男鹿山塊 大佐飛山、黒滝山、百村山 2008年3月29日

 


 大佐飛山は長年の懸案であった。ずっと以前、まだ塩那林道が一般車通行可能だった時代(もちろんインターネットなど無い時代)に挑戦しようとしたことがあったが、あまりに荒れたダートで普通車では諦めざるを得ず、歩きだす前に撤退となった。その後、偵察がてらに日留賀岳に登ったときに間近に見たが、最低限でも1泊は必要であり後回しになっていた。もし登るとしたら残雪期に廃林道からひょうたん峠へ出て往復が最もオーソドックスだと判断したが、その後標高2000m台の山を優先的に登っていたので延々と後回しになったままだった。

 ところがここ数年で状況が一変した。インターネットの広がりで個人のHP開設も珍しく無くなり、今までは新ハイ等の雑誌が唯一の情報源だったマイナーな山の情報が入手可能になったのだ。個人の山行記録を雑誌に掲載するとなると敷居が高くて一般人ではほぼ不可能だと思うが、ネットは自分なりの表現で自由に発信できる。また、同じようなことをやっている人との横のつながりもできて、いっそう情報交換が進んで思いもしなかったような賑わいを見せることもある。今回の大佐飛山はその典型例だと思われ、ネットが無かったら間違いなく秘境中の秘境のままだっただろう。まあ、情報が広がってもルートの難しさ、コースの長さは変わりがなく万人が歩けるルートでは無いが、有用な情報の有無は確実な計画立案には不可欠であり、これも先人の挑戦の賜物だ。

 今回の計画も先人の貴重な情報あってこそである。その昔は足を踏み入れる人は稀だと思われていた黒滝山、百村山も、ネットで調べるといくつも記録を発見できるようになり、それどころか黒滝山経由で日帰りで大佐飛山まで往復している人が複数存在することもわかった。こうなるとひょうたん峠経由よりも黒滝山経由の方が実現性が高そうだ。記録によると黒滝山までは夏道さえあるようで、雪が消えていても問題無さそうだ。それに今だ3月で残雪期には早期で雪が締まっていない可能性が高く、この時期は日当たりが悪い北向き尾根ではなく南向きの尾根を選択した方が雪が締まっている確率は高い。そのようなもろもろの理由で百村山から大佐飛山を往復することにした。

 ただし、この時期に日帰り往復を成功できるかは雪質に大きく左右される。締まっていない可能性が高いので重いがスノーシューを持っていくことにしたが、気になるのは金曜日に下界で降った雨である。寒冷前線通過に伴う雨で、上空は寒気が入って標高が高い山では雪になっただろうが、どのくらいの標高から雪になったのか、積雪量はどれくらいかさっぱり予想できない。ラッセルがきついと今回のような標高差はそれほどではなくともアップダウンがあるロングコースは、帰りに必要な体力も温存しないといけない。成功するか分からないがとにかく時間を見ながら行けるところまで行ってみることにする。参考にDJFが今年2月に挑戦して撤退した記録と、烏ヶ森さんの日帰り往復記録をプリントアウトして持っていくことにする。最近は私が考えている山はことごとくDJFが先に挑戦しており、先週末も大佐飛山の前は四万温泉の山も考えたくらいだ。

 金曜夕方に東京を出発、西那須野塩原ICで降りて百村を目指す。イヤらしいことに百村に近づくと雪混じりの雨が降り始めた。一時的に冬型の気圧配置になって男鹿山塊は雪雲の中で吹雪いているようだ。他の県道30号線(那須横断道路)に入って板室の案内で左に入る。「ニューこめや」の看板を探しながら走ると右手に発見、向かいには細い舗装路が斜めに入っている。しばらく道なりに進んで左に曲がれるポイントを探していると舗装された道が左に分かれ、木の俣林道林道起点の標識もありすぐにわかった。ただ、5km先でがけ崩れで通行不能との案内があり、取り付き予定地点の「ブラブラ梯子」まで入れるのか分からない。まあ、地形図からして5kmもあればたとえ歩いても大した距離ではなく問題にならないと判断し進んでいく。しばらくして工事現場があり、もしかしたらここが崩壊箇所かと思ったが通行可能で、工事現場のすぐ先に「黒滝山登山口」の標識がある立派な梯子があった。夜中で暗闇だったのでわからなかったが、ここが送電線直下を通過する地点で「ブラブラ梯子」だったのだ。まさかこんなマイナーな山に標識など付いているとは予想だにしなかったし、もし標識があるとしたら百村集落の神社から登ってくる破線だろうと判断、まだ先だろうと進み、さらに1個のまともな階段を通過して2つ目の梯子を「ブラブラ梯子」だと勘違いした。実際はブラブラしていないが近年はしっかり固定されたとのことだったし。梯子上部には何やら小さな標識も見えたので間違いなしと思ったし、GPSで確認すると百村山まで300m強と出た。駐車場は無いが道幅が広いので路肩で問題なし。先週の烏帽子岳の状況からして林道周辺に残雪はないと予想していたがその通りだった。雪が降りしきる中仮眠したが、これでどれほど新雪が降り積もるだろうか。

