前日光 羽賀場山 2007年3月3日

 


 羽賀場山は地形図に山名の記載は無いが1等三角点の山で日本山名事典に記載がある。以前から気にはなっていたがいつでも登れそうな場所なので具体的に調査したことは無く、前日光辺りにあるというだけで具体的場所や標高も知らなかった。仕事が押し迫って週末は1日だけしか休みが取れず、日帰りならばあまり遠くに行っても交通費がもったいないので近場をと考えたときに栃木中部が候補に入った。山梨南部とどちらにするか悩んだが南部は花粉が多いとの予報で北関東に決定、今回も動向のMさんは三角点ヲタクであり羽賀場山は最適と考えて登ることにした。たぶん時間が余るのであとは周囲の適当の適当な山に登って帰るか。

 羽賀場山の最寄の高速ICは鹿沼で、ここは浦和起点で100kmを僅かに切る距離に位置するのでETCの深夜早朝割引や通勤割引が適用になるのがうれしい。今回は仕事の関係で残業してからの出発となったので鹿沼ICがPM10:00以降の通行となり割引となった。鹿沼で降りるのは久しぶりで、およそ半年前が最後だろうか。前回は日光を目指したが今回は鹿沼市街を通り抜けて古峰ヶ原へ向かうコースだ。時々ロードマップを見ながら市街地を通過、記憶がある変形交差点を右折してあとは一本道、そろそろ登山口のお寺近くになって地形図で道路の曲がり具合や地形を確認し、もう少し先で右斜めに入る道にお寺の標識を発見、登山口の標識は無いが間違いないだろう。細い路地のような道を抜けると拡幅工事中のダートを通過、その上にお寺があり、羽賀場山の標識もあって一安心だ。ただ、標識がどの方向を示しているのかはよくわからず、明るくなってから探すことにした。

登山口は赤い屋根の物置前を通過した場所 羽賀場山登山口

 

 翌朝、出発の準備をしているとお寺の住職が現れたので挨拶をして羽賀場山へ行くことを話すと登山道はあっちだと杉木立へ入る踏跡を教えてくれた。明るい時間に標識を見ても駐車場からまっすぐ伸びる舗装された車道を指しているように見えるのだが、実際は住居兼お寺の自家用車置き場を突っ切った奥に登山道が伸びていた。今の標識の設置場所はあまりいいとはいえないようだ。駐車場でも一番手前に車を置いて欲しいとのことだったので出発前に車を動かした。気温は高めで窓の露が凍りつくこともなかった。

杉の植林帯を尾根目指して登っていく 尾根上も植林が続く

 

 羽賀場山はガイドブックに載るくらいなので登山道は明瞭で、目印も何箇所もあって夜に歩いても迷うことはなさそうだ。途中に案内標識が無いことだけが気になるが、道そのものはエアリアマップの赤実線クラスだ。最初は杉の植林帯で今の時期は花粉が多いのでマスクをして歩いたが、吸い込むときの抵抗はなかなかのものでマスクをしながらの登りは苦しかった。これじゃ花粉シーズンは山はお休みにするか、植林が無い高い山にした方がいいかな。でも高い山は雪があって今の時期では雪が締まってないから疲労するしなぁ。

巨大な送電鉄塔。電圧は500kV(50万ボルト) 安蘇から都賀への山並み

 

 尾根に乗っても植林帯は続き、進路は左に曲がる。帰りは尾根を直進してしまうのではと心配したがその尾根上は踏跡は無いので間違える心配はなかった。一応目印は多数付いているので分かるだろうし。尾根右手にブルドーザで造成したばかりの道が出てくるが普通車ではとても走れるような道ではなかった。その先で大きな送電鉄塔をくぐるが、碍子の数からして(26個)たぶん50万ボルトの幹線だろう。おそらくは福島の原発から首都圏へ送電するラインではなかろうか。このくらいの電圧になるとコロナ放電による損失も生じるため、各相の電線とも複数本を円筒状にまとめてある。鉄塔の高さは50mは超えているのでは。よくもまあこんな巨大なものを山の中に作ったものだ。そのおかげで我々も安心して電気を使えるわけだが。

まだ植林が続く もう1つ送電鉄塔を通過する

 

 送電鉄塔をもう1くぐり、さらに尾根上を登り続ける。時折自然林も混じり登山道に落ちた枯葉がよく踏まれているのを見ると、やはり歩く人はそこそこいるようだ。最近の山登りではよほどメジャーな山以外では山中で人に会うことはまずないが、今日はいるだろうか、などと考えていたらガサゴソと落ち葉を踏む獣の気配がしたので見てみると鹿のお尻の白い毛が見えた。人間より先に鹿に会うとはねぇ。こんなところまで鹿が出てくるとは、前日光でもかなり鹿が増殖したのだろうか。鹿の角も増殖している?

1カ所だけ奥日光の山並みが見える場所がある 良く踏まれた道が続く

 

 やがて右から尾根が合流、久しぶりの案内標識(手製)があって山頂は左となっている。唯一ここだけが日光の山々が見える場所で、霞んでしまってはいたが女峰山から男体山くらいまではどうにか見えていた。雪が少ないと言われているが女峰は外見的には例年の白さと変わらないような気がした。

羽賀場山山頂が見えてきた 羽賀場山。地形図記載の山ではないが標識は多かった

 

 まだ横移動があって最後にぐっと登ると突如として山頂に飛び出した。地形図に名前が記載されていない山としては思ったより山頂標識が多く賑やかで、訪れる人が多いことを物語っている。周囲は樹林に覆われて視界がないのは残念だが、この地域でこの標高だから伐採しない限りはこれが自然な姿だろう。Mさんも無事到着し、三角点の写真を撮影して次なる山を目指して下山を開始、少し下ると単独の男性が上がってきた。他にハイカーに会った山なんて今年に入って先週の男体山以来2山目かなぁ。といってもこの後登った山を含めて本日会ったのはこの1人だった。

 


所要時間
 登山口−0:24−最初の送電鉄塔−0:24−2つめの送電鉄塔−0:24−羽賀場山−0:54−登山口

 

 

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