房総半島 内浦山 2007年2月4日
内浦山は旧コンサイス山名辞典記載の山であり、地形図には山名が記載されていないので、緯度経度から場所を探さない限りはどのピークなのか判別できない山だった。カシミールで調べてみた結果、天津小湊町の県民の森内にある山だと分かった。県民の森内にある大風沢川をせき止めるダムの少し上流で川が二分するが、その沢に挟まれた稜線の最初のピークである。地形図には破線は描かれていないし、公園内とは言っても沢の対岸なので道は期待できそうに無く、どうやって向こう岸に渡るかがポイントとなりそうだ。ダムの堰堤を渡った場合、別の尾根に取り付いてしまうのでダメで、あとは上流に向かっていき渡渉できる場所を探すしかないだろう。
大塚山から降りて勝浦ダムを渡って裏口の北側から県民の森に入ったときには薄暗くなりはじめていたが、まだ周囲の様子が見える程度だった。公園の管理棟が集まった区画に案内図があったので見てみたが内浦山は書かれていなかった。林道を上流に向かうと左手に尾根が見えているが内浦山は見えているのだろうか。まずは内浦山への最短地点を探して渡渉できそうか確認が必要なので、GPSで内浦山の位置を見ながら車を走らせた。林道の途中で残距離が300mを切る場所があり南西を示し、さらに進むと徐々に距離が開いて南に位置するようになったが、これは行き過ぎだ。地形図と道の曲がり具合を照合するために管理棟まで戻って再び車を走らせると、地図を見るまでも無く沢に挟まれた顕著な尾根が手前に突き出しているので間違いなくそれが内浦山の尾根だ。沢を見下ろすとかなり深いが、ラッキーなことに地形図に描かれていないダムがその尾根との間の沢にできており、堰堤を辿れば尾根に取り付けるではないか。ダムに降りる道が分岐しており、それより少し上がったところで道幅が相当広いカーブがあったのでそこで車を置いて寝ることにした。今朝と同様、この夜も暖かかった。
林道から見た内浦山への尾根 | ダムに降りる道 |
このダムで対岸に渡る | ダム堰堤上 |
堰堤から尾根に取り付く | 藪からダム堰堤を見下ろす |
藪を抜けるとすっきりした尾根 | 照葉樹の自然林が続く |
翌朝も好天で朝飯を食べて元気に出発だ。早朝の冬の公園は無人でダムの堰堤を渡るには人目が無くてちょうどいい。立入禁止の立て看板はあったが柵で入れないようなことは無く、階段を上がって堰堤を渡り対岸の尾根に取り付いた。対岸部分の最初はコンクリート吹きつけされて手がかり足がかりが無く登りにくいが左から回り込んでクリアした。最初だけ藪っぽかったがすぐに照葉樹林帯に入り下草は無くなり快適に歩けるようになった。尾根上には岩が露出した箇所もあるが、アルプスのごつごつした感じの岩ではなく表面が滑らかな砂岩だと思われる。千葉の山は柔らかい岩盤でできているので標高が低い割には谷が深く削られていることが多い。山の向こうから朝日が登ってきて周囲を赤く照らした。
歩きやすい尾根が続く | 突然遊歩道が現れた |
尾根が右に曲がってピークに達するがGPSのお告げではまだ山頂ではないとのことでそのまま尾根を進む。尾根が左に曲がって僅かに下った鞍部では驚いたことに立派な登山道が出てきた! この道はいったいどこから上がってきたのだろうか。尾根の末端は沢に挟まれているので橋がない限りは簡単には渡れず、林道かここより1本南の尾根から道がきているはずだ。帰りに辿ってみることにしよう。
もうすぐ山頂 | 内浦山山頂 |
少し急な尾根を僅かに登ると東西に長いピークに出た。分厚い照葉樹の樹冠に遮られてGPSの受信状態は悪く、山頂までの距離が50m前後変動するが、地図上の標高200m地点はここと西側肩しかないので西に下り始めるところまで歩いておいた。これで間違いなく山頂を踏んだはずだ。東側ピークには遊歩道の案内標識はあるが山頂標識はない。ま、コンサイス記載の山だからしょうがないか。南東へと伸びる尾根にも遊歩道が続いているが立入禁止のロープが張られていた。西へのコースは塞がれていないので生きているようだが入口はどこだろうか。
東尾根には遊歩道が続く | 遊歩道入口 |
通行止めの吊橋 |
下りは登山道を東に下って行くと尾根末端にキャンプ場があり、林道へは立派な橋で渡ることができるようになっていたが、この橋は通行禁止のロープが張られていた。老朽化で通行禁止なのか冬で霜が降りて滑りやすいので通行禁止なのか理由は書かれていない。橋の下の沢はほとんど水が流れていないので簡単に渡れそうだが、両岸は深く切れ落ちているので上り下り可能な傾斜が緩いところを探す必要がある。無人の公園を突っ切って林道に戻った。
所要時間
林道−0:19−内浦山−0:12−林道