ブラブラ梯子からさらに2つ奥の梯子から登った 梯子上部の標識。「歩道開設」の文字がある

 

 ロングコースなので翌朝は暗いうちに起床して飯を食べ、日の出の時刻に出発した。この付近の天候は回復して雪は止んでいるが周囲はうっすらと雪化粧しており、まだ強風は吹き荒れている。この稜線は樹林が続くだろうから強風の影響はあまり心配しなくていいのは助かる。しかし雪質はどうなるか出たとこ勝負だ。スノーシューをザックにくくりつけ、アイゼンは6本爪の軽アイゼンとし、念のためにピッケルを持っていく。

薄い踏跡が続くがそのうち消失 尾根をまっすぐ登る
上部は植林帯 このピークで百村山の稜線に出る
稜線上には古い足跡と真新しい足跡あり 空き缶標識が続く
大ブナのカタクリ群生地 小規模ながら雪庇出現

 

 梯子を登ると消えかけた文字で「歩道開設」とあるではないか! ここから百村山への歩道ができるのだろうか。これでルートの心配は無いと思ったのだが、どうも踏跡が薄く、何回かジグザグったら落ち葉の中に溶け込んで消えてしまった。幸い、この尾根は明瞭で藪も皆無でどこでも自由に歩けるのでひたすら尾根直上を上がっていく。自然林から植林帯になり、さらに登ると再び自然林に変貌し、傾斜が緩むと稜線に出た。ここで真新しい複数の足跡を発見、正しい尾根に乗ったことが確定した。これは間違いなく今朝付けられた足跡で、この時間だから大佐飛山目指して歩いているのだろう。まさか他に人があるとは予想していなかったので驚きだった。新雪はほとんど積もっておらず、残雪があるが朝方で冷え込んで登山靴のままでも全く沈まず、この状態が大佐飛山まで続いていれば楽勝だろう。先行する足跡もほとんど踏み抜いた形跡は無く、少なくとも2名はいるようで、どのくらい先行しているのかは足跡からは判断できないが、見ず知らずの他人でも同じコースを歩いている人がいることが分かったときの安心感は大きい。もし雪の状態が悪い場合はみんなで先頭を交代しながらラッセルもできるなぁなんて考えてみる。カタクリの自生地らしきトラロープ地帯があったがまだ雪の下だった。大きなブナの隣の小降りのブナに「大ブナ」の看板がついており、それによると黒滝山まで約3kmだった。空き缶をバラして作った目印が点々と続いていた。


百村山に出ないまま三石山到着 強風ながらまだこの付近は青空だった

 

 数100mの距離のはずが思ったより長く歩いてもいっこうに百村山山頂に到着しない。GPSで位置確認すればいいのだが、少なくても間違ったルートを歩いているわけではないのでそのまま歩く。尾根が左に屈曲するとことに山頂標識があり、ここが百村山かと思ったら「三石山 1257m」と書かれている。あれ? いつの間にか百村山を通り越してしまったらしい。気付かないような山頂標識しかないとも思えず、私が登った尾根は計画していた尾根ではなくもっと先の尾根だったようだ。まあ、大佐飛山により近い場所から登ったのだから文句は無いが、百村山山頂は踏んでいないので帰りに立ち寄る必要はある。

