房総半島 城山(白浜) 2007年2月11日
千葉県は大塚山も多いが城山も何個かあり、房総半島先端の白浜にある城山が最南端である。その昔城があったかどうか知らないが海岸から最初に立ち上がった階段状の山並みが城山のてっぺんである。地形図では西側の峠を破線が乗り越えているが山頂までの稜線に道は描かれていないものの、例のごとく深い照葉樹林に覆われて下草が無い歩きやすい植生が続くと予想した。特に城山のような海岸に近い場所では潮風のせいか照葉樹の純林である可能性が高い。階段状の下から登るより距離が多少増えても上段から登ったほうが楽だと判断し、北西側の車道で一番接近できる場所まで車で行ってあとは歩くことにした。
この時期の白浜は既に花が満開で、まだ早朝なので客はいないが日中は賑わいそうだ。右に曲がる十字路は地形図どおり太い道ですぐに分かり、稜線を越える道も肉眼で確認できるので曲がるポイントはすぐに分かった。峠といっても大した高さではなく、乗り越えた北側はなだらかな高原状で城山方面には作業道らしき砂利道が何本か伸びているのでそれに乗り入れる。畑から自然林へと切り替わる境界付近は竹の覆いで日差しをさえぎられた植木畑で、その脇に車を止めた。竹薮だけ心配していたが、どうやらここは竹は無いらしく、山肌にはマテバシイが生い茂っていた。
植木畑から稜線を目指す | 左上の踏跡で稜線に乗る |
峠の切り通し。たぶん地形図の破線 | マテバシイの純林に道がある |
とりあえず南の稜線に向かい、稜線に乗ったら東に進んで山頂を目指すことにして南下する。畑の脇を通って稜線に出ると偶然にも地形図の破線が乗り越えるところで崖の切通しになっていた。これは人が削ったのだろうか、それとも自然の造形か。稜線上には意外にも明瞭な踏跡があり、暗い樹林帯を緩やかに登って行く。この付近はマテバシイの純林で昼なお暗くGPSの電波も遮られるが、まだ先の方が高いのでそのまま進む。
少しだけ樹林が開けて明るい場所で動物が落ち葉の上を歩く乾いた音がしたので、まさか千葉に熊はいないだろう?とビクビクしたらサルの群れだった。サルもこの暖かさなら餌の有無はともかく寒さでつらくないだろうな。こんなに人里近い場所なのに日光のサルと違って人馴れすることはなく逃げていったから、ちゃんと自活しているようだ。マテバシイやスダジイなどの照葉樹はミズナラやクヌギのようなドングリをたくさん実らせるので、それが餌になっているのかもしれない。ネットでちょこっと調べたが普通のドングリはアクがひどくて食べられた代物ではないが、シイの仲間のドングリはアクが無く生でも食べられるそうだ(うまいかどうかは別として)。
見事な照葉樹林 |
ここを登り切ると山頂 |
城山山頂。標識無し | 樹林の隙間から見た野島崎 |
再び深いマテバシイの樹林になり、一登りするとピークに到着、GPSの表示もここが山頂と示しているがこの先も同じような高さが続くのでもう少し歩いてみることにした。東側は僅かに下って立派な遊歩道が出てきた。その先で僅かに登ると開けた山頂らしい場所になったがGPSのお告げでは山頂は西側で行きすぎだった。まあ、城山は東西に長い稜線の山で顕著に高い場所は無いのでピンポイントで「ここが山頂」と呼べる場所もないか。GSPの示す山頂に戻るが山頂標識も目印も、そして展望も無いタダの通過点でしかなかった。誰か山頂標識をつけてやったほうがいいだろう。他に登る人がどれだけいるか不明だが。
所要時間
畑−0:13−城山−0:10−畑