甲府盆地西部 荒倉山 2006年12月03日

 

 

 韮崎西部、鳳凰三山前衛に当たる低山地帯で地形図に山名が記載されているのは荒倉山、旭山くらいしかないだろう。荒倉山は中山から近いため中山下山後に登るのにちょうどよく、所要時間としても1山登った後でも問題ないだろう。地形図を見るとなぜが山腹を1周巻く破線は描かれているのに山頂へ至る破線は書き込まれていない。登山道があるのかないのか分からないが、この地域でこの標高なら人工樹林か落葉広葉樹林で藪は無いのがパターンなので、適当に登ればいいだろう。地形図では北東鞍部まで車道が書かれており、ゲートが無くてここまで車で入れるのならここから歩くのが手っ取り早いだろう。地形図によると林道入口は宇波円井という集落で、峠まではそこそこの道幅のはずだ。ネットで検索すれば道の有無も道がある場合はルートも分かるはずだが、登山道が無くても適当に尾根を登れば登れるだろうと調査は行わなかった。なお、この記録を書くに当たってネットで検索をかけたら荒倉山は韮崎ではメジャーなハイキングコースのようで、今回私が歩いたコースが何件も出てきた。

荒倉山登山口駐車場 荒倉山入口の標識から歩く

 

 中山峠から車に乗り込んで登山靴のまま車を走らせた。ロードマップでは宇波円井付近の細かい道が記載されておらず、地形を見ながら奥に抜けていそうな場所目指して車を走らせると見事に荒倉林道の看板を発見、心配していたゲートはない。ハンター連中だろうか、林道入口付近で止まっている車数台がいた。同様の車がカーブを塞ぐように駐車しているところもあったが、こちらは軽自動車で幅が狭いのでどうにか脇をすり抜けられた。お寺の前に荒倉山の案内地図があり、それによるとこの先で左に分岐してその先で右に入るようだ。案内があるということはまともな登山道があるはずなので一安心だ。ところがその地図どおりに林道を走ると稜線に上がるどころか逆にどんどん下って行き、かなり下ってから右に細い道が分かれて「荒倉山」の標識が出ていた。とても普通車では入る気が起きない細い道なので駐車余地を探して先に進むと、50mくらいで別のお寺の前に出て駐車場があり、韮崎市が設置したらしい荒倉山の案内標識があった。GPSで標高を計測すると約550mで、どうやら下円井付近まで下ってしまったらしい。最初の構想と違って標高差があるが、道はまともそうだし最初の中山が200mくらいしか登っていないのでトレーニングも兼ねてここから歩くことにした。

左が荒倉山へのルート 最初は軽トラなら走れそうな道
谷のように凹んだ登山道 落ち葉に埋もれてラッセル

 

 ザックを背負って細い林道に突入、最初は軽トラックなら走行可能な感じだったが、進むにつれて徐々に道が荒れ幅も狭くなってきて、いつのまにか登山道に変貌していた。やはりさっきの駐車場に置いたのは正解だった。かなり踏まれた道のようで、最初は谷沿いを歩くが、やがて落ち葉に埋もれた溝のように深く掘られた登山道をジグザグに登って行く。樹林の隙間から甲府盆地が低くなっていく。傾斜が緩むと突然林道に飛び出した。標識では「平川峠」となっており、荒倉山は左を指している。地形からみると760m鞍部らしい。本当はここまで車で入って歩く予定だったのだが・・・。未舗装だがしっかりした路面で最近も車がたくさん入った形跡があり、ゲートが無ければ普通車で問題なく走行できる。車を運転しているときに荒倉山の標識を無視して予定通り走ってみればよかったな。

平川峠に出る 林道を歩く
林道終点。標高約900m地点 林道終点から登山道を歩く

 

 ちょっとだけ林道を歩くと登山道は右に分岐する、というよりも林道が尾根を外れて左に巻き始めるので登山道は尾根を直進しているのだが。地形図ではこの林道はこのまま尾根を巻いて標高870m付近で終わっているようだが、登山道を歩いているとまたもや林道に出てしまったではないか。林道がもっと延びてこんなところまで来たのか。下から登ったのがますます馬鹿らしくなってくるが、トレーニングとしての効果を考えると悪くは無い。その後は林道を200mくらい歩くと終点で、GPSで標高を測定したら約900mだった。ここまで車で入ったら標高差200m強で山頂で、私がスタートした場所からだと標高差約600m弱だ。私の記事を見て登る人は林道を利用するのがお得だろう。終点手前のカーブが広くなって何台も駐車可能である。

展望地点から見た八ヶ岳 荒倉山山頂

 

 林道終点からは再び登山道になり、荒倉山の標識に導かれて尾根を目指す。葉が落ちた広葉落葉樹林で日差しがあって暖かいのは助かるが温度計を見ると0度だった。尾根に乗って高度を上げ、山頂の一角と思われる傾斜が緩んだ地点に出ると、右手の斜面の一部が伐採され八ヶ岳方面の展望が開けた場所があった。展望があるのはここくらいなので休憩にいいだろう。八ヶ岳上部は雲に覆われていた。そこからほぼ水平に歩くと荒倉山山頂に到着、三角点は無く山頂標識がいくつかあるだけだ。甲府盆地方向は樹林が開けているが、残念ながら南ア方面は樹林で何も見えない。ま、この標高だから最初から期待していなかったが。日向ぼっこしながら休憩兼無線だ。

 帰りは同じルートを戻ったが、平川峠から下るところでは登山道を外れて尾根を下り、登山道が谷に下ってからは適当な斜面から谷を目指したら棘付きの藪に捕まってしまった。この高さだと棘も出てくるか。登山道に出てほっとする。駐車場に戻ると他に3台の車があったが、もしかしたら私が登山道を外れて歩いているときに上がって行ったのだろうか、それともお寺の参拝者か。ザックを片付け着替えていると歩いてくるハイカーが2名通ったが、麓の駅から歩いてやってきたのだろうか。ご苦労様。駅から歩けば立派な日帰りコースだろう。

所要時間
登山口−0:29−平川峠−0:19−林道終点−0:23−荒倉山(休憩)−0:13−林道終点−0:11−平川峠−0:19−登山口

 

 

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