サル山で西那須野の人を追い越す

 三石山を過ぎると徐々に雪庇が現れるようになり残雪期の山らしくなってくると同時に、場所によっては新雪が吹溜まってラッセル状態の区間もあるが、先行者の足跡があるので楽々通過、先行者の踏み抜いた場所も避けられるので後続部隊は楽ができる。風は強いがまだこの辺りは雪雲から外れており、上空は春の空ではなく深く真っ青な冬の青空だった。さて、これが大佐飛山まで続いているといいのだが。ダケカンバ中心の明るい尾根を登っていくと1467m峰(サル山)に到着、ここで先行者の1名が休憩中で追い越す。後で分かったことだが西那須野の人で、もちろん大佐飛山往復の予定だそうだ。さすがこの時期にこんな山にこんな時間で入るのは単独行の人が多いらしい。


 

山藤山(1588m峰) 山藤山付近から見た鴫内山の尾根
急な登り直下でよっちゃんさんを追い越す

 

 少し下って同じような植生が続く尾根を登り続けると1588m峰(山藤山)を通過、緩く下るといよいよ黒滝山への最後の急な尾根が待っている。地形図を見た限りではここのみアイゼンが必要かもしれないと予想していたが、はたしてどうだろうか。まださほど傾斜がない雪庇の尾根で休んでいる人影を発見、これが本日先頭の人らしい(と思った)。登っていって挨拶を交わそうとするが、ここへきてつぼ足だと潜るようになりスピードが落ち、ここでスノーシューを装着することにして私も一時停止。ここで出合ったのは「中高年の山登りと温泉」の「よっちゃん」さんで、帰宅後ネットで調べて分かったことだが、たぶん一番多くこの尾根を歩いている人で、各ピークにかかっている大ぶりの山頂標識を整備した人だった。山部さんの3D標識より倍以上大きそうで持ち上げるのは大変だったろう。

そろそろ急傾斜区間が終わる やっと傾斜が緩む

 

 まっさらの雪原と思ったらまだ先行者の真新しいワカンの跡が伸びている。スノーシューを履くと踏み抜きは皆無となり、クラスとした雪面を捉えて快調に高度を稼ぐ。私のスノーシューは周囲のフレーム全体に歯が付いているので、このような雪面ではグリップは非常によく、足元が崩れることもないし、山スキーのように踵を上げることができるのでアイゼン歩行より楽である。昨日の新雪が吹き溜まってラッセル状態のところもあり、できるだけクラストしていそうな部分を選んで高度を上げる。こういうときに先行者のトレースはどこが踏み抜くかを雄弁に物語っていて体力セーブに大いに貢献してくれた。

黒滝山への登り。強風+新雪で先行者のトレースが消えかけている まもなく黒滝山。右手の樹林中を進んだ

 

 雪庇を避けて右から回り込んで1700m峰(河下山)を通過、先行者のトレースは雪庇根元のふかふかの新雪を避けて右手の低い樹林帯を縫うように進んでいく。このルート取りがまことに見事で、木の間をすり抜けやすいところを的確につないでおり、かなり藪に手慣れた人だと判断できる。上空は晴れているが風が強く半分地吹雪状態で飛ばされた雪が顔に当たって痛いくらいだが、基本的には樹林が遮ってくれるので耐風姿勢をとる必要はなく、行動に支障はなかった。問題はこれから先の領域で雪雲に突っ込むかどうかだが、樹林に邪魔されて大佐飛山が晴れているのか見ることができない。もっとも、この雪質でここまで来れば、この後が悪天候でも大佐飛山を往復する腹でいたが。

黒滝山山頂 三角点が頭を出していた

 

 雪庇の発達したなだらかな稜線を西に進むと複数の標識がかかった黒滝山に到着、ここまで休憩なしだったので一休み。風を避けるように雪をかぶったシラビソの南側に陣取って日向ぼっこだ。眼下には那須の台地が広がり、彼方には筑波山が見えている。今の時期の筑波山は花粉がひどくて私には登れない世界だろう。右手の鴫内山への稜線は白く、この時期なら簡単に歩けそうで本当なら帰りはこっちの尾根を下って鴫内山から林道に下るのがいいが、帰りの残存体力が不明であり、林道の登り返しを考えると二の足を踏む選択だ。明日もお休みなので、今日は素直にもと来た道を戻って明日早朝から鴫内山を往復するのもいいだろう。

