茨城北部 鍋足山 2007年2月24日
鍋足山は観音山、花立山等の大子町東端の尾根上に位置し、山渓の分県ガイドによると北側の猪ノ鼻峠や東側の大中宿から登山道があるらしい。ただ、そのガイド記事によると猪ノ鼻峠からのルートは踏跡が薄く、三角点峰から鍋足山までの稜線は痩せた岩稜帯も出てきて要注意との記述がある。個人が掲載したネットの山行記録ではなく市販のガイドブックだから安全に関しては初心者レベルの視点で書かれていると思うので、おそらくは私が見た印象より危険度が高い印象を与えるような表現になっていると思うので、実際に行ってみるとそうでもないだろう。私一人なら最短コースで行くのだが、同行のMさんは膝の痛みがあってあまり変なコースではきついし、そもそもMさんは三角点訪問が主目的なので、危険地帯が通過できずに三角点に行けなかったら申し訳ないので、三角点峰に最短コースとなる猪ノ鼻峠から登ることにした。私は鍋足山山頂まで足を伸ばすので時間がかかり帰りは別行動となる可能性が高いが、もしルートが薄くても行きは私が先導するので迷うことは無いだろうし、帰りは同じコースを戻るので単独でも問題ないだろう。
猪ノ鼻峠駐車場 | 鍋足山登山口 |
県道を走って猪ノ鼻峠へ上がると大子町側にトイレ付きの立派な駐車場があり、南側の稜線には鍋足山の案内標識までついた登山口があった。どうもガイドブックが古すぎたようで、踏跡が薄いどころか今ではまともな登山道に変貌していた。それに危険箇所があったらわざわざ鍋足山とは書かないだろうから山頂まで心配することはなさそうだ。
ガイドブックと違っていい道だった | 植林帯を歩く |
自然林が主になる | フィックスロープ付きの礫岩の斜面 |
杉の植林帯を登ると緩やかなアップダウンでいくつかの小ピークを超えていく。作業道等の分岐がある箇所には標識があったり登山道以外の入口が塞がれていたりとハイカーが道に迷わないように整備されていた。5万図では細かい地形までは読めないのでいくつピークを超えた先が三角点峰なのか分からず、おまけに三角点峰はGPSに緯度経度を入れていないのでGPSは使えないから、出てくるピーク全てで三角点が無いかよく探した。ただし1箇所だけ下りの標高差が大きく、目の前にあるピークは今までよりずっと高いので三角点峰に見えるのだが登りきったピークには三角点はなく、2つくらい先にある最も高いピークに三角点があった。登りきって三角点峰に続く一連のピークのうち最初のピークの下りで礫岩の斜面が出てきてロープがあるが、でこぼこが大きいのでそのまま出っ張りに手足をかけて下ることができた。この先もこれに似た斜面が出てくるが一番傾斜があるのはここで他はもっと簡単だったし、張ってあるロープを使う必要は無かった。
ニコン D70で撮影した日光連山(設定ミスで約300万画素で撮影、ピクセル等倍) |
キャノン PowerShotA710ISで撮影した日光連山(上記写真と同縮尺になるよう解像度を調整) |
岩の稜線は両側に樹林が無いので展望もよく、白く雪をかぶった那須連山、大佐飛山を中心とした塩原の山々、そしてちょっとだけ白い高原山、一番左には男体山、女峰山を中心とした奥日光の山々だ。かなりコントラストが薄いので性能比較用にコンパクトデジカメと借り物の一眼レフデジカメで撮影した。結果としては大差なかったのは意外だったが、測光方式の設定や一眼レフの解像度がおもいっきり低かったりしたので真の比較にはならなかったかもしれない。次回のお楽しみだ。
三角点峰 | 三角点峰から見た鍋足山 |
再び大きく下る直前の最高峰が三角点ピークで、その先にもいくつかのピークが見えるが地形図を見る限りでは一番左の最も遠いピークが鍋足山山頂だろう。なるほど、ガイドブックに書かれているように尖ったピークが連なり、そのうち一つは明らかに切れ落ちた岩壁を持ち、いくらなんでもあれを登ることはないよなぁと考える。正直に稜線を歩かなくても巻けばいいはずだ。Mさんが到着するのを待って出発した。Mさんは山頂まで行くかどうかは考えるとのことだが、目的地は三角点だから山頂まで来なくても問題なし。
フィックスロープがあるが無くても下れる |
この岩は左下を巻く |
岩を巻いてから登り返す | もうすぐ鍋足山山頂 |
再び下っていくつかピークを超えて緩やかに尾根を下ると問題の岩壁が現れた。さてどんなルートを取るのかと思ったら尾根を降りて左側を大きく巻いていた。標高差で2,30mくらい下るので登り返しもまとまった高さになる。北向きの斜面を冷たい北風を受けながら登り、再び稜線に出ると小ピークは南側から巻いて一登りで鍋足山山頂に飛び出した。ここも岩っぽい山頂だがそこそこ広くなっているので危険はなく、展望がいいのはありがたい。北側には三角点峰が聳え、そこに至るギザギザの尾根が低い。四方とも延々と山並みが続き、筑波山はこの方向から見ると双耳峰ではなくなってしまうのでイマイチ特長が無い。
鍋足山山頂 | 鍋足山山頂から見た三角点峰 |
鍋足山山頂から見た三鈷室山 |
ここへ来て私の戻りが遅かったら先に帰るようMさんに言っておけばよかったと気づいたが、スペアキーは渡してあるので寒ければ先に戻るだろうな。気温は4度に届かないので冷蔵庫の中だ。体を動かしている間はTシャツでもいいが、風があるのであっという間に体が冷えるので早々に退散した。三角点峰にはMさんはおらず無事に先に出発したようだ。ピーク群を超えて駐車場に戻るころには時刻は夕方に向かっていた。
所要時間
猪ノ鼻峠−0:50−三角点−0:30−鍋足山−0:30−三角点−0:30−猪ノ鼻峠