体力セーブになるし、帰りも気を使わなくていい。

なだらかな稜線に出る。残雪は僅か 鴫内山山頂。三角点は雪の下
少々破損した3D標識 昭和58年8月25日設置のMWV標識
鴫内山山頂から黒滝山方面を見る

 

 稜線に出ると緩やかな斜面に変わり、日当たりのいい自然林に変わって雪の量も減って稜線直上はところどころ地面が見えている。ルートを右に曲げて緩やかに登っていくと、ピークではなく斜面の途中に山頂標識があった。ここが本当に山頂なのか?と地形図を見たが、三角点の位置は緩やかな尾根上で顕著なピークではないし、念のためGPSのスイッチを入れて場所を確認したが間違いなかった。山頂一帯は数10cm程度の残雪で覆われ、東側は立った笹が出ているが他は雪の下で自由気ままに歩け、このまま黒滝山まで楽勝と思われた。山頂標識はMWVと山部さんの3D標識で、MWVの日付は黒滝山の前日だった。樹林に覆われているのであまり展望は良くないが、落葉樹なので隙間から高原山方面が見えた。

 帰りも同じルートを下り、無事にスノーシューを回収して車に戻った。


所要時間

5:34林道舗装終点−−5:47尾根取り付き−−7:15鴫内山7:32−−8:09林道−−8:16林道舗装終点

 

 

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