目印を頼りに西村山目指して下る 先人とは違って右の尾根を登った
新雪が深くなる 西村山山頂。まだ晴れのエリア

 

 さあ、いよいよ核心部へと足を踏み入れる。黒滝山までがコースの約半分で、この先は標高差は無いがアップダウンがあって帰りも苦労するルートである。先行者の足跡と赤テープを頼りになだらかな地形を下り、細い谷に下って「対岸」に渡るが2重山稜となりルートがはっきりしない。先行者は左の稜線に取り付いたようだが、地形図を見るとどちらを登っても1775m峰(西村山)に到着するので、目印が多そうな右の尾根に取り付いた。深いシラビソの樹林が続いて先の地形が見通せないが、方向さえ間違わなければ問題なかろう。この辺まで来ると新雪が深くなってスノーシューでも足首くらいまで潜り、先行者のトレースのありがたみが実感できた。高度を上げて雪庇が出てくるようになると平坦部になり、西の端に山頂標識があり、先行者の足跡と合流した。

ガスが半分かかった大長山 西村山を振り返る

 

 樹林をなだらかに下ると尾根東側に雪庇が続くようになり視界が開けるが、前方の大長山は雲から出ているがその先はガスに覆われて大佐飛山の姿は見えない。雪庇は細かく波打っていて歩きでもスキーでも苦労しそうで、先行者は樹林と雪庇の境界線を歩いていた。樹林の中は締まって歩きやすい部分が多いのだが、この稜線は強風の影響か木の高さが低く、樹林に入るとかがめて歩かないと頭から雪をかぶってしまう。かといって雪庇は吹き溜まってスノーシューでも潜って体力を搾り取られる。悩ましい選択だ。1箇所で先行の人がハマったと思われる1m近い深い落とし穴があり、見るからに脱出に苦労しそうな深さだった。例のごとく底にはシラビソの葉っぱが見えており、幼木の上に積もった雪のトラップだった。下山時に話を聞いたら落ちたときに足を痛めたとのことで、たぶんこれがその現場だろう。私は足跡を見て踏み抜くところを避けて歩けたので被害は最小限で済んだ。でかいスノーシューで幼木の落とし穴に落ちたらワカンより脱出が困難になるし、下手をすればスノーシューが壊れるかもしれない。

 

樹林帯は葉の上にも新雪が付着している 大長山山頂

 

 どこが最低鞍部なのかよくわからないまま緩やかに登り始め、最初のピークに大長山の山頂標識があった。MWVの標識があり日付を見ると8月下旬のクソ暑いさなかではないか。昭和世代の大学ワンゲル部はこうであったが、今時の日付のワンゲル標識は見たことがない。「絶滅危惧種」どころか既に絶滅してしまったかも??

 

とうとう雪雲の中に突入 木々は新雪をかぶって真っ白

 

 いつのまにか周囲はガスに覆われて吹雪模様になっていた。周囲の様子が見えないので「有視界飛行」が効かず、あちこちにエビの尻尾ができて目印も隠され、このようななだらかな地形はルートファインディングが難しい。1850m峰では先行者が右手の尾根に引き込まれそうになり、僅かにそちらに向かってからルート修正していたので地形図で確認し、方位磁石で正しい方向を確認して修正後の足跡が正しい稜線に乗ったことを知る。この視界で僅かな時間のミスだけで気付くとはやはりタダモノではないな。次のピークはなだらかでどこがピークなのか分からない。なおもなだらかな雪庇の稜線が続き1800m鞍部を通過、1813m峰の先で誤って北東の1810m峰への尾根に引き込まれてしまったが、先行者の足跡が無くなったこと、磁石で進行方向を確認したら東に進んでいたことで気付き、逆戻りして無事に正しい尾根に乗るとちゃんと目印が出てきた。よかったぁ。

先行者の足跡が続く あと少しで大佐飛山

 

