神奈川東部の低山 大楠山,扇山,衣笠山,高尾山 2003年11月30日

 

 今週末は土曜日は会社はお休みではなく出勤日なので日曜のみの1日移動。しかも天気予報は雨。土曜日もしっかり雨が降って気圧配置はいかにも雨が降りそうな模様だった。台風は南から上がってくるし、本州付近は南北の低気圧に挟まれる格好で深い気圧の谷であった。でもせっかく後藤さんがお出かけOKなのだから出かけないのはもったいない。せめて雨に備えて車で山頂近くまで行ける山を選ぼうと行き先を考えた。日帰りなので遠くは行けないこともあり、すぐ隣の神奈川県東部を狙った。ここは私も過去に1度だけ行ったことがあるが、ほぼ手つかずと言っていい地帯で、登る山は選びたい放題だ。

 そんな中で円海山を第1候補に考えた。ここは山頂直下まで車で入れ、数年前は6mでも良く声が聞かれた場所である。そこでインターネットで調べてみると、今年に入って不法投棄対策で車止めができたとのこと。これでは雨の日対策にならない。次いでこれも車道マークがある大楠山を見つけネットで調べると、道は悪いが山頂まで入れるとの記述が複数見つかった。ここならいいだろう。

 日曜当日、朝6時前に後藤さんがやってきて私を拾って出発。面倒なので第3京浜から横浜新道、横浜横須賀道路を通って一気に三浦半島に入り、衣笠ICで降りて大楠山を目指した。ダウンロードした地形図や後藤さんが持っているロードマップには出ていない有料道路があってビックリしたが、無事に国道134号線に出られた。

 国道134号線を葉山方面に走っていると「大楠山入口」という何ともわかりやすい表示があるのでそこを北に上がっていけばいい。最初は住宅地の中の細い舗装道路で、やがて樹木が増えてきて林道っぽくなってくる。不法投棄対策で道の両側はバリケードもどきの壁、それに監視カメラまであったのは驚いた。どうやらここのカメラは生きているようである。そんなに不法投棄が多いのだろうか。やがて林道が封鎖されてしまうような雰囲気である。

 道は普通車でも走行に大きな問題はなかった。ほぼ尾根に沿って上がっていく一本道である。やたらに鳶(鳥の方)の姿を目にする。車道終点は山頂西200m地点で駐車場近くにトイレと雨量レーダーがある。GPSで山頂を確認すると東に約200m、歩いて2,3分といったところだろうか。しかし台風並みに風雨が強く、とても外に出られる状況ではない。それにまだ8時前で時間が早く、雨の中登って6mを設営しても空振りCQが続くのは必至だろう。もう少し待って相手局が増えてからがいい。後藤さんはモービルホイップでCQを出し始めたが呼んでくるのは近くの局ばかりである。その中に奥積さんの声はなかった。奥積さんが出てくれば待っててもらって山頂で素早くQSOを済ませることができるのだが。

 

大楠山 地図 大楠山 山頂直下の駐車場 大楠山山頂

 

 約1時間待機して奥積さんが出てこないのでゴアを着て傘をさして山頂めがけて出発、南風で気温が高く、Tシャツでも寒くないくらいだった。車道を戻って大楠山の表示に従って左の歩道を上がる。濡れると極端に滑りやすい石の道で、階段には川のように水が流れている。息を切らす前に山頂広場に出た。風は猛烈で横殴りの雨なので木の陰に隠れながらだ。幸い、雨は弱くなりつつあるようで傘が無くてもどうにかなる程度になり、DPを張ってワッチするとCQを出している局がいたので早速声をかけた。雨の中じゃなくてよかったぁ。なお、山頂には展望台があり、注意書きに無線はやるなとの項目があった。展望台を占拠してやった連中がいたんだろうな。

 

扇山 地図 扇山山頂 竹藪に埋もれている

 車に戻り次の山を物色、この雨では藪山ではびしょ濡れになってしまうので道がありそうな山にしたい。一番近いのは山崎山だが道の有無は不明で、とりあえず山麓を通って様子をうかがうことにする。山頂東側にお寺マークがあるのでそこから踏跡がある公算は高くその道路に入ったがお寺は見あたらず通過、どこか他に取り付き点が無いかと左手に入るとどうやら扇山北側を走る道らしい。まあ、こうなったら扇山でもいいか。車道最高地点から車止めがあるがさらに車道が上がっているようなのでそこに入ったがすぐに行き止まりで藪、その上部に畑があったので畑を歩いて山頂方面に道がないか捜したが見あたらない。撤退してもよかったが残り200mもないとなると行きたくなるのは当然で、目の前の竹藪を登ることにする。

 これがなかなかの密林で、しかも埃が湿って真っ黒けの泥だらけになる状態で最悪だった。晴れていればどうってことないが、濡れた藪はやっぱ困ったもんだ。とにかく高いところを目指して登り、尾根に出たらGPSで最高点を目指す。なだらかな尾根で竹藪で遠望が効かないのでGPSがないと最高点探索はお手上げだろう。竹をかき分けて目的地±10mに到着、特別高いところがあるわけではなくただの竹藪でまったく山頂の雰囲気はない。6mをワッチすると後藤さんがCQを出していた局を捕獲していて、再びCQを出し始めたところでコール、無事QSOできた。

 

