甲府盆地北部 妙見山 2006年1月20日
焼山峠から近い小楢山の南側に妙見山がある。地形図を見ると東側の井戸川集落が車で入れる最も標高が高い場所なのでそこから適当に登るのがいいだろう。井戸川集落北部から破線が伸びているが、分岐が分からない可能性が高く、本当にあるかどうか分からない登山口を探してうろつくよりも車で入れるところまで入って適当な尾根に取り付いたほうが手っ取り早そうだ。この辺の一般的な植生を考えると、植林かブナ科の樹木を中心とした自然林だろう。手持ちの5万図を見て以上のように考えたのだが、登った2日後にネットで地形図を見たら三角点峰は「差山」、南西の1224m標高点ピークを「妙見山」と表記しているではないか! ついでに山頂西側直下まで車道が延びている。5万図は2,3週間前に買ったばかりなのだが・・・・。後で本当の妙見山に登りに行くか。
本日1箇所目の大久保山で雪はほとんど無いことが分かったので、これなら井戸川集落まで問題なく車で入れそうだ。案の定、日当たりのいい集落への道には雪は全く無く、集落西端の舗装道路が切れるところでちょろっとだけ雪が出てきた。もう十分車で高度を稼いだのでここから先は歩くことにする。ジモティーに鉄砲撃ちか?と聞かれるが山登りだと答える。登山口でもないここから妙見山に登るハイカーなど見たことないだろうな。
尾根の取り付き | 尾根に乗る |
目印が出てきた | 尾根左側は植林、右側は自然林 |
未舗装の林道を歩き出すとすぐに車止めがあり、目の前の尾根を左から巻くように道が付いているので尾根に取り付くことにした。落葉広葉樹の気持ちいい尾根で、落ち葉を踏みしめながら上を目指した。尾根は広く踏跡は無いが集落が見えているので下りでも問題なかろう。尾根が狭まってはっきりしてくると左手は檜の植林帯で日当たりが無くなり、地面が凍結して滑りやすくなってくる。凍結と言っても残雪があるわけではなく土の水分が凍って土が固くなっただけなのだが、まるで石の上を歩くように靴のエッジが効かないので傾斜がきついと足が滑るのだ。木に掴まりながら急な尾根を登って行く。尾根上に露岩が現れるので右や左から巻いて進んだ。境界標石の杭が埋まっているし、たま〜に目印が出てくるので人跡未踏の尾根ではないようだが、さすがに登山としてここを歩く人は相当少ないだろう。
露岩が混じる | ワイアーロープが残置されたまま |
植林帯が終わって明るい落葉樹林になるといかにも低山藪山っぽくなってきて雰囲気を楽しめる。尾根上にはおびただしい鹿の糞があり、角でも落ちていないかと期待するがそう簡単に落ちているはずは無いよなぁ。今度は鹿の糞ではなくワイアーロープが落ちている(放置されている)場所に出た。滑車のおまけつきで、ここは植林帯ではないが下部の植林帯に荷揚げなり切り出しするために索道を作った跡なのだろう。ワイアーロープのアンカーはでかい露岩で、巻きつけるように極太のワイアーがつながれていた。
太い尾根が合流 | 山頂東側の1350mピーク |
鞍部に下り始めると雪が出てくる | 鞍部から登りにかかる |
ここを登りきると左からくる太い尾根に乗った。今まで歩いてきた尾根は枝尾根で下山時の判別は無理なので、今回始めての目印をつけた。この尾根は今までより太い尾根で何となく踏跡があるような気配で、境界標石も杭ではなく石が設置されて目印もポツポツ見られた。緩やかに登ると細長いピークに出たが、これは山頂東側の1350m偽ピークだろう。山頂標識は無く樹林を通して西側にもっと高いピークが見えている。鞍部への下りでやっと雪が出てきたが、深さ数cmでよくクラストしアイゼンは不要だった。地形図によると最低鞍部で破線が合流するはずであるが気づかなかった.
妙見山山頂 | 手製の山頂標識。地元では差山と呼ぶらしい |
妙見山から見る小楢山 |
最後の急な登りが終わると本物の山頂で三角点が鎮座していた。山頂標識は2つあり、一つは旧牧丘で立てたもの、もう一つは手製のものだったが、「牧丘製標識(標柱)」の山名は「
差山(妙見山三角点)」で、手製標識は「差山」だった。標柱は西を指して「妙見山(鼓川温泉)」と書かれているので、どうも地元で呼ぶ妙見山は西側のピークらしい。ま、こういうことはよくあることではあるが。5万図でも山名事典の緯度経度も三角点峰を指しているからここでいいだろう。牧丘町の標識が立っているくらいだから、焼山峠から鼓川温泉までまともな道が通っているようだ。でもここだけ登るなら私が歩いたルートが最短だろう。
下山は登りと同じルートを下った。
所要時間
井戸川集落−0:59−妙見山−0:33−井戸川集落