 大佐飛山まで残すところ僅かで、相変わらず続くなだらかな稜線を少しずつ高度を上げていく。ガスと雪で視界は全く無く周囲の山々が見えないのが重ね重ね残念だが、新雪をまとった真っ白なシラビソ樹林はこんな天気でないと拝めないだろう。厳冬期にこのクラスの山に登ったことは無いが、まさに真冬の風景だ。もう少しで山頂(GPSによると山頂まで160m)というところで先頭の若い単独行男性(宇都宮のkkさん)が下ってきた。とうとう最後まで追いつくことはできなかったか。ヘッドライトが不要なギリギリの明るさで歩きだしたとのことで、私より30分程度出発が早かったようで、ラッセルだったのに歩行スピードは私とほとんど変わらないことになる。先頭で延々とラッセルしてもらったことへのお礼の言葉は忘れない。本当にご苦労様。帰りに登りになるところは私が歩幅を狭くしたトレースを付けたので、少しは楽に登れるかな。

大佐飛山山頂 3D標識は雪に埋まっていた
ひょうたん峠方面。足跡無し 登ってきた方面

 

 いよいよ最後の緩い登りを登りきるとなだらかな場所に出た。栃木の山紀行と今までよく見かけた大きな山頂標識の2種類があり、待望の大佐飛山山頂だった。以前はKUMOがあったはずだが、だいぶ前に「駆除」されてしまったことは聞いていた。しかし山部さんの標識はあるはずで、周囲を探してみると雪面ギリギリに黒い針金の束が見えたので引っ張ってみると、雪に埋もれた3D標識が飛び出した。ということは山部さんが登った時より1mくらい雪が深いということか。今年の残雪は多いのか少ないのか分からないが、時期が早いのは確かなので多くて当然か。ただ、今年の春の気温は高めなので雪解けは早いかもしれない。足跡は先ほどのkkさんのものだけでひょうたん峠方面からは無かった。ま、この新雪では古いトレースがあったとしても埋もれているだろうが。相変わらず吹雪が続き視界も無く展望皆無なのは残念だった。気温が−5度前後の中を30分間待ったが、一瞬太陽がうっすらと顔を出す場面はあっても天候が回復する気配は無かった。

黒滝山から鴫内山への尾根を見る すれ違った3人パーティー
なだらかな百村山山頂 百村山山頂標識はこれだけ

 

 下山開始直後、最初に追い越した西那須野の人と次に追い越したよっちゃんさんと交差した。もう山頂は目の前であり、この時間なら暗くなる前に下山できるのは間違いないだろう。あとは休憩中に天候が回復するかどうかだ。2人の足跡が加わって帰りのトレースははっきりしていたので迷う心配も無く順調に足を進め、大長山に到着する頃には雲から抜け出して吹雪も止み日差しが出てきて生きた心地に帰った。振り返ると今だ大佐飛山はガスの中で、下山して下界から眺めてもやっぱり雲の中だったので1日中ずっと吹雪いていたようだ。黒滝山で休憩し、山藤山の急な下りで3人パーティーとすれ違う。この時間だから途中で幕営して明日に大佐飛山の山頂を踏む予定なのだろう。明日は朝のうちは好天が期待できるかもしれないな。どんどん下って雪が消えた区間が多くなってきたが、登りで稜線に出たところまで雪があったはずなので百村山手前までスノーシューを履いていくことにしたが、やっぱり邪魔だった。百村山手前でkkさんを追い越し、登ってきた分岐ピークで荷物をデポして百村山を往復、3D標識は見当たらず三角点がぽつんとあるだけだった。その帰りにkkさんと30分近く立ち話。引き止めてしまってごめんなさい。行動中に快適な体温になるような薄着だったので、私は風邪を引いてしまった・・・。

 デポした荷物を背負って登りで使った尾根を一直線に下り林道に出た。


所要時間
5:25林道−−5:51稜線−−6:10三石山−−6:46サル山−−7:15山藤山−−7:55黒滝山8:10−−8:27西村山−−9:15大長山−−10:33大佐飛山11:05−−12:04大長山−−12:40西村山−−13:04黒滝山13:15−−13:40山藤山−−14:02サル山−−14:22三石山−−14:38登ってきた尾根分岐−−14:42百村山14:45−(約30分間kkさんと立ち話)−15:17登ってきた尾根分岐−−15:26林道

 

 

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