衣笠山 地図 衣笠山山頂

 もう濡れた藪はごめんなので、次は道があるだろう衣笠山を目指す。地図では衣笠山公園と出ているし、扇山でQSOした局の話では衣笠山は桜の名所といっていたので道がないはずはない。山頂東山麓途中まで車道マークがあるのでそこからアプローチするのがセオリーだろう。

 県道を走ると細い道を指して衣笠山公園の表示があり、あとは表示に従って住宅地内の細い路地を上がっていく。急坂の両側は住宅でいっぱいだが、こんなところで生活していると足腰が強くなるだろうなぁ。住宅地が切れるところで車止めがあってここからは歩きである。駐車場にトイレがあるのは大楠山と同じだ。山頂まで約500m、後藤さんはここで待機して私だけ山頂を往復だ。桜もあるが楠も多い。さすが神奈川の海沿い、奥多摩とは異なる植生で照葉樹林だ。まだ車道は続き、最後まで車道をたどったら三角点と展望台がある山頂だった。8J1YKFなる記念局が出ていたので捕まえた。

 まだ近くに山があるが、道があるかどうか分からないので後日登ることにして最後に横浜町田IC近くにある高尾山に立ち寄ることにした。その前に奥積さん宅に立ち寄ってみることに。今日は奥積さんの声が聞こえないが、昨日のメールでは自宅にいるようなことを言っていたし、高尾山に行く途中にあるし無駄足にはならないだろう。

 最初は一般道で行こうとしたが思ったより混雑しているので横横で新保土ヶ谷まで走り、保土ヶ谷パイパスで横浜町田ICを目指して途中で降り、緑区を目指す。これがなかなかわかりにくく16号線をワンデリングしてしまったが、ロードマップの誤認に気づき正しい道に入った。三保橋交差点には見覚えがあり、左に曲がるとこれまた見覚えのある団地が。ただ、どの棟も同じ建物だからどこが奥積亭かはわからない。目印は6mのアンテナである。真っ昼間なのですぐに見つけることができ、アンテナ直下で車を止めて6mをワッチ、するとバンド全体がガサガサするほどの強い信号が出ているではないか。間違いなく奥積さんだろう。周波数を合わせると声の主に間違いはなく、下の周波数に移って下を見よと指令すると奥積さんがベランダ越しに顔を出したのが見えた。

 奥積さんちに上がるのは初めてで、4階立ての4階、それもエレベータが無く階段だから毎日いい運動になるかな。つつましいシャックはそれでも後藤さんのスペースよりは広かった。FT-655にポコンのPTT音が特徴のスタンドマイク。6mしかやらないからシンプルである。アンテナはクリエイトの8エレで、私が実家にいたときに上げていたのと同じだろう。西向きの窓で正面には丹沢の山々、もう雨は上がったが雲が低く大山は山頂まで見えているが主脈は雲の中だ。建物は高台の上にあってロケーションはFB、西に強いわけだ。

 吉原さんの動向を聞くと今日も出ていたらしい。明日12/1誕生する員弁市運用で来週末も出てくるはずなのでそこでつながるだろう。奥積さん愛用の地図を取り出して員弁郡の位置関係、山を見た。

 1,2時間ほど談笑、奥積さんとの子供と後藤さんちの子供とも同じような遊びをしていることが発覚、ブロードバンドを入れるとやっぱそうなるのかな。たぶん奥積さんは初めて見るだろうハンディーGPSを披露、そう、これが藪に2度も盗まれそうになったGPSだ。その他、ウェストポーチから出てきたのは2つのデジタルカメラ、ICレコーダ、それにVX-5。みんな電気製品ばかりで今時の山登りを象徴している。おっと、ローテクもあったぞ。目印用の赤テープだ。

 

高尾山 地図 高尾山山頂

 帰りの時間もあるのでPM2時前に別れ、高尾山を目指した。国道16号線に戻って246号線を北上、すぐに右折して道なりに進むと高尾山の西側麓に出る。老人福祉施設?入口が「登山口」である。山頂の神社はすぐそこで歩いて1分くらいだった。ここはなんと横浜市緑区なのである。しかも1等三角点。2.5万図掲載の山ラン有効の山。緑区移動なんてそうはあるものではない。DPを張ってワッチすると後藤さんと奥積さんがQSO中、ブレークをかけて奥積さんとQSO。後藤さんは車からモービルホイップに50Wで、こっちはピコ6にDPだったが、奥積さんの話だと明らかに私の信号の方が強いとのこと。後藤さんの車は僅かに山の陰であるが、やはりアンテナの差が大きいのだろうか。

 これで本日の運用は終了、僅か20kmではあるが時間がかかる道である。できるだけ太い道は避けて3桁県道を乗り継ぎ、よみうりランド横を通過して多摩川を渡って帰った。


 なお、後日、山崎山、扇山をインターネットで調べてみたところ、登山記録は1件もヒットしなかった。やはり小さすぎて登山対象とはなっていないようだった。高尾山は1等三角点なので何件か見つかった。この山は手軽に立ち寄れるので、関西の方々も関東に来た帰りにでもどうでしょう。横浜市は2つしか山がないので貴重な存在。もちろん無線をやるなら6m! 奥積さんちでほぼ振り切れなので気づいてくれるでしょう。まさか大和さんはまだ登ってないよね?? 緑区移動てのも話題性があっていいでしょう。さらに川崎市の枡形山もお勧め。ついでに府中市の浅間山も近いので立ち寄れるでしょう。東京都心の超低山よりは標高は高いですが、それでも100m以下の山がありますし、市内で唯一の山もあります。山ラン稼ぎにはいいでしょう。

 

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