房総半島 根方山 2007年2月3日
根方山は集落のすぐ裏側の小さな山であり、集落から適当に斜面に取り付いて上を目指せばいいだろう。今回は地図を見て最も山頂まで近そうな南西側車道から攻めることにした。
根方山の麓目指して南から接近していくと根方山が連なる山並みが見えるが、どれも同じような高さなのでどれが山頂なのか全くわからない。GPSを見ながら最も距離が近くなるところを探し、車道が広まって路肩に駐車しても邪魔にならないところに車を置いた。GPSによると山頂は北東方向にあり、右手には僅かにピークを持つ尾根が張り出しているから予定通りの場所から出発だ。
この尾根から登った | 取り付きは竹藪 |
登ると竹が薄くなっていく | 尾根に乗る |
山に向かう道はどれも人家の入口のようだが、人家に到達しないうちに右の尾根に取り付く場所があったのでそこをよじ登ると竹薮の急斜面で、竹に掴まりながら隙間を登っていく。さほど距離の無い斜面を登り終わると竹が終わって植林帯となり尾根らしくなるが踏跡は無い。ただ藪も無く、照葉樹の混じった緩やかな尾根を辿っていく。あまりに小さな尾根で地形図上で現在位置は読み取れないが、このまま北東に向けて尾根を伝わっていけば必ず山頂に到達するので高いところを目指して歩けばいい。何となく獣道があるような無いようなで、小さな尾根が合流/分岐する場所では獣道が薄すぎて目印にならない。
ぽつんと石碑がある | 尾根上は竹藪 |
やがて樹林がわずかに切れた場所に出ると石碑が建っており、左手から道が上がってきた。どこからかまともな道があるらしいが入口はどこだろうか? しかし、道はこの石碑までで尾根上は再び藪っぽい樹林に覆われるようになった。千葉の低山では竹が混じるのでいやらしい藪で、うるさいところは右に迂回する。この辺は台地状の低山地帯で細かい尾根が四分五裂し、登りはまだいいが下りでは登ってきたルートを正確に追うには目印が必須だが、まさかこんな近距離低山で目印が必要とは考えもしなかったので記憶に刻むしかない。まあ、こんな小さな山なら尾根を外しても主稜線の反対に下らない限りは目的地からさほど離れたところに下ろされることはないからいいけど。
尾根上は照葉樹が混じる | 板根。たぶんスダジイ |
斜面は植林されているが稜線付近は竹が混じった自然林のままで千葉らしく照葉樹が生えている。中には板のように平べったい板根を持つ木もあったが、ネットで調べたらどうやらシイの木の仲間のスダジイらしい。なんとも熱帯樹林ぽいなぁ。もちろんスダジイは温帯樹林の木である。土壌が薄い場所では木を支えるためにこんな根になることがあるようだ。
左から主稜線が合流 | 竹藪が続く |
根方山山頂 | 山頂の石碑 |
やがてなだらかな主稜線が左から合流、こちらは太い尾根で照葉樹も立派だが登山道は無く、この先も時々竹薮が出てくるのに変わりは無い。小ピークから先で竹薮がひどくなって左に迂回しながら進み、僅かに登ったところに三角点が鎮座していた。根方山山頂である。前もって根方山を調べたことは無いが、たぶん地元の人が登る道くらいはあると予想していたが道は皆無で山頂標識も目印も無く、登る人は皆無らしい。地形図に山名が記載されているのだから私のように無差別に登る人間がいてもよさそうなものだが。周囲は樹林と竹に埋没して展望は皆無だった。
帰りは目印が無いので尾根の分岐で迷ったが、記憶と方角を頼りにそれらしい尾根を進んで行くと無事石碑に到着、かなりヒヤヒヤものだったが我ながらなかなかの記憶力とカンであった。これであとは道を下るだけと思ったら、なんとこの先の道が無い! 僅かな区間だけ尾根上に道らしきものがあるが、下り始めると消えてしまう。しょうがないので孟宗竹に覆われた道無き小さな尾根を下って行くと墓地の脇に出たが、畑で作業している人がおり、こんな藪からゴソゴソ出てきたら熊と間違えられてしまいそうで下山ルートを変更し、もう少し南を下り人家裏に出て人家の庭を突っ切って車道に出た。
所要時間
車道−0:22−根方山−0:15−車道