天子山塊 三石山 2007年01月02日
三石山は富士川を挟んで身延山と対峙するように位置する山で、天子山塊に属する。地図を見ると登山道があり、ネットで調べたら何件も記録がでてきたのでここは本当に道があるらしい。登山口は身延町大崩集落で標高約680mに位置しておりそこまで車で入ることが可能だ。ただ、ネットの記録では車は集落の住人と共用の駐車スペースらしく、あまり部外者が置くと住民の置き場所が圧迫されてよろしくないとの指摘があり、現地に行って様子を見てまずそうなら少し戻ったところで駐車スペースを探せばいいだろう。
車道終点の駐車スペース | 終点より50mくらい手前の駐車スペース |
元日はスーパーもお休みだろうと前日に食糧を買い込んでおいたので大野山を下山して登山口に直行、身延線の踏切を渡るところから三石山の案内看板があり、そこそこメジャーなコースと思われた。桑柄川に沿って登る道は急な上り坂で凍結したらとても登れそうになく、冬の間は夜間、早朝の通行はやめておくべきだろう。最初の集落からさらに登ったところが大崩の集落で、確かに車道終点が広くなって駐車可能だが、その周囲は人家でありどこまで部外者が車を止めても問題ないのかうかがい知れない。特に今は正月だから里帰りでいつもより車が増える可能性もあるのでやっぱり別の場所のほうがよかろうと、集落より距離にして50mくらい戻ったところのカーブにある駐車余地に車を入れた。ここには2台までなら駐車可能である。元旦の夜はここで過ごした。昨日の白水山とは違って夜間の冷え込みも無く、暖かな夜であった。
朝起きてもガラスの露は凍結せず、車内の気温は0度前後あった。この標高でこの温度だから今日は暖かい。冬型が緩んでこれから雲が増えて天気は下り坂、山梨はお昼くらいに雨が降るかもしれないとの予報なので冷え込みも弱いわけだ。上空には薄雲が出ているがまだ青空も見えているのでしばらく天気は持ちそうだ。大した距離ではないので飯は持たずに水を持って出発だ。
三石山登山口 | 立派な道が続く |
尾根に乗るが南を巻き始める | 落葉樹が残る植林帯 |
中央のピークが三石山 | まだ小さい檜植林帯 |
登山口にはこの先は水場は無いのでここで汲んで行くようにと書かれた水道があり、水の補給が可能なのはうれしいところだ。畑の中の1本道をまっすぐ上がるとすぐに右にトラバースし始め、南向きの小さな尾根についた堀のように深くえぐれた登山道を登って行く。道ははっきりした1級の登山道だし、頻繁に標識が出てくるので迷う心配は皆無だ。これだけまともな道は年末年始の山では白鳥山に続いて2山目だ。なだらかな尾根に出ると左手に分岐があって案内標識もあったが、なにせ土地鑑がないのでどこに行くのか分からなかったので尾根をまっすぐ進む。山腹をトラバースし始めるとまだ植林したばかりの檜がある斜面で、ところどころに大きな落葉樹が残っている。南に目を向けると山頂らしき稜線が見えるが、どれが本物の山頂なのかは下山時は分かったが登りでは分からなかった。
1100.6m三角点から見た笊ケ岳 | 1100.6m三角点から見た富士山 |
やがて杉の植林帯に入って水平になり、再び斜面の登りとなり尾根に復帰すると左のピークから降りてくる尾根だからおそらく1080m峰だろう。踏跡は無いが藪も無い。これを辿ると毛無山の稜線に至るはずだ。なだらかな尾根上を歩いていると頭が赤い三角点が出てきた。地形図を見ると1100.6mの三角点が山頂ではなく途中に書かれていた。このコースの中で唯一樹林が切れて展望が得られる場所であり、南ア方面は笊ヶ岳周辺から南嶺にかけてが見えていたが、雲が多くて標高が高い所は霞んでしまいよく見えなかった。富士山も雲をかぶっており、天気予報では山梨はお昼前後に雨がぱらつく可能性があると言っていたが、本当にそうなるかもしれない。
植林帯を登る | 鞍部からちょっとだけ鎖があるけど使わないで登れた |
ブナ林が広がる | ブナの実。秋なら食べられる実が拾えそう |
いつの間にか植林帯から自然林の尾根に変わり周囲は笹に覆われるようになったが、登山道はしっかりと刈り払われており毎年手入れされているらしい。小鞍部を過ぎると少しだけ露岩地帯を登るが鎖が設置されている。凍った場合は重宝しそうだが雪がなければ鎖を使う必要はなく通過する。1139m峰付近はブナを中心とした落葉樹林で、地面をよく見るとブナの実がたくさん落ちていた。こんな時期なので形は残っていても中身は虫に食べられてしまっているが、秋に登ると食べられる実をたくさん拾えそうだ。こんな山域でもブナがあるんだなぁ。
自然林を登る | 山頂直下の神社 |
神社裏に三石山山頂標識がある | これが本当の山頂 |
冬枯れした落葉樹林を登っていくとピークに建物が見えてきて、登ってみると立派なお堂があった。その裏の高まりになにやら柱が立っているので登ってみると山梨百名山の山頂標柱であった。ここが三石山の山頂であった。帰ってからネットで地形図を見ると神社より東側に1173m標高点があって山頂とされているが、私が持っていった地形図は5万図であり、三石山の文字はこの神社を指しているように見えた。でも現場に行くと東の方が僅かながら高そうに見えるので藪と植林に覆われた東を目指した。横に枝を伸ばした灌木の藪を突っ切るのは面倒なので北側を巻くとピークとも言えない緩やかなピークが2つあり、どちらが高いのか分からないので両方とも踏んでおいた。登山道がある山なので山頂を確認するためGPSを使うとは思わなかったため持ってこなかったが、たぶん一番東の高まりが山頂では無かろうか。山頂標識は神社裏にあるためここまでわざわざ登る人はいないようで標識類は無く、周囲は樹林で視界は無かった。
山頂標識が立っている場所に戻って休憩し、同じ道を戻って下山した。こんなに立派な道がある山だったが今日も他に登山者の姿は無かった。
所要時間 ICレコーダのデータを誤って消